ボス対ミスターその三
トラックの中でその光景を見ていた、四人はただ黙って見ている。
だが、呆然と状況を見ている訳では無い。
作戦と言うのはまず、ボス攻略メンバーが国会議事堂前に到着。
その後、突入班で建物内に潜入。
もし障害になる敵が現れた場合、対処する。
対象となる可能性がある人物。
らいおん将軍、ジョーカー、おばさん将軍。
作戦を立案したのはもちろんミスターだ。
彼の超能力は未来もある程度、見る事ができるがあくまで少し。
必ず当たるわけではない。
予言はなく、予想。
「はっははっ!お前とやりあうのは楽しいなぁっ!」
その姿はまさに百獣の王金色の獅子だ。
拳を振り下ろす度にコンクリートに穴、穴、穴。
それをかわし、確実に拳と蹴りと当てる銀狼。
二人は常人の目では追えない、速度で闘争をしている。
「俺は楽しくないっ!」
「そうか?お前の目は獣の目をしているぞっ!」
正直ギリギリで付いて行っている。
息も上がり、脳も酸素も足りない、心拍数も上がる。
「はぁ、はぁ、はぁ…」
「お前はこの程度じゃないだろ?おらおら、どうしたぁっ!」
「はぁっ!」
力一杯、右ストレートを打ち込む。
「そうだ、銀狼…」
金色の獅子は笑みを浮かべ、両腕で防御する。
両腕からは煙が上がる。
だが様子がおかしい、彼ならこの攻撃を回避するのは容易だろう。
それとカウンターをする事も可能だ。
それをしない。
その奇妙な感覚もシルバーファングも感じていた。
「なぜ、避けない…。あんたなら簡単だろ?」
「避ける必要が無いからだ。どうした、もっと本気を出せ。でないとわしは倒せないぞっ!」
腹部に蹴りが入り、数メートル吹っ飛ぶ。
「ぐっ!」
薄れそうな意識の中で金色に輝きがこちらにゆっくりと近づいて来る。
まるで自分に「死」を運ぶ為。
『しっかりして下さいっ!白牙さんっ!」
その声で意識が戻り、拳を握る。
「さすがわしが認めた、ヒーローだぁっ!」
お互いの拳が急所に命中。
「うっ!!!」
「ぐっ!!」
互いがふらつき、後ろに下がる。
「まだくたばらねぇのか、じじい…」
「久しぶりだ、こんなに楽しいは…。ぐ…」
吐血し、膝を付く。
「はぁ、はぁ、はぁ…。おい、銀狼聞け」
「何言ってんだ、急に…」
「年寄りの世遺言だ」
「あぁ…」
「ボスを止めてくれ、お前とミスターにしか頼め…」
初老の男に戻り、倒れた。
「マジかよ俺に頼むかよ、普通…」
作戦の第一フェイズは終わった。




