緊急招集と執事その三
緊急招集が行われた後日の事だ。
「はっ…」
屋敷の自室で深く溜息を吐いていた、原因は解っている。
それは自分の息子が敵側に行ってしまった事だ。
さらに手を結んでくれと申し出があり、その問題をどうするか検討中だ。
頭の中で敵と組まずに怪獣達をどうするか考えている。
まず、非番の戦闘員達を全員待機状態で支店に置く。
それをするともちろん手当ても出さなくてはいけなくなり、経費でけでもかさむ。
それに日に日に脅威が増して行く敵に戦闘員達への被害も甚大だ。
はっきり言って、自社だけでは無理だ。
それは会議で解りきっている事だが、意地が邪魔をする。
「失礼します」
「じいか?どうした?」
「あまり、根を詰めないで下さい。ご主人様、紅茶でございます」
「すまない、何か用があって来たんだろ?」
「はっはは。さすがご主人様、お見通しですなっ!」
「ドラゴンの事か?」
「はい、同盟の軒は考えて頂きましたか?」
「それは…」
「この私が口を挟む事ではないのですが、ドラゴン様と専務の言う事は正しいと思います。
我々とヒーローは今、共通の問題を抱えています。それにお互いの組織は疲弊しています。
ご存知ですか?ヒーロー委員会が10強を集めて本部に待機させている事を…」
「何っ?それは本当か?」
「ミスターが彼らを集めたと言う事は追い詰められている証拠では?
それは我々も同じだと思うのです、ですから同盟を結んで頂けませんか?
これはドラゴン様の願いであり、私からのお願いでございます。どうか…」
この男が自分にこんな深く頭を下げているのは初めてだ。
「解った、すぐに用意に掛かってくれ。久しぶりに旧友に会うとするか」
「ありがとうございますっ!このご恩は一生忘れませんっ!直ぐに御用意させて頂きますっ!」
「それと、ドラゴンにはたまに家に帰って来いと伝えてくれ。あいつの彼女の顔も見たいしな…」
「はいっ!お伝えしておきますっ!」
折れてしまった。だが今の状況は爺の言う通りで、何も言い返せない。
それに自分達だけで対処しようとすると、従業員達の命に関わる。
いつも怪我人や殉職者出ているが、そんなに多くはないがこのまま意地を張り続ければ被害が拡大する。
被害が拡大すれば、その家族からの非難が殺到。株が下落するのは目に見えている。
それにヒーロー達と一時的に同盟を結び、共に行動すれば世間からの印象も良くなる。
さらに株主も増え、新卒採用も今以上に増えるようになる。
はっきり言って一石二鳥でところではない、今後の発展の為の人材確保や収益向上に繋がる。
幹部達の言っている事は正しい、今回ばかりは間違っているのは自分だ。
「お坊ちゃまっ!私ですっ!!!」
『どうした?』
「お父上が許可して下さいましたっ!!!」
『本当かっ?!』




