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株式会社ヒーロー  作者: ボサボサ
王と優しさと力
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緊急招集と執事その二

「会議中だぞ、じい」

「申し訳ありません、社長。ですが、急ぎでお伝えすべき事ありまして」


この品がある老人が緊迫している、部屋に足を踏み入れると空気が一気に変わった。

それも良い方向へ、雰囲気が柔らかくなるのがこの空間にいる誰もが感じ取った。


「それで、その用件は?」

「えぇ、ドラゴン様から連絡がありまして…」

「何っ?!今さら」


今まで冷静で冷酷で鋭い目付きは驚きの表情になる。


「あいつはそれで何て言っていた?」

「不足の事態にヒーロー達に協力して欲しいとの事です」

「奴らに協力して、我々に何の利益が生まれる?」

「それだっ!!!」

「どうした急に大声を出して」


隣に座っている専務が子供の様に大声を発して、その場の人間を驚かせる。


「ボス、ヒーロー達に恩を売っておけば内の株が上がって企業イメージがさらに良くなりますよっ!

それに人材確保に苦労なくても良いんですっ!今までそれで使えない連中やチンピラ紛い。

そのお掛けで世間では余り印象が良くないっ!ボス、我々の目標をお忘れですかっ!」


それを聞いた本人は複雑な表情をしている、敵側に寝返った息子が助けを求めている。

父親としては助けてやりたいが、経営者としての立場もあり、情と理の間で板ばさみ。


「前向きに検討してみよう、だが当てにするな。あくまで私の方針は我々で事態を解決する事だ。

今日はこれまでにしよう。また後日取締役会議を行う、それでは解散」


入社して一ヶ月が経過しようとしていた、まだまだ右も左も解らないがはっきり解っている事がある。

一日も早く一人前のヒーローとして活躍する事だ。

その為に基本であるトレーニングは絶対に欠かせない。

基本がなっていなければ、何をしても自分の血肉にならない。


「はっ…、はっ…」


ランニングマシーンで走りこみで汗を流す。


「おっ!新人君は今日もトレーニングかっ!関心するね~」

「マッスルさん、おはようございます。いえ、これは当たり前の事ですので」

「はっはは!期待の新人は言う事が違うねっ!一日も休まずに続けるのは中々できる事じゃないぜっ!なっ!部長っ!」

「はっ…、はっ…。え?そ、そうですね」

「今の聞いてなかっただろ、それじゃすぐにドラゴンに追いつかれるぞっ!」


あの顔は見た事がある、数ヶ月前にシルバークロウに捕まった時に怪我を追わせた相手だ。


「私は一旦休憩しますね」

「自分も…」


それに釣られて、休憩をする為にマシーンから降りる。


「え~と君は…、ドラゴン君だっけ?」

「は、はいっ!自己紹介が遅れて申し訳ありませんっ!一ヶ月前に入社したばかりで、良くこの会社の事は…」

「そうか、入ったばかりなら仕方ないね。これからよろしくね、歓迎するよ。この会社は良い人ばかりだからね」


紳士的に笑顔で握手を求めて来る、この姿に目頭が熱くなる。


「はい…、こちらこそよろしくお願いします」


熱く握手を交わす。


「部長~、ちょっと良いか?」

「ごめんね、上司に呼ばれたから行くね。今度ゆっくり話しをしよう」

「はい」


立ち去る姿をしばらく眺めていると、自然とその男に人が集まって行く。

あの人格と懐の深い人間だから他人に好かれ、信頼される。

昔の自分とは全くの正反対だ。


それに自分の事を絶対に覚えているはずなのにそれを一言も口に出さない。

またそれが胸に刺さる、だがそれがレッドウルフの魅力なのだろう。


「ドラゴン君、おはよう」

「おはようございます。何か用ですか?」

「汗かいて、喉渇いてるでしょ?これ飲んで」

「ありがとうございます」

「ねぇ~、今夜暇?」

「え?」

「だから、今夜…」

「ドラゴン君っ!おはようっ!お弁当持って来たのっ!」

「百合さんっ!ありがとうございますっ!」

「お昼に食べてね、それと夜は私の家でね」

「は、はいっ!」


その二人の様子はまるで恋人同士だ、いや恋人なのだろう。

その光景を見て、一人の女性は唖然としている。


「え…、ドラゴン君って彼女いたの…」

「お恥ずかしい話ですが…」

「しかも、この間入って来たばかりの新人さん…。元々できてたのか~。はぁ~」


肩を落とし、その場から去って行く。

物事は何時も上手く行かない、それは解っている。


「百合さん。ちょっとすいません、電話が…」

「うん、また後でね」


甘い空気が流れているがそれを遮断するかのように電話のベルがなる。


「もしもし」

『お坊ちゃま、お父上にはお話を通しておきました』

「何時もすまないな、これでお前に助けて貰うのは二度目だな…」

『いえいえ。あの程度の事はお安いごようですが…』

「何かあったか?父上の事だから、直ぐには首を立てに振らないだろう」

『はい。ですが、お坊ちゃまの仰っている事はお互いの事を思っての行動。決して間違いではありません』

「そう言って貰えると、助かる」

『お父上にはもう一度、お願いして見ます』

「これで上手く行けば良いが…。一時的でも同盟が結べれば…」


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