表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Vogelscheuche  作者: 月乃宮 夜見
エルシャ祭り

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

18/39

第17話

「……やけに転がる死体(ゴミ)が多いな」


 喧騒から離れる為に裏路地に入ったが、なんだかいつもと様子が違う、とジャックは違和感を覚える。例えば今、革靴で踏み付けた豚のような男。


「ん、彼は……確か」


 ここから少し離れた区画を牛耳る組織(マフィア)の幹部だった筈だ。とある武器のルートを頂戴しようと下っ端に成り済まして潜入した際に、散々怒鳴り散らしていた姿を覚えていた。


「その周辺のは、部下達……かな」


 幹部だった男は、まだ辛うじて姿が残っているが、周辺に転がる肉塊達は原型を留めておらず、誰だったのか、何人居たのかすら、全く判らない状態だ。


 煉瓦の壁に凭れ、割れた頭蓋から脊髄液を垂らす遺体は、ついこの間に薬品製造についてやり取りをしたモグリの医者だった。白く肥った蛆が食い破った腹から溢れている。


「……何か嫌な予感がする」


足元で艶々とのたうち回る蛆を、踏み潰した。



×



 少し開けた所に出ると、ジャック左の手を少し上に掲げ


「『さあ、みんな。(Damn)し手伝ってくれるかな(Scarecrow)?』」


 はっきりと発音した言葉に、自身の持つ唯一の魔法を込める。魔力の乗った言葉は風に乗り、周囲に拡がっていく。ジャックの魔法、Damn(クソッタレの) Scarecrow(案山子)には決まった詠唱方法は無い。ただ言葉に魔力を込めるだけで、協力してくれる『害獣』達を呼び寄せるのだ。


 scarecrow(烏避け)の癖に、逆にその類いを呼び寄せる。案山子の姿(自身の見た目)を随分と馬鹿にしてくれるクソッタレな魔法だと思うが、情報収集には大いに役に立つので存外気に入っている。


 しばらくして、複数の(クロウ)や黒猫、鼠達が現れた。つい少し前までひよっこだった動物達は随分と貫禄を持ち、新しく見る顔が沢山増えた。周囲の変化が乏しかったジャックは、動物達の入れ替わり(様子)で随分と長く時が経っているのを知る。


「ねぇ君達。今回のこのお祭りがなんだか様子がおかしい気がするんだけど……。何か、珍しいものとか変わったもの、見ていないかい?」


周囲に問えば、尻尾が二股に分かれかけている黒猫が、にゃあ、と答えた。


「……『黒髪の若い男を中心とした集団が、周辺の組織を攻撃している』?」


ジャックのその言葉を聞き、他の動物達も騒ぎ出した。どうやら、他の動物にもその集団に心当たりがあるらしい。


 ——そして、その集団をまとめている男は『勇者』であるらしいことを知った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ