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株式会社ヒーロー  作者: ボサボサ
脱走計画と女医
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脱走計画実行

突然室内電話が鳴り出した。


「もしも、どうした?」

『社長、怪人髑髏と名乗るご老人からお電話ですが?』


その名前を聞いた時に久しぶりに額に冷や汗が流れるのが理解できる。


「何?それは確か?まぁ良い、とにかく繋いでくれ」


怪人髑髏どくろと言う名はミスターが恐れている人物の一人だ。


『お久しぶりです、ミスター。いや、今は社長とお呼びした方が良いのでしたな失礼』

「何の用だ?髑髏?お前から連絡が来るとはな、ボスに何かあったか?」

『ほっほほ、今日の用事は全くの別件です。私は株式会社ヒーローにお願いありまして連絡した次第でございます』

「お願い?」

『テレビのニュースをご覧になって下さい』

「ん?」


テレビに視線を向けると更生施設外から中継がされていた。


『現場からお送りしていますがこれは大事件ですっ!』


その様子に驚愕せずにはいられなかった。


「ま、まさか…。これはお前達がやったのか?」

『相変わらずですな、早合点する所は。我々がその様な粗末な事をするほど暇に見えますか?

違いますよ、あそこにはドラゴン様が収容されておられる』

「だからどうしたと言うのだ?用が無いなら切らせてい貰うが?どうせ、逆探知されないようにしてるんだろ?」

『確かに仰る通りですが、お願いがあります。あの更生施設の立て篭もりを解決して頂きたいのです』

「何?髑髏、お前頭でも打ったのか?」

『確かに昔の私を知っているあなたならそう仰るのも理解できますが、とにかくお願いします!』

「ん…、急に言われてもな…」

『報酬は技術部の資金援助と言うのはいかがですかな?』

「それは本気で言ってるのか?」

『ドラゴン様に危険が迫っているのですっ!ニュースで証拠は見たでしょうっ!』

「その慌てっぷりは本気のようだな、解った。その依頼受けよう」

『さすが、ミスターヒーローっ!話が解るお方だ、また連絡いたします。それでは』


電話の受話器を戻し、溜息を付く。


「はぁ~。遅かれ早かれ依頼があった話しだろう…」


再び電話の受話器を取る。


「私だ。直ぐに来てくれ、緊急事態だ」


電話での呼び出しの後、社長室に白髪の男と真面目を絵に描いたような男が訪れる。


「緊急って何だ?ミスター?」

「急に呼び出してすまない。白牙、加藤君、ニュースは見たか?」

「はい…、更生施設で立て篭もり事件とか言ってましたね…」

「それを俺達でどうにかしろとってか?」

「正確には違う、今回はとある人物に依頼をして来てくれ」

「あ~、あいつか」

「直ぐに動けるのは君達二人しかいない、頼む」

「了解。行くぞ、部長」

「ま、待って下さいよ~」


ゆらゆらと揺れる白髪と白髪交じりの頭が部屋を出る、二人の後ろ姿を見るのは実に三ヶ月振りだ。

最初は自信が全く無かった新人はすっかり背筋が伸び自信に満ち溢れ、世間の注目の的に成長した。

昔の自分と相棒の影を重ねるて感傷に浸る。


二人が向かったのはA市のビル街の片隅。

怪しい雰囲気が漂うが路地裏見たいな浮浪者はいない、その変わりに日が当たらない取引が頻繁に行われている。

その原因は地方ヤクザ幹部の逮捕と怪人A市支部の壊滅により、治安はさらに悪化した。

表上は治安が良くなったと世論では言われているが、まとめ役がいなくなった事で野良達が活発になった。


その怪しいビルの中で単独潜入専門ヒーローミスタースパイが営業している個人事務所、「スパイ事務所」

表札には、「お悩みご相談はスパイで決まり!」と胡散臭い言葉が書かれている。

それにスパイに相談する悩みっていったい何なのかと、一瞬考える。


二人は胡散臭さを気にせずに事務所の階段を上り、窓硝子にひびが入った扉を開ける。


「誰だ?両手を挙げて、膝を付け…」

「ひっ!


背中に冷たい鉄の感触が伝わり、身体が硬直する。


「久しぶりだな、スパイ」

「その声はシルバーファングか?」

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