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株式会社ヒーロー  作者: ボサボサ
王と優しさと力
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旧友と同盟

A市の路地裏には人間が嫌いな超能力者が集まっている。

その薄暗い道をスーツを着た男が三人歩いている。


「ボスが承諾してくれて、感謝してますよっ!」

「本当ですよ。今回ばかりは我々だけではどうにもならない」


その場所に緊迫した空気を作り出しているのは、怪人クラブ代表ボス、常務取締役、専務取締役。

日本の反社会的組織の代表とその幹部が一緒にいるってだけで、そこの場所は異質だ。


歩いていると、一人の不良者がぶつかる。


「おっと!」

「す、すまねぇっ!」


立ち去ろうとする、男の肩を掴む。


「ちょっとあんた」


声をかけると、男の身体が若干反応を示す。


「止めておけ。財布くらいくれてやれ」

「は、はい…」

「あんたにこれを渡しておく」

「えっ?!あ、あんたはっ?!」

「私は怪人クラブ代表のボスだ」

「か、怪人クラブっ?!ボ、ボスっ?!」

「日銭をせびるより、自分で稼げ。行くぞ」


男に名刺を渡し、立ち去る。


路地裏で一軒だけ、店が佇んでいる。

店の名前は怪人バー、怪人クラブ元幹部が経営している。


「いきなり押しかけて申し訳ありません、マスター」

「良いんですよ、髑髏さんには昔世話になったんだ」

「そう言って頂けると助かります」

「話を聞いた時は驚きましたけど。いや、今も正直半信半疑だ」

「昔なら考えられない事でしたが、今はそれを信じましょう」

「お邪魔しますよ…」


店内に三人が足を踏み入れる。


「いらっしゃいませ」

「久しぶりだな、マスター。急に押しかけてすまない」

「いいえ。その為に特別料金を払って頂いたんだんですから、遠慮しなくてもいいんですよ」

「そうだな。それで、奴らは?」

「時間は伝えておりますので、そろそろかと…」


ドラゴンが提案した、株式会社ヒーローと怪人クラブとの同盟関係を決定する為にこの場所を選んだ。

他の場所は人の目があり、この会合は世間に公表する前に部外者に見られるのは絶対に避けたい。

まず両者の関係は長年敵対関係にあり、その関係性で利益を得ていた者達多くいる為に非難する者も現れるだろう。

水と油と言う単純な関係ではなく、その間に多種多様な人間が関わっている為に生まれる弊害がある。

例えばテレビ局は商売道具が一つ無くなれば、文句を言うだろう。

それにヒーローが悪を一方的に暴力を振るうのは良い映像になる。

さらにヒーロー達が活躍を記録する、映像会社はそれがなくなる。


怪人が暴れると誰が得をするか、ヒーローだけではない。

怪人を用心棒に扱う連中も多く存在する。

ヤクザ、密売人、悪徳企業の社長、怪人クラブと繋がりがある政治家達。

それに怪人達が騒ぎを起こしているその裏では商売をしている連中もいる。


それが一時的にとは言え、金銭が稼げなくなるかもしれないのだ。

非難されるのは当然と言えば当然だ。

例えこの同盟が正しとしても、間違いだと声を荒げるだろう。


「失礼する」

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