笑うピエロその六
「おい。お前、こっちにこい」
銃を向け、脅しをかける。これは原始的な行為である。
人は昔から、本能で怖い物を判断する。
それは多種多様だ。人、凶器、災害。
それに直面すると人間の行動はより、シンプルな物になる。
「ひっ?!」
「ひゃっははははっ!これで形勢逆転だなっ!」
「くっ…。彼は関係無いだろっ!」
恐怖で身体が動かないのだ。
「ひゃっははははっ!そうだな関係ないな、たがら殺す。
それに関係ないなら、死んでも良いだろ?なぁ?」
人質に取られた、青年は完全に恐怖心に支配され言葉も発する事も出来ない。
「彼を放せ…」
「はぁっ!お前、何寝言言ってんの?俺様が有利な状況なのに元に戻すわけないだろう?
そうだな…、その仮面を取って貰おうか?ひっひひひ。
そうすれば、俺様の気が変わるかもされないぞ」
この言葉に屈辱感を感じる。
今までこの仮面を付けて悪を裁いていた。
これはただのパワードスーツの一部ではない。
だがこの仮面を外せば、人一人の命が助かるなら安い。
「ひゃっははははっ!んっ?お前はどっかで見た顔だな…。
そうかっ!お前、下っ端戦闘員の斉藤かっ!
通りで内部の情報を知っていると思ったら、やっぱ離反者だったかっ!
ひゃっははははっ!しかし、落ち零れがここまでなったもんだわっ!」
「もういいだろう、彼を放せっ!」
「は?誰がそんな事言った?俺様は気が変わるかもって言ったんだぜ?」
「くっ、卑怯な…」
「卑怯?それをお前が言うのか?今まで仮面で顔隠してたお前が良く言うぜっ!
愉快で腹が痛くなるわっ!」
完全に頭に血が上り、武器を抜く。
「ひゃっはははっ!おいおい、こいつが死んでもいい…。な、何だっ?!」
突然、銃撃を受ける。
「斉藤っ!大丈夫かっ!」
「田中っ!何で来たっ!」
「一人で行く何て、水臭いじゃねぇかっ!俺達は相棒だろうがっ!」
この言葉に冷静になる。
「ひゃっはははははっ!それで?一人増えた所で、俺様に勝った気でいるのか?」
「そこまでだ、人質を離して貰おうかっ!」
「今度は誰だ?冷たっ!なんだっ?!足がっ!」
「ミスターアイス&ファイヤーハンド」
「今度は本物のヒーローかよっ!ん?」
人質にしていた、青年の身体が竜巻で宙に浮く。
「ミスサイクロン、ただいま到着」
「何人いるんだっ!」
「さすがに始末屋ピエロもこれだけヒーローがいればびびるか?」
「お前はシルバーファングっ!くっ!」
「めんどくせぇっ!まとめて死ねっ!」
山程の銃火器を取り出し、一斉に射撃する。
「大丈夫ですか?皆さん、怪我はありませんか?」
「新人さんは皆さんすごいでね」
「加藤さん程ではありませんよ」
銃弾の雨を浴びても、誰も傷一つついていない。
「くっ!今度は誰だっ!」
「ミスターミラーだ、よろしくお願いします」
この状況に敵も裸足で逃げ出した。
「逃がすかっ!」
それを灰色の狼が追う。




