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株式会社ヒーロー  作者: ボサボサ
黒い狼と決別
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四強会議

黒牙と鴉との対峙から一日が立ち、株式会社ヒーローA市支社は騒がしい。


「え?!それは本当か部長!やるな!」

「あまり、大きな声出さないで下さいよ…。身体に響きます」

「何、情けない事言ってんだ!デビュー戦でそんなすごい奴と戦って来たんだ、もっと自分に自信を持て」

「は、はぁ…」

「なぁ!アタックもそう思うだろ?」

「確かにあれは誇って良いです。僕なんて、相手になりませんでしたからね」

「お前はまだ、若いんだからもっと上に行ける。お前ならな」

「相変わらず熱いな、マッスル」


気だるく、病室に入って来た白牙に目が行くと見慣れない男が立っていた。


「昨日はすまなかった…」

「あれ?スーパーの店長さんですか?」

「あぁ。一言言いたいととか言ったから連れて来た」

「あんたら大丈夫か?あんな化け物とやりあって」

「大丈夫ですよ、でもこの有様ですが。ねぇ、アタックさん」

「僕は大丈夫ですよ、仮にもこの会社の四強ですからね」

「四強って、何ですか?」

「説明するとな、この会社で強い四人って事だ」

「言葉どうりですね」


四強、その言葉の通りである。

全国の株式会社ヒーローで上位ランカーがまとめて四強と呼ぶ。


A支社の四強はミスター侍、ミスターマッスル、ミスサイコ、ミスターアタックスーツ。


「あ、そう言えば!社長が四強会議をするってよ」

「え?今からですか?急ですね」

「サイコの奴、仕事だとか言ってたな。電話しとこ」


マッスルはポケットの携帯電話を取り出し、ミスサイコに連絡をする。


「いったい、誰よ?人が仕事してる時に」

「サイコちゃん、後十分で撮影ね」

「解ってるわよ!ちょっと黙ってて!」

「あ、はい…」


彼女はミスサイコ、ヒーローランキング15位

ヒーロー業の傍ら、そのルックスからモデルの仕事もしている。

性格はわがままで気が強く、目付きが鋭い。

だが、世の男性からの支持は熱い。


「もしもし!誰よ!私は今、忙し…」

『俺だ、マッスルだ』

「え、あっ…。マッスル…。何よ、急に電話して来て」

『急で悪いが、今から四強会議やるってよ。来れるか?』

「え!しょうがないわね。あんたが言うなら、行くわよ」

「サイコちゃん、入ってー!」

「私これから、会社行って来る」

「ちょ、ちょっと待ってよ!」


その雰囲気は外のものとは違った。

強者が持っている肌が切れそうな、気迫が一室に集中する。


「今日集まって貰ったのは、怪人殺人事件の犯人と研究所についてだ」


株式会社ヒーロー代表取締役ミスター。

何時もの親しみやすい雰囲気とは真逆の空気を漂わせる。


「それって、もしかして犯人が見つかったのか?」

「あぁ。まずは順序立てて、説明しよう。君達も知っている通りに最近起きた怪人殺人事件の調査を雑務課に依頼した。

それで昨日、犯人が特定された。白牙、説明をしてくれるか?」

「あぁ。俺と加藤が事件を追っていたら、一人の少年に辿り着いた。名前は黒牙こくが苗字だけは判明した。

特徴は極普通の少年で年齢は推定十五歳。特徴は右手の爪が黒い事」

「何?それって何かの後遺症か?」

「恐らく、奴は研究所出身の超能力者だ」

「「何だって」」


研究所と言う、単語が耳に入った瞬間に一人を覗く三人の強者は驚きを隠せない。


「白牙、それは本当か?」

「あくまで俺の勘だから確証は無いがあれだけの恨みあるんだ。たぶんそうだろう」

「そうか、皆はどう思う?」

「まず、研究所って言うのが物騒だな。あれって五年前だっけ?」

「そうね、もうそんなに立つのね」


マッスルとサイコは思い出すように口を開き、それに続くようにアタックスーツが口を開いた。


「能力量産計画でしたっけ?僕が学生の頃だったからな、懐かしいな~」

「そんな暢気な話じゃない、さらに悪い情報だが研究所がまた稼動している」

「まじかよ…」

「マッスル、マジだ。お前と俺は嫌な思い出だが、これは現実だ」

「またあんな事をしてるのか、あいつらは懲りない連中だな。でも確か、白とぶんさんで封鎖しただろ?」

「そうだな、こんな時に侍のおやっさんがいてくれたらな…」

「ミスター侍は他から要請で出ている」

「そうだよな。流石はトップランカー」


能力量産計画。今から、五年前に怪人クラブが何かの目的で戦闘員の増強をする為に計画された。

実際に量産された超能力者が事件を起こし、そこから計画に辿り着いた。

その任務をしていたのは当時二十歳の白牙とミスターマッスルと刑事の鈴木文代。


「これを聞いて、三人はどうする?」


ミスターの口が重く開く。四強会議では四人の意見が尊重される。


「そんなの決まってるだろ、社長」

「そうね…」

「そうですね」

「ここでじっとしてたら、ヒーローじゃねぇ!」


その言葉を聞いたミスターは口元に笑みを浮かべ、再び口を開ける。


「本日をもって、A市支社四強に雑務課を加えたメンバーで事件の解決を任務とする!」


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