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魔法学

アインツのクラスでは今日から魔法学の授業が行われる。

魔法学とは魔法を使う上で必要な知識を学ぶ授業だ。

アルマに必須な魔法の授業ということもあり、アインツはいつもよりも気合を入れて授業に取り組んでいた。

先生は長いブロンドの髪を優雅に揺らしながら、黒板に文字をすらすらと書いていく。

全て書き終わった後、先生は髪をなびかせながら生徒たちの方へ振り返った。

「魔法を使う上でまず一番大事なものはマナだ。マナはどこにでも存在するもので、私たちの体内にも流れている。」

先生は人の形を黒板に書き、その中にマナと書いた。

「では、質問だ。私たちの身体の中にあるマナは何属性だと思う?」

生徒たちが考える中、一人の生徒が手を上げた。

先生は嬉しそうにその生徒に答えさせる。

「水属性ではないでしょうか?」

「ほぅ?何故そう思う?」

「人の体内の多くは水分でできていると聞いたことがあるからです。」

その生徒の答えに先生は「なかなか面白い考察だ。」と拍手をする。

「確かに人間の体内は約60%が水分できている。水を発生させる水属性のマナが含まれてても不思議ではないな。」

だが、先生は正解とは言わなかった。

先生は黒板に無属性を表す二重丸を大きく描く。

「我々の体内のマナは無属性に分類される。何故なら体内のマナは水や火を発生させることはできないからだ。」

続いて先生は黒板にデフォルメされた豚とスライムを描く。

先生のイメージとはかなり違う、可愛らしいイラストだった。

「豚などの動物は我々と同じように無属性のマナを所有している。しかし、スライムは我々と違い、水属性のマナを所有している。」

先生は豚の横に二重丸を、そしてスライムの横には丸の中に波線を二本書く。

波線二本は水属性を表すマークだ。

「これが動物と魔獣の差だ。体内に無属性のマナしか所有していない生き物は動物として、体内に他の属性を所有している生き物は魔獣として分類される。」

アインツは必死にノートを取る。

この話はまだアインツでも理解できる範囲だった。

「で、魔獣に関しては以前の授業でも、危険なものとして扱ってきたが、その理由がこれだ。魔獣は魔法のように簡単に火や水を作り出すことができる。だからこそ、他の動物と比べても危険性が高い。」

その先生の言葉に一人の生徒が疑問を持った。

「でも、先生。人間が無属性のマナしか持っていないのであれば、どのようにして魔法を使うんですか?」

その質問に先生は笑みを浮かべた。

「いい質問だ。人間が魔法を使うには二つのステップが必要となる。一つは無属性マナを他属性マナに変換する作業。そして、もう一つはそのマナを自分の意図した形の魔法にする成形の作業。この二つの作業を行うことによって、人間は魔法を使うことができるのだ。」

先生は変換と成形の文字を黒板に大きく書く。

おかげで、この二つが魔法を使う上で重要なことであるとアインツにもよくわかった。

「魔法を使う初心者がつまずきやすいのはこの部分だな。魔法がうまく出せない時、変換がうまくいってないのか、成形がうまくいってないのか、それがわからずに詰んでしまうパターンだ。お前たちも気を付けろよ。」

「はーい。」と生徒たちは元気よく返事した。

「ちなみにマナ保存の法則についても教えよう。マナ保存の法則というのは魔法を使った際に、消費されるマナの量が、変換されたマナと、変換に使用されたマナの合計になる法則だ。」

先生は黒板に文字と計算式を書く。

アインツは計算式を見て、少しずつ頭が追い付かなくなった。

「例えば1つの火属性のマナを生み出す時、変換で消費するマナが2つとすると、消費される無属性のマナは1足す2で3となる。つまり、3つの無属性マナを消費して1つの火属性マナが作られるのだ。」

この辺からアインツの頭はすでに煙をあげ、パンクしていた。

「ちなみに変換の時に消費されるマナの量は個人差があるが、変換が得意とされる属性がその人の得意魔法であることが多い。例えば、火属性の変換では2マナ消費するが、水属性の変換では1マナしか消費しない場合、その人は水属性が得意魔法となる。」

強力な魔法はマナを大量に必要とするため、マナの消費も必然的に多くなりやすい。

しかし、変換に使用されるマナが少なければ、当然体内で消費されるマナの量も少なくなる。

だからこそ、変換が得意な属性はその人の得意魔法になりやすいのだ。

「まずお前たちは自分の得意属性を知るところから始めたらいい。魔法のいろはを学ぶには得意属性からが一番だからな。」

アインツは先生の話を聞きながら、自分の得意属性がハッシェ選手と同じ風だったらいいなぁと思っていた。

「ちなみに小学校を卒業するまでは、一人で魔法を使ったりするなよ。法律で禁止されてるからな。使うなら大人の許可を得てからだ。」

「えぇ~?」と多くの生徒が不満を漏らす。

だが、実際魔法を使用するのはリスクが高い。

自分のイメージとは違うように魔法が発現してしまう暴発。

体内のマナを使い尽くして、体調が悪くなる枯渇。

放った魔法が、他の魔法に悪影響をもたらす阻害など、魔法を使用するうえで気を付けないといけないことは山のようにあるのだ。

だからこそ、低年齢層は保護者付きでなければ使用できないという法律が存在する。

「まぁ、保護者付きであれば魔法の練習をするのは自由だ。今の内から練習しておくと、後々助かるぞ。」

こうして、今日の魔法学の授業は終了した。

結果、アインツは授業の内容があまり理解できなかったので、ヴァリーかエルに教えてもらおうと思った。

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