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朗報

それからしばらく時は流れ、3月になる。

そろそろ進級の季節となったところで、ヴァリーの元に一つの朗報が入った。

それはヴァリーがいつも通りジュニアチームの練習に参加している時だった。

「ヴァリーくん。ちょっといいかな?」

ヴァリーを呼び出したのは、このジュニアチームの監督をしているダマスである。

ダマスは大きなサングラスをした色黒の男だ。

ダマスはヴァリーを連れて、無人の会議室へと入る。

ダマスは会議室のパイプ椅子を二つ出すと、ヴァリーに座ることを促した。

二人ともが椅子に座ったところで、ダマスが話を始める。

「どうだい?このジュニアチームにはもう慣れたかい?」

ヴァリーは少し緊張しながら答える。

「はい。レベルの高いトレーニングができてとても充実してますし、先輩方も優しくていっぱいアドバイスをもらっています」

ヴァリーはこのチームでは一番下っ端である。

同年代もいないため、先輩たちからはよく可愛がられていた。

「それは良かった。実はね、君を正式にこのジュニアチームのメンバーにしようと思ってるんだよ」

「ほんとですか!?」

ヴァリーは今このジュニアチームの仮メンバーである。

なぜかというと、ヴァリーのような低学年はまだ大会に出られる機会がないので、メンバーとして募集していなかったのだ。

だが、ヴァリーは実力的に他のジュニアチームの先輩と比べても引けを取らない。

だからこそ、ダマスはヴァリーを正式メンバーにしようと思ったのだ。

「ただ、そうなってくると君にも加入テストを受けてもらわないといけなくなる。他の子達は皆、テストを受けて入っているからね。君だけフリーパスだと不平不満が出てしまう」

「自分は大丈夫です。どんなテストでも受けます」

「そういってもらえると助かるよ。一応予定では2週間後、君のような低学年を対象とした加入テストを用意する。それに参加してくれればOKだ」

ダマスの計画を聞いて、ヴァリーはいいことを思いついた。

「あの、そのテストって誰でも参加できるんですか?」

「あぁ、そうだね。一応最低限の条件はつけるけど、魔法が使えることとか、アルマのルールを知っていることとか、そのレベルになるかな?そもそも低学年で魔法が使える子、そんなにいないしね」

ヴァリーはその条件を聞いて、心の中でガッツポーズをする。

この条件ならアインツも参加できるはずだからだ。

そうなればジュニアチームでもアインツとヴァリーは一緒に練習できる。

ヴァリーの狙いはそれだった。

「では、ヴァリーくん。また、正式に募集をかけたら連絡するよ。」

「はい。楽しみにしてます」

この日、ヴァリーは自分がテストに合格できるかどうかよりも、アインツがどうすれば合格できるかを考えていた。


翌日、ヴァリーはいつもどおり早朝トレーニングに現れたアインツにこのことを知らせる。

アルマのチームということもあり、アインツはその知らせをめちゃくちゃ喜んだ。

「加入テストってどんなものなんだろうね?ヴァリーくん」

「先輩たちの話からすると、実践的なものが多かったな。1対1だったり、魔法の攻防だったり、テスト生同士を直接対決させるものが多いみたいだ」

その話を聞いてアインツは少し安心した。

頭を使うテストではないからだ。

だが、エルは少し心配をしている。

「アインツがもしジュニアチーム入ったら、あっちの学校に行くってこと?」

確かに、ジュニアチームは隣町にあるため、こちらの学校から通うには少し不便である。

ヴァリーのように最初から隣町の学校に通う方が都合がいいのだ。

そうなるとエルがアインツと会える時間が短くなってしまう。

エルはそれが心配だった。

ヴァリーもそれは考えてはいたが、それはアインツ自身が決めることだと口出しする気はなかった。

アインツは特に何も決めてないといった感じの顔をしている。

「まぁ、まだ受かると決まったわけじゃないし、受かった後決めてもいいんじゃないかな?」

アインツの言うことはもっともだった。

それからヴァリーとアインツは加入テストに向けて、実践的な練習を続けた。

そして、ついにジュニアチームのテスト日となる。

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