ボス対ミスターその一
この戦いを始めてど位の時間を使ったか、解らない。
早く、自分の悲願を達成したい。
「ボスっ!」
「何だ」
「申し上げ難いのですが…」
「良いから早く言え」
口を開くだけで相手の表情が暗くなっている。
それだけ、恐怖の対象なのだろう。
「国会議事堂前にヒーロだと思われる白髪の男が…」
「ヒーロー?誰だ?」
「それが解りません、データベースに載ってないんですっ?!」
「まさか、銀狼が来たのか」
「銀狼って、本当にいるんですかっ?!ただの無名じゃ…」
「もう、下がれ。総理、あなたが呼んだのか?」
「私じゃない。それに銀狼とはなんの事だ?」
「嘘は言ってないようだが、噂ぐらいは耳にした事はあるだろ?」
「都市伝説だと思ってたがね。まさか、実在するとは」
銀狼事、シルバーファングの都市伝説ではこう語られる。
満月が出る頃、悪人は静かに眠る。
どんな悪人もその姿を見れば、子犬になる。
これは誰かが作った、おとぎ話だと思っていた。
この社会は超能力者が山程存在している。
その中でも能力が高い者はヒーローの10強と呼ばれ活躍している。
10強以外に怪人クラブが恐れる存在が実在するのは半信半疑だ。
この窮地を救ってくれるのなら誰でも良い。
神、仏、悪魔でも良い。
「退屈だの~」
「将軍、報告がありますッ!」
「どうした?」
「国会議事堂に侵入しようする者がいますっ!」
「何っ?自衛隊とか特殊部隊じゃないよな?」
「いえ、相手は一人です」
「そんな馬鹿な奴は…」
「そこ通してくんね?」
「おったわ、一人だけ。お前は他にいないか調べて来い」
「ですが…」
「良いからわしの命令に従え」
「はっ!」
部下が一人その場を立ち去る。
「久しぶりだの。白牙、いや銀狼」
「その名前で呼ばれるのも久しぶりだわ、らいおんのおっさん」
「東京湾以来だのう」
「そうだな。そこ通してくんね?」
「駄目に決まっておろう」
「そうだよな~」
「ここを誰も通すなとボスの命令だ。通りたかったら、わしを倒せ」
「出来ればあんたとは戦いたくないんだ」
「その気にさせてやろう…」
急にらいおん将軍の身体が淡く金色に輝き始め、姿が変わる。
「どうした?月が出ているぞ?」
「はーっ、仕方ない。変身…」
対抗して姿を変える。
睨みあう、金獅子と銀狼。
動いたのは将軍。
「はっはは、お前とやりあうのは胸が踊るわっ!」
「歳なんだから、無理すんなっ!じじいっ!」
もう一つの戦争が始まった。
ボスが正面玄関に部下を配置すると言う事は信頼していると言う証拠だ。
それと信頼される強さを持っている事になる。
「くっ!相変わらずだな」
「若いもんにはまだ負けんわっ!」
一狼は知っている、このらいおん将軍からの一撃を受けるのは致命傷に繋がる。
それを証明するようにコンクリートの地面が穴が空く。
ライオン将軍。
レベル超。




