表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

お試し完全即興劇短編シリーズ【1】仮想現実の肢体

作者: 猫叉サブロー

タイトルの通り、思いついた事をそのまま書く即興劇となっております。

即興なもので文章が拙い部分もあるとは思いますが何卒ご了承ください。なにぶん小説自体初めて書くもので…

もう今は知らない人はいないであろうVtuberという存在…

言い換えれば人間が作り出した仮想現実の肢体である。


その最古は2016年11月頃に登場した「キズナアイ」であるとされ、それを発端とし続々とバーチャルYouTuberという存在が確立されていき、「にじさんじ」「ホロライブ」というグループが頭角を表し社会現象を巻き起こした事は未だに記憶に新しい出来事だ。


だが、Vtuberが増えすぎた故に年々とその市場はレッドオーシャンとなっていき、出遅れた者は最初の数字こそ良いものの、特に面白くない奴と視聴者に判断され見放されていき、3日後には視聴者数が一桁まで落ちていき自分には才能がない…と見切りをつけて辞めていく人がとても多いのだ。本当に数え切れないほど見てきた。



さて、ここで本題だが

今も活動しているVtuberはいいとして、辞めていったVtuberのその肉体は━━折角作られた仮想現実の肢体はどうするのか。



攻殻機動隊の世界のような義体と同じように、使われなくなった義体を他の人が使うということも出来るんじゃないか?


それもしかして良いビジネスなんじゃないのか?

バ美肉レンタルって名前で商売してる人いそうだなあ


そうだ、これを物語の基軸として「即興で」書いていこうかね









「売れたい……お金欲しい……有名になりたい………お金持ちになりたい…………」



生まれの家は貧乏でろくに何も変えず、成長して高校生になってからというもの稼ぎに出るようになって毎日毎日必死こいてアルバイトをこなし、欲しいものの為に頑張って貯金をして…ようやくPCと周辺機器と配信環境が整った。


私はバーチャルYouTuber・ゲーム配信者という存在を、親の使っていたiPadを勝手に使って遊んでいたら偶然見つけた。

そこから知ってからというもの、憧れは止まらなくなりその憧れのために必死こいて毎日を過ごしてきた。


毎日見ていた、YouTubeを。なんならTwitchとか他のプラットフォームで配信している人も追っかけて見ていた。


自分もなりたかった。みんなに見てもらいたかった。



でも実際やってみたら現実は違った。



自分には何もなかった。

何にも、無かったのだ。


特技も、人に自慢できるような実績なんかも何一つ。

持っていなかったのだ。


そんなやつ、誰が見るんだよって話だよね…

実際何を喋ろうにもトークスキルもないから、ただコメントが来るのをひたすら待つだけ。

企画力もなかった、何をやろうにも何をしたら良いかわからなかった。とりあえずゲームしていただけ…

無個性で、無価値で、何の特徴もないただの底辺。


「売れっ子になりたい………有名になってお金持ちになりたい…」



今の私を突き動かすのは、この〈どうしようもない欲望だけ〉だった。



その欲望がまず向かった先は、バーチャルの肉体だった。


そもそも動かし方やどうやってモデルを作るのかすら分からなかった私は、配信を始めた時は最早Vでも何でもなかったし、ただ下手くそな自分が描いた女の子の顔だけ置いてただけじゃ、そりゃあ誰にも見てもらえない訳だよと理解していた訳で…


とにかくバ美肉がしたかった。でも絵師やモデルを作ってくれる人に依頼するにはまたお金がかかる…そんな余裕はない。

ただでさえ貯金使い切ってPCとか色々買ったのに…




もう、心が壊れそうだった。


そんな時ふと広告で流れてきた━━━

()()()()()()()()()()、なんだこれ…


私は何が何でも(ほっ)した。

そこからは夢中になってそのサイトを隈なく見ていた。

色々な種類のバーチャルの肉体がレンタルで借りられる!

可愛い女の子からイケメンな男の子まで数百種類!!

なんならオプションでついでに声も変えられる機能まで!?


肝心の値段は…?ふと我に帰った。


が、今はキャンペーン期間中らしく多少値引きされていて安くレンタルできるらしいぞ。

心が躍った。こんなに簡単に出来るならもっと早くいろんな方法を模索するんだったなと、自分の馬鹿さ加減に嫌気が差しながらも、レンタルを躊躇わなかった。

お金は次の給料日が近いし今は気にする必要ないから大丈夫!



この時、疑いもせず決済してしまった事を後悔することになるとは思いもしなかった。




支払いが完了し、早速レンタルして使えるということだったのでそのモデルを使ってみた。

そのモデルは美しいコバルトブルーのロングヘアで、貝殻などのアクセサリーがついていて、まるで人魚姫をモチーフとしたバーチャル美少女だった。

人魚姫だけあって足はヒレの状態だけど、なんと人間の身体ver.もあるようで足も生えている別のモデルまで用意されていた。


可愛い、これが私…??

とてもじゃないけど信じられない、言葉に表せられない…

そんな感動を覚えていた。


レンタルはとりあえずお試しということで1週間コースでやってみる事にした。

1ヶ月とか半年とかの方が当然お得だったけど、最初だからね〜

そんな軽い気持ちで申し込んだ。


最初は感動しかなくて自分自身の意思でバーチャルの肉体を動かせているというだけで十分だった。

明日はこの身体を使って配信してみよう、そう決めた。



ん……?今目動かしたのに動かなかったな…視線もこっちを真っ直ぐ見つめてたような…多分同期ズレかな?

まあいいか、気のせい気のせい。




そして2日目、違和感がまた増えた。


何これ…?配信しようと思ってPCつけたら身に覚えのないフォルダが…こんなフォルダ作ったっけな…?


試しに開いてみると

無数の現実世界の写真が入っていた。

勿論全て、身に覚えのない写真だらけ。



鳥肌がたった。ゾワッと全身に身の毛がよだつ。

動物園に誰かといる写真、東京スカイツリー内で撮ったであろう写真、あとこれは…ホテルの中の…?

しかも不鮮明な写真からやけに鮮明な写真まで…




それはまるで、誰かの思い出のような………



そこで考えるのをやめて、これは見てはいけないものだと確信してすぐにフォルダごと削除した。



その時、声が聞こえたような気がした━━━━━


「ドウシテ………ドウシテオモイデヲケスノ………」



私はもしかして取り憑かれたのでは!?と焦りに焦って急いでPCを消して盛り塩を作って、適当に塩を部屋に撒いた。

こんなんで効果あるのかわからないけど怖いの嫌だ!!

パニックだった私は、その日はもう何も考えられなかった。

怖かったのでその日は別の部屋で寝た…


そして3日目、おそるおそる部屋を覗いて何も異常がないとわかると安心してPCを開いて……


しかし、その時点でバーチャル美少女の肉体を使うのが怖くなっていた。


これを使ってから色々おかしい事が起き始めているんじゃないか…?

そう思った私は急いでそのバ美肉レンタル屋さんのホームページを



開こうとした。



ない…?あのページがない…?消えてる!?

そんなバカな、1日2日で消えるものではないだろう。

履歴から辿っても同じだった。無くなっていたのだ。


あのレンタルしたはずのページが、消えていた。


嘘……騙されたってこと………?


あまりのショックに泣きそうになった。


その瞬間、何かの通知が一件きた。

いつも使ってるDiscordだ、誰かな…?


そのメッセージにはただ一文、こう書かれていた






「ユルセナイ」






その瞬間背後に視線を感じた。

最後に視えたのは、コバルトブルーの髪色だった━━━━━━━






4日目


「視聴者の皆さん!こんばんブルー!!!」

「まずは自己紹介!可愛い尾ひれにぴちぴちされたい?

今日も大漁!!人魚姫フィーナでーーーーす!!!!」





食欲がない、元気がない、なんだか、眠い。



「あ!!チャンネル登録どうもありがとう!!

これからも人魚姫フィーナをよろしくね!!!」





頭が、痛い。






5日目


「今日も来てくれてありがとう!!

みんなのおかげで登録者鰻登りかも〜〜〜!

私も嬉しすぎて滝登りしちゃう〜〜〜ぴちぴち〜〜!!」




煩い(うるさい)。耳障りだ…なにかきこえる。


ネムタイ。









6日目



それじゃあお母さん!学校行ってきまーす!!



あの子ったら、最近性格が何だか変わったみたいね。

随分とまあ快活な感じになったなあ…嬉しいことでもあったのかしら








ユルセナイ………………









7日目



昨夜未明、東京スカイツリー近辺のホテルにて死体が発見されました。

死体は、刺殺された25歳の男性と、飛び降り自殺を図ったと思われる17歳の女子高校生と断定。

警察は、この2名の事件の関連性を現在調査しているとのことです。

次のニュースです━━━━━━━










「オカネホシイ……ユウメイニナリタイ………オカネモチニナリタイ……………タスケテ」






ねえ、助けてよ





























仮想現実には、姥捨山みたく仮想の肢体が捨てられている場所が存在することをご存知だろうか。

使われなくなった仮想の肢体を、勿体無いとそこに積み上げていく場所があるのだ。


待てよ?そしたらそれを売り物にしている商人がいるってことなのかな。

てかそれ以前にどうやって仮想現実の肢体を手に入れてるんだ…普通は使わなくなったら消すよなあ…まさか消えそうな肢体に予め目をつけていてそのデータにハッキングしたとか…?

そんなバカな話あるかね。これは考えにくいな。

しかもドメインとかいちいち変えて売ってるのか…?よくわからないが

とんでもない詐欺師だな…



そういえば最近AIが急速に発達してきているけど、まさかね…



仮想現実の肢体、きっとそれには使用した人間の思念が、或いは怨念が…

込められている、かもしれませんね。

即興で書いたものの、少しは辻褄合わせ?ができた?と思います。

あとこれ、途中から「つぐのひ」みたいになっちゃってて笑いながら書いてました。


なんなら書き終わった直後の感想は

「世にも奇妙な物語」だねこれ。


影響そんな受けてないんだけども、てか人生で2、3回見たかどうかなんだけど…

どうして寄っちゃうのかね。


次は何の話を書こうかなあ、MMOガチでプレイしてたらゲームの世界にいっちゃう話でも書こうかなあ


え?もう有名な作品無数にある?そんなあ…


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ