【第2話】あの子との再会を待ち望んだ日々
俺がアイツに初めて会ってから、次はいつ会えるのかずっと楽しみにしていたんだ。
人事のヤツにアイツのことを聞いたんだけど、
個人情報だからって、連絡先どころか名前すら教えてくれなかった。
これだけお願いしているのにって思ったんだけど、法令順守だからダメだって言われたよ。
そう言われたら仕方ないよな。
法律は守らなければいけないからね。
でも諦めきれなくて、何度も何度も人事のヤツにお願いしたんだ。
アイツの「名前だけでも教えてくれないか」って。
でも「名前も個人情報だから教えられない」って断られたよ。
だから「次はいつ来るのか」を教えてほしいってお願いしたんだ。
今度は「採用情報は教えられない」ってまた法律って言いうんだよ。
だからアイツは「合格したのか?」を教えてってお願いしたんだ。
そしたらまた「採用情報だから教えられない」なんだよ。
コイツは駄目だって思って、別のヤツをを捕まえて聞いたんだ。
「採用人数は何人?」ってね。
そしたらそいつは「15人」って教えてくれたんだ。
俺はアスペルガーなんだけど、その代わりに『見た物は絶対に忘れない』っていう能力があるんだ。
だからちゃんと覚えてんだ。
採用会場に来てた人数は『15人』だったてことをね。
でも、別日程が組まれている可能性もあるから、役員とか人事のヤツらの予定を確認したんだ。
人事のヤツらが会議室の予約をしている日を調べたり、集まったりしてる日を調べたんだ。
そして、全員に「その日何をしてたのか?」って聞いて回ったんだ。
なかなか教えてくれないヤツもいたんだけど、
「俺と約束してたのに何をしてたんだ?」少し瞳を潤ませたら慌てて話してくれるんだぜ。
それで分かったことは、「あいつは4月に来る」ってことだったんだ。
それにしても、俺の親父すごいよな。
事前に俺のことをちゃんと話しておいて、俺のことをよろしくってお願いしてくれたし、言われたとおりにやっておけばみんな良くしてくれる。
やっぱり国立大学の教授なんだなって感心したよ。
その後の俺はアイツに会える日を心待ちにしてたんだ。
毎日毎日「4月になったら会えるんだ」「あと163日だ」「23週間」ってね。
アイツに会ったら何をしよう、一緒にどこへ行こう、何して遊ぼう、何が好きかな、何を食べさせてやろうかなって、ずっとずっと色々考えていたんだ。
周りのヤツにも、何が好きかな、どんな話が好きかな、どこへ連れて行ったら喜ぶかなって相談して、色んなプランを練っていたんだ。
プランA、プランB、プランCってね。
プランAからプランA1、プランA2、プランA3って考えて、あいつがイエスと言えばプランA1-1だし、NOと言えばプランA1-2にすればいいって、色んな人のアドバイスを参考にして綿密な計画を練ったんだ。
アイツが何か好きか分からないし、何をしたら喜ぶ顔が見られるのかも分からないからね。
一通りのパターンを考えておいたんだ。
そしたら、300通りもプランができて覚えるのに苦労したよ。
でも、どんなことがあって対応できるだろ!
そうこうしていたら、、ヒロキにところに子供ができたって話を聞いたんだ!
「ヒロキ!なんだよ水臭いな。結婚式にも呼んでくれなかったのか!」って言ってやったんだ。
そうしたら、結婚式は挙げる予定はないって言うんだぜ!
だから、ご祝儀はずむから結婚式くらい挙げろよ!って説得したんだ。
実は、ヒロキとキヨが付き合っていたらしいんだ。
俺も知らされてなくて、本当にびっくりしたよ!
でも、そのおかげでキヨとも知り合えたわけだし良かったよな。
俺は同期メンバーとは男ばかりとつるんでいたから、キヨの存在を知らなかったんだ。
俺は知能は高いんだけど、その代わり生まれつきちょっとだけ障害があって、それを知ったらヒロキがいつも俺の側にいてくてたんだ。他の同期と話をするとときもヒロキが付いていてくれるし、連絡なんかもヒロキを通して伝えてきてくれる。
だから俺、スゲェー助かってたんだ。
ヒロキがいてくれるお蔭で上手くいってるから文句は言えないよな。
そういえば、2月頃だったかな。
アイツに会えるまであと47日、6週と5日っていつものようにカウントダウンをしてた時なんだけど、俺のデスクに見慣れない物が置いてあったんだ。
いつものようにキヨに聞いてみたんだけど「分からない」って言うんだ。
中が何かを確認してみたら、毛糸で編んだ何かが入ってたんだ。
だかた、子供ができたヒロキへのプレゼントを間違えて俺のところに置いたんじゃないかってヒロキへ渡してやったんだ。だって、俺ら似た者同士だろ!それに俺とキヨが同じ部署にいるし、誰かが間違えて俺の所に置いていったに違いないって思ったんだ。
それに、ヒロキも嬉しそうに「ありがとう」って受け取ってたし、キヨも恥ずかしくて「分からない」って言ったっぽいんだよな。
だから俺は、身重のキヨにはこれまで以上に気を使ってやらないといけななって思ったんだ。
そうしたら、今度はキヨがチョコレートをくれたんだよ。
でも俺、甘いものを食べないからどうしようかと思ったんだけど、キヨが「義理だから気にしないでくれ」って言ってくれたんだ。
それで、苦手だったら周りの奴らに配ったらどうだって提案してくれたんだよ。
身重なキヨに配らせるわけにもいかないから、俺が周りの奴に配ったんだけど、みんな美味い美味いって言って喜んで食ってたよ。
俺、こんなことしたの初めてだから、いい経験になったし、提案してくれたキヨに感謝するよ。