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株式会社ヒーロー  作者: ボサボサ
王と優しさと力
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ヒーロー達と怪人達その七

雑務課が怪獣を退治をした、翌朝である。


「ふぁ~、まだ寝てよう」


いつもののように二度目の眠りに入ろうとすると、違和感がある事に気づく。

自分の部屋に使っている、雑務課の一部屋。

そのドア一枚の向こうに人の気配がする、いつもの二人ではない別人。


「誰でも良いや…、寝る」


この部屋にいると言う事は敵ではないと楽観する。


「一狼っ!ほら、おきなっ!ご飯できてるよっ!」

「俺は朝は食べない派だから…」

「良いから、おきてっ!仕事に遅れるわよっ!」

「うるせぇ…。何で、お前がいるのっ?!」

「水臭いわね、昨日一緒に居たじゃないかい」


恥ずかしそうに身体をくねらせ、表情はにやけている。


「ここは怪人クラブの人間には一切情報が渡ってないはずだぞ?それに関係者以外立ち入り禁止だぞ?」

「あの人が通してくれたわよ?確かあんたの部下の黒い子が」

「はっ?!剣の野郎…」

「別に良いじゃないかいっ!あんたと私は結ばれる運命な・ん・だ・か・ら」

「べたべたするな、暑苦しい」

「嬉しいくせに、それと早く朝ご飯食べて」

「解ったよ」


パジャマ姿で布団から、出て隣の部屋に行くと信じられない光景が広がっていた。


「綺麗になってる」

「冷めちゃうから食べて、食べて」


自分がいつも使っている空間が変わると何だか、落ち着かない。


「美味しい?」

「う、美味いっ?!姉さん料理できたんだな」

「早く結婚しよっ!」


その言葉は無視して、無言で食事を続ける。


「失礼するよ」

「お義父さんっ!おはようございますっ!」

「はっははっ!賑やかだと思ったら、君か。それにしてもお父さんか。一狼、式はいつだ?」

「ミスター、悪い冗談は止めてくれよ」

「いや、君達二人はお似合いだと思うぞ」

「えへへへ」

「にやけんてじゃねぇよ。それで何の用だ?」

「私が用があるのは姉さんだ、どうやってここに入った?」


急に空気が重くなり、ミスターの表情が険しくなる。


「私を誰だと思ってるの?怪人クラブの最上位戦闘員の一人で諜報指令官よ?

標的の居場所くらい、直ぐに見つけるわよ。それに安心して、ボスには報告しないから。

それに私は組織から抜けるわ…」

「何…」

「寿退社でねっ!!!」

「いちいち、抱きつくなっ!」


恐らく、彼女が言ってるのは信じて良いだろう。

本気で白牙一狼と添い遂げる気だろう。


「ミスター、見上げ代わりに情報を一つあげるわ」

「情報だと?そちら側から常に情報は流れているが?」

「鯨のおっさんとミスターダイバーが周辺の海域を調査報告が今さっき来たのよ。

それで馬鹿でかい塊が海中の中を移動しているってさ」

「どう言う事だそれは?」

「まだはっきりとして事は解らないけど、恐らく怪獣でしょうね」

「その大きさは?」

「まだ、調査中の事よ。近い内に鯨に会う事になるだろうから、その時にでも聞いてちょうだい」

「そうか、それで君を信用して良いのか?知っていると思うが、一狼の居場所は今まで伏せていた。

なぜだが君なら直ぐに解るはずだ」

「うちらから狙われないようにする為でしょ?そんなの百も承知よ。

シルバーファングって言えば怪人の間では、銀色の悪魔だの夜の殺し屋だの言われてるしね。

それにまた、実験に使われる可能性もある。それにシルバーファングは能力複製計画の唯一の最高傑作だものね」


彼女の言い草ではまだ他の情報を持っている感じはするが、ただでは教えてくれるはずがない。

相手は敵側の最高幹部の一人。同盟関係中にその協定を破れば、どうなるかは火を見るより明らかだ。

ここは大人しく、今聞いた情報だけで手を打とう。


「一狼と上手くやってくれ。私は失礼する」


その一言だけ言い残し、朝の日課である清掃へと戻る。


しかし気になるのは、海中を移動していると言う巨大な物体だ。

それはいったい、何なのか。頭の中で複数の仮説を立てる。

鯨の群れか、潜水艦。


だが、可能性が低い回答が一つだけある。

怪獣を操っている者の存在。

しかも日に日に数が増え、凶暴性が増している。


初めは解らなかったが、最近に一つの結論に至った。

それは我々を試している。目的は検討もつかないが、それだけは解っている。

本当の敵はいったい何なのかこちらも今以上に調べる必要がある。


「おはようございます~」


いつものように清掃員のふりをして、社員達にあいさつをして行く。

だが、その足は社長室を向う。


「もしも、私だ」

『はい、もしもし社長さん?珍しいなこんな時間にあんたが電話をくれるとは』

「君に頼みたい事がある、今海中を移動していると言う巨大な物体について調査をして欲しい」

『ダイバーの奴がしてるんじゃないのか?』

「私の勘では彼と怪人クラブの戦闘員だけでは危険だと思ってな、君が保有している潜水艦を出して欲しい」

『解っていると思いますけど、高いですよ?』

「それは承知の上だ、少しでも怪獣の事を知りたい。これからもっと巨大な脅威が来るかもしれない」

『あんたの勘はいつも当たるからな、確かに承りましたよ』


ミスターが電話していた相手は潜水艦を多数保有している、ヒーロー。

ミスター艦長。戦闘能力は皆無だが、海を潜るのは得意。

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