ヒーロー達と怪人達その二
大男に付いて行った先にはどこかで見た事がある人間が数人。
「お~いっ!皆、白の奴を連れて来たぞっ!」
社内のロビーにいたのは、日本が誇るトップヒーロー達だ。
だが、加藤努と黒牙剣は気づいていない。
「久しぶりだな!白牙、元気だったか?」
「あぁ~、そこそこな。そっちはどうだ?爆発?」
「そんなあだ名で呼ぶのはお前だけだっ!はっはは。そこの二人は?」
「雑務課に入った新人とバイトだ」
「何っ?!お前に後輩が出来たのかっ!?」
「そんなに驚く事ないだろ、俺も新人育成くらいできるわ」
「まぁまぁ、そのくらいにしておいて。そこの二人は加藤努さんと黒牙剣君だね?」
爽やかな笑顔で話しかけて来るのは同じくトップランカーの一人ミスターナイトだ。
「え?どうして、私の名前と黒牙君の名前を?」
「私はヒーローをしているミスターナイトと言う者だ、よろしく。
それにここにいるのはビックウルフさん、ミスターエクスプロージョンさん。
ミスターウィルスとサムライさんだ」
「え~と。全員、どこかで聞いた事がある人ばかり…。もしかして、10強のヒーローっ?!
どうしてここにっ!サイン下さいっ!」
「はっはは。まさか、今まで気づきませんでしたか?大型新人のレッドウルフさん?」
「あなた方にそんな事を言われると照れますね…」
「おい、ミスターが戻って来たぞ」
正面玄関から足を踏み入れた、株式会社ヒーローA市支社代表取締役ミスター。
その様子は緊迫に包まれていた。
周りの人間をも巻き込むその雰囲気に全員が息を飲む。
「お疲れ様です、社長。それで今後の予定は?」
先に口を開いたのはミスターサムライだ。
「あぁ、ウィルスとサムライは私に付いて来い。それと、一狼もだ」
「え?なんで俺が?」
「向こうの代表と幹部の顔合わせだ。説明は後でする、直ぐに出発する」
「先生…」
「どうした、ウィルス?」
「ただの顔合わせなら、俺は必要ないと思うが?それに俺が行ったら、脅しになるんじゃ?」
「確かに、君の言う通りだ。だが、向こうも何をして来るか解らない」
「了解」
ガスマスクをした男がヒーローランキング4位のミスターウィルス。
元テロリストで細菌を使い、バイオテロや暗殺をした経歴を持つが今では改心しヒーローとして活動している。
「両者が揃った所で、今後の方針についての話し合いをしよう」
「話合いもするも何も、もう決まってるぞ?」
この会合は行われている場所はとあるビルの一室。
席に座っている八人の雰囲気ははっきり言って、最悪だ。
会見で握手したのは建前で内心はお互いに気に入らない所がある。
「そうだが、まだお互いに情報開示していない」
「もう、こちら側の人員には伝えてある。それにこの間、連絡しただろう?それに何かあったら執事に連絡をしてくれ。
これでこちら側の話は以上だ」
「おいおい、ちょっと待てよ。そんな言い方はないだろ?少しはこっちの話も聞いてくれても良いんじゃないか?」
「誰に向って、そんな口を聞いてるんだ?元犯罪者?」
「待て、ウィルス。ボス、今日の所はこれまでにしよう。お互い、忙しい身だしな。
何かあれば執事さんに連絡して、打ち合わせはまた後日にしよう」
「そうしてもらえると助かる」
この短い時間で顔合わせが終了。
だが、この両者の同盟で関係が少し良好な物になったはずだ。




