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決着

ゴール手前10mの所でヴァリーがアインツを抜き、初戦はヴァリーに軍配が上がった。

二人はゴールした後、そのまま倒れるように公園の芝生で仰向けに寝転ぶ。

激しい呼吸を繰り返した後、少し落ち着いてから二人は会話を始めた。

「きつい!マジできつい!」

そう言ったのはヴァリーだった。

ヴァリーも湖を三周するのは初めてだ。

それなのに今回はアインツとの勝負ということで、走りやすいペースを守れず全力を出し切った。

その反動を今まさに受けている。

そして、それはアインツも同じだった。

「いや、ヴァリーくん速すぎだって。」

ヴァリーがいくら速いとは言え、湖一周余分に走るのはハンデが大きすぎるとアインツは思っていた。

だが、結果としてアインツはヴァリーに負けた。

それだけ、今のアインツとヴァリーの体力差があるということだ。

だが、アインツの中では悔しさよりも清々しさの方が勝っていた。

それは自分の全力を出し切ったからである。

「次は絶対に負けないよ!ヴァリーくん!」

アインツの言葉にヴァリーは笑顔で「いいや!次も絶対俺が勝つ!」と返した。

こうして二人のトレーニングはいつしか真剣勝負の場になっていた。


ハンデ戦を初めてから一週間が経過した。

相変わらず勝負はヴァリーの全勝であったが、徐々にアインツとの差が縮まり始めている。

それはアインツが着実に体力を付けている証であった。

そして十日目、とうとうアインツがヴァリーに追い抜かされずにゴールする。

その後はお互いが勝ったり負けたりを繰り返しながら月日は流れ、一か月経った頃からアインツが連勝する流れとなった。

アインツも体力がついてきた今、湖一周分のハンデが大きくなってきたのだ。

「さすがにもうアインツに追いつくのは難しいな。」

ヴァリーは次の真剣勝負の方法を考える。

ハンデ戦はまだ続けるとしても、そろそろ次のステップへ進んでもいいのではないかと考えたからだ。

今行っているのは基礎練習。

アルマを行うための最低限の体力を身に着けるトレーニングだ。

だが、アルマを本気でプレイしようと思ったら、まだまだやらないといけないことはたくさんある。

そのやらないといけないことが多すぎて、ヴァリーは次のトレーニングを決めかねていた。

「アインツ、今日の夕方お前の家に行ってもいいか?」

その言葉にアインツは首を傾げる。

「別にいいけど、なんで?」

アインツの問いにヴァリーは「作戦会議。」とだけ答えて内容は口にしなかった。

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