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株式会社ヒーロー  作者: ボサボサ
脱走計画と女医
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脱走計画実行その六

更生施設外は地方テレビ局、新聞記者達が溢れ返っていた。


「見て下さいっ!更生施設の雰囲気は緊張で張り詰めていますっ!

外からでは中の状況は確認できませんが、待機をしている警備隊とヒーロー達の様子で伺えますっ!」


テレビクルーは番組を盛り上げる為に視聴者を煽り続ける。


一方、更生施設内第三食堂内。


「俺はこれから第二棟に進もうと思うが、ドラゴン達はどうする?」

「俺も強力に用事がある。だからヒーロー、あんたに付いて行く」

「ドラゴンさんが俺も行くっすっ!」

「それじゃ、俺も行くぜ。看守としてこのままほっとけないしな」

「看守、あんた大丈夫か?この先は恐らく、あいつの仲間がいるはずだ。

それにあんたはただの人間だ、超能力者同士の戦いになったら…」

「どうした、俺の心配してくれてるのか?お前、可愛い所あるな」

「か、からかうな…」


第三棟を制圧した事でその場の士気は一気に上昇。

雰囲気は怪人強力打倒の方向に全員が向いている。


「黒牙、俺達に付いて来る気はないか?少しでも戦力が欲しい」

「いや、俺は外にいるヒーロー達に援護を頼みに行く。それにここにいる人達も心配だしな」


この言葉を聞いた時に戸惑いを覚えた、若干十五歳の少年が状況判断と決断力を備えている。

それに彼なら、この場をまとめる事が出来ると確信する。


「悪いなヒーロー、俺達はあんた達とは別行動だ」

「あぁ、幸運を祈る。ここの裏口から出れば敵に遭遇するはない」

「ありがとう…」


二人の青年は背中を向け歩き出す、その姿をしばらく見つめていた。

その姿を見て、ふっと考える。なぜ、彼らはこんな施設に収容されているのかと。

一瞬脱走も考えたが彼らの目、特にブラッククロウの目は真っ直ぐで燃えていた。

彼は一度、悪意ある大人に間違った方向に行ってしまったが今は間違いなく正しい方向に向かっている。


「良し、俺達も行くか」


第三棟と第二棟を繋ぐ通路を四人で歩く。

四人の足音が通路に響きだけで、誰の声も聞こえない。


「誰もいないのか?」

「油断はするな…」


しばらく進み、開けた場所に出た瞬間。


「なんすかこれ?」

「触るなばかっ!」


足元に不自然に這わせてある糸に足が触れるた瞬間、巨漢が持ち上がる。


「誰かと思えば、ドラゴンの金魚の糞か…」

「お前は、蜘蛛男っ!やっぱり、この糸はお前の物だったかっ!」

「ドラゴン。大人しく、俺達に従え。そうすれば、お友達は離してやる」

「断ると言えば?殺すとでも言うつもりか?そんな安い脅しが俺に通用すると思っているのか?」

「くっ!相変わらず、生意気な奴だなっ!俺はそう言う所が気に入らないだよっ!

怪人クラブのお坊ちゃまだからって調子に乗るなっ!」


この挑発に勘に触ったのか、糸を手から活き良いよく飛ばしてくる。

その瞬間、目でスパイに合図を送る。

その合図と同時に、右側に走リ出す。


「何だぁ?もう一人いたのか?」


麻酔銃を抜き、標的に向かって引き金を引く。

だが、何かにさいぎられる。


「何っ?!」

「気づかなかったのか?ここは俺の巣の中だぜっ!」

「まさか、蜘蛛の糸か。こんな奴は初めてだ…」

「お前がどこの誰だか、知らないが俺の糸から逃げられた奴はあんまりいない」


その自信なさげな発言とは裏腹に細い糸が縦横無尽に張り巡らせてある。


「それがどうした?」

「ぐはぁっ!」

「こんなちんけな糸でこの俺がどうにかなると思ったか?」


スパイが銃の引き金を引いていると同時に懐に近づき、腹部に拳を直撃させる。

その衝撃で数メートル吹き飛ばされ、膝を床に付ける。


「な、なぜ首輪が付いている状態でこんな力が…。ごふっ…。

だがな俺は蜘蛛だ、ただでは転ばない」


突然、怪しい笑みを浮かべる。


「ぐっ…、麻痺毒か」

「そうだ、蜘蛛の中には毒を獲物に注入して弱らせて捕食するのもいるのよっ!

このまま嬲り殺しにしてやるぜっ!」


その言葉と同時に高く飛び上がり、襲い掛かる。


「ぐっ!」


だが手榴弾が命中し、その衝撃で床に落下する。


「すまないが、そいつに死なれては困るんでね」

「てめぇっ!ふざけんじゃねぇっ!かっこつけてんじゃねぇぞっ!」


針が目に追えない速度で飛んでくるが、それをナイフで弾く。


「何っ!?お前、何者だっ!」

「自己紹介がまだだったな。俺は単独専門ヒーロー、スパイだ」

「な…。へ、蛇が居る何て聞いてなぇぞっ!」

「それで呼ばれるのは久しぶりだな。それよりこのまま降参しろ、お前に勝ち目は無い」

「はっ!降参?この俺がするわけないだろうっ!」


針が額がかするが、命中はしなかった。


「投降する気はないか…」

「こっちには人質がいるのを忘れたかっ!」

「安っぽい悪役の台詞だな…」

「あいつの命ががががっ!」


突然、蜘蛛男が倒れる。その原因は後ろの看守だった。


「あんた、やるな…」

「二人ばっかりに良いかっこさせられないしな」

「いや、助かった…」

「あんた、大丈夫かっ!?さっきの毒で」

「俺より、ドラゴンを頼む…」


一瞬身体がふらつくが立っていられる。


「こちら、スパイ。応答してくれ」

『はい、相川です。どうかしましたか?』

「強力の協力者と思われる者と交戦になったが敵の無力化に成功、拘束した。

これより強力達がいると思われる、第二棟に進む」

『交戦って、大丈夫なんですかっ?!怪我はっ?!』

「お嬢ちゃん、あまり俺の心配をしてると彼氏が妬くぞ」

『え…。彼氏なんて、まだそう言う関係じゃありませんっ!からかわないで下さいっ!以上ですかっ!』

「あぁ、何かあったら連絡する」

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