緊急招集と執事
「ここは…?」
「目が覚めたな、ビリビリ」
「はっ…?誰がビリビリだって?」
「お前しかいないだろ?」
「目が覚めた見たいだね、ここは株式会社ヒーローA市支社の医療施設だ」
「あんた達は?」
「自己紹介がまだだったね。私はレッドウルフこと、加藤努。君の側にいるのが私の上司の白牙一狼」
「えっ?!れ、レッドウルフっ?!あ、あの…」
ベットから目を覚めると、自分から見たら現実離れしていた。
誰もが憧れる企業の内部にいて、それに目の前には世間が注目している大型新人ヒーローレッドウルフ。
「お母さんには連絡しておくから、ちゃんと帰宅するように」
「あぁ…」
「目が覚めたか?」
「黒牙…」
突然として現れた、友人と呼べる存在。
「黒牙君、帰ったの?」
「はい。学校が終わって、今帰って来たばかりです」
「今日は以上が無いから、ゆっくり休んで」
「ですが、怪獣はいつなんどき現れるか…」
「剣。お前、気張りすぎなんじゃね?この間の戦闘での傷も治りきってないだろ?」
「解りました」
三人が会話はしていると、部屋の扉が勢い良く開く。
「雷矢っ!?」
一人の女性が部屋に慌てた様子で入って来る。
「母さんっ?!」
「来ましたね。私が連絡しました」
「連絡を貰いました、佐々木雷矢の母ですっ!!」
「母親って、随分若いかあちゃんだな…」
「若いって言っても、もう今年で35歳ですよ」
「すごくお綺麗ですよ、お母さん。この書類にサインしてください。
形だけですので、何も心配はありません」
「あ、はい…」
急に顔が赤くなり、慌てていたはずなのに借りた猫の様に大人しくなる。
「そういえば、先日連絡した時はお仕事で来れなかった見たいですけど、お仕事は大丈夫なんですか?」
「えぇ…、上司に頼んで今日は定時に帰られるように頼みました」
「そうですか、お勤め先は随分お忙しいのですね。それは良い事です」
「そなんですけど、できれば息子との時間を作りたいんですけどね」
書類にサインを記入を終える。
「ありがとうございます、それとこれを」
「これはご丁寧に雷矢、準備が出来たら帰るわよ」
「あぁ、今行くよ」
「息子がお世話になりました」
「いえいえ、これもヒーローの仕事ですので。それに黒牙君の友達ですからね、これくらいは当然ですよ」
「えっ?!この子に友達なんて、いたの?!初耳だわっ?!」
「それは言いすぎだろ」
「はっははは、それではお大事に」
二人は部屋を後にする。
「あのさ、あの人から何貰ったの?」
「あぁ~、名刺よ」
「てか、何で名刺貰っただけでそんな嬉しそうなん?」
「あの人って独身なのかしら…」
「は?何言ってんの?」
二人は他愛無い親子の会話しながら、帰宅する。
この和やかな雰囲気と一片して、張り詰めた空気の中に大の男が何十人も集まっていた。
「えぇ、今回集まって頂きましたのは…」
「前置きは良いからささっと始めろ、議題はあの怪獣だろ」
「は、はい」
「まずは私から、怪獣の被害で上半期の売り上げが20パーセント減です」
「このグラフを見てください」
「おいちょっと待て、ヒーローから受けた被害も入れたか?」
「い、いえ…。これは怪獣からの被害だけを計算したグラフでして…」
「だろうな、それでヒーロー達からの被害も入れるとどれだけ下がる?」
「そ、それは」
「隠さなくて良い…、余計な仕事を増やすな。まぁ良い、座れ」
その冷たく鋭い視線と声がその場を支配する。
「それでは次に私が…」
もう一人の幹部が手を挙げるが。
「お前達はいったい何をしてるんだ?今日は怪獣の対策を話し合うんじゃなかったのか?
私はお前達の言い訳を聞きに来たんじゃないぞ?それとも、それでやり過ごそうとしてたんじゃないのか?」
「まぁまぁ、彼らは戦闘員じゃないんだ。少しは大目に見てあげても良いんじゃないですか?」
「私は取締役である、お前達にも言ってるんだぞ?なんの為に高い給料を払ってるんだ?庇うだから、何か案があるんだろ?」
「はい、私が提案するのは全国に普及している怪人警報です。あのシステムを利用するんです」
「ちょっと待て、それだと奴らに手を貸す事になるぞ?」
「ボス、さすがにこれ以上の被害は目を瞑れません。手元の書類に目を通して下さい」
その言葉を聞いて、一瞬口を閉じる。
「ボスの仰る事も解りますが、こっちは戦闘員が限られています。それに兵器開発もまだ試作段階です、はっきり言って我々だけでは対処できません」
「どれだけ、戦闘員がいる?」
「各地域に100人ほど待機させていますが、合計すると4700人です」
「それで怪獣とまともに戦える人材は?」
「十分の一もいないでしょう」
「そうなると、300人くらいか?」
「ざっくり計算するとされくらいかと」
「そうか、だが逮捕者とヒーロー達からの被害も合わせるともっと減るわけだ」
「今すぐに動ける人材はどれだけ手配してる?」
「そうですね…。休日免除すれば200人は常に手配できます」
「人経費でけでかなり行くな、それに体力と精神的に疲弊するな」
その場にいる人間が頭を抱える。
ヒーロー相手だけでも戦闘員の数が足りないと言うのに、日に日に力を増して行く怪獣の相手もするとなると頭がいたくなる。
「会議中失礼します、社長」




