ボス対ミスターその四
「らいおんがやられたか…」
「は、はい…。連中が国会議事堂に進行して来ます」
「そんな事は解っている…」
「はいっ?!も、申し訳ありませんっ!?」
部下の一人が恐怖で震えている。
「お前は下がれ」
「えっ?」
「下がれと言ったんだ」
「解りましたっ!」
もっとも信頼している幹部の一人が倒れてしまった。
だが、想定内の出来事。
相手がどんな戦力で侵攻して来ようが、自分自身で対処できる。
その力が自分にはあり、この生まれ持った超能力と先導する力。
この二つで集団だったものを組織までに育て上げた。
その目的はただ一つ、世界征服。
誰もが馬鹿げていると鼻で笑うだろう、今までは笑われている側だが。
今度は私が笑う番だ、その準備は整ったのだ。
私が世界平和を実現する、その為にどれだけの血が流れて仲間の亡骸の山が積まれようと。
「マジかよ、誰もいないぞ…」
「大丈夫ですか?さっきの戦いで歩くのも辛いんじゃ…」
「あ、あ…。でもな、ここで休んでられねぇんだ」
「大丈夫だ。私の力で治しておいた」
一瞬の内に傷が治って行く。
「え…っ、本当だっ!?社長、すごいですねっ!」
「あぁ、私の超能力は奇跡を起こすからな」
「は?奇跡」
加藤はこの言葉の意味が理解できなかった。
この社会は超能力と言う、奇跡だらけで釈然としない。
「細かい事は気にすんな、もういるぞ…。んっ?」
白牙が急に声色が低く鋭い物へと変わるがどこか覚えのある油の匂いも混じる。
「らいおんを倒すとはさすが、銀狼だ。いや、いらっしゃいまらと言うべきか?」
「あーーーーーっ!!!ほいほい軒の亭主っ!」
「とっくに気づいていると思ったよ。あの時は純粋に私の店の客だったから何もしなかった」
「たまに殺意は感じていたがな…。まさか、ぼろい店の亭主がボスだったとわ…」
「そんな事は今はどうでも良いだろう?お前達は私を捕らえに来たのだろう?」
「そうだ、我々は国家指定非社会的組織怪人クラブ頭目ボス。
国家反逆罪、犯罪共謀罪、器物破損、傷害罪、過剰暴行及びその他余罪でヒーロー委員会会長の権限で逮捕する。
今日で決着を付けるぞ、ボスっ!旧友からのせめてものはなむけだっ!」
突然、スーツ姿から赤いマントに青いスーツに身を包む。
日本初代ミスターヒーロー。
その姿はヒーローオブヒーロー、誰もがその姿を容易に想像する。
今の日本社会に超能力社会の礎を築いた、先駆者の一人。
世界に超能力が有益だと能力者差別時代に知らした超能力者。
ご都合主義上等、誰もが望むハッピーエンド、世界平和を愛する正義の味方。
その名はミスターミラクル、誰もがそう呼ぶ。




