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維心→実月 筆頭軍神

炎嘉→瀬那 次席軍神

漸→古都 三位軍神

志心→斗起(とき) 6位軍神

箔炎→玄師(げんし) 5位軍神

焔→奈綱(なつな) 4位軍神

蒼→永久(とわ) 8位軍神

駿→松吏(まつり) 7位軍神

高彰→佐津間(さつま) 9位軍神

樹伊→澄嘉(すみか) 11位軍神

翠明→毅沙(きさ) 10位軍神

公明→摂津(せっつ) 12位軍神

旭→来務(らいむ) 13位軍神

覚→(すい) 14位軍神

加栄→多知(たち) 16位軍神

英→真須(ます) 15位軍神

全員の役職は、こんな感じだった。

それを義心が皆の前に掲げて見せている。

「…このように。これは知っていて当然の情報でありますので、今覚えてくださいませ。」

維心が、頷いた。

「覚えた。」と、閉じた自分の巻物へ視線を落とした。「これには事件当日の動きやらが書いてあるわけであるな。本神以外には、その行動は分からぬと。」

義心は、頷く。

「はい、王よ。ですが、当然の事として非番でない軍神の事に関しては、王は筆頭軍神であられるのでご存知です。当日どこで任務についていたのか、全てそちらに書いてございます。他の詳しい事は、当神でなければわからないので聞き込む事になりまする。この中で、一番情報が多いのは筆頭軍神であり、第一発見者も筆頭軍神となります。詳しい事は後程巻物をご覧になってください。」

炎嘉が、言った。

「そうか、つまり当然知っておる事はそれぞれ書いてあるということであるな。共に任務についていたならお互いの行動は証明できる。とはいえ、いろいろ穴があるのだな?」

義心は、また頷いた。

「はい。それぞれに犯人ではないかと思われるような疑わしい行動が見え隠れしておる状況です。その上に、それぞれには思惑があって、やらねばならぬ事がありまして、それを成せたかどうかでまた、終了時の評価が変わります。良く良くお読み頂きまして、明日にお備え頂きたいと思います。事件現場は、ご準備できていますので明日ご案内致します。そちらで開始となり、夕刻になるまで調べて頂いて、話し合う時間があって一人ずつ怪しい神に投票となります。」

「夕刻までに探し出すのだな。」焔が、ウキウキとした風で言った。「ならば、もう部屋へ帰ろうぞ。早う己の巻物を読みたい。己の事をしっかり説明できるようにせねばの。誠に楽しみぞ。」

焔は、さっさと立ち上がった。

炎嘉が、苦笑した。

「まあ、朝からこちらへ向かって来てもう月も高いからの。では、戻るとするか。我も己の巻物を見てみたい。」と、維心を見た。「主は維月に聞くでないぞ?あれは全部知っておるのだろう。」

維心は、フンと鼻を鳴らした。

「聞かずでも犯人ぐらい当てて見せるわ。」

そうして、皆はあれだけ楽しそうだったのに、早々に部屋へと引き揚げる事になった。

旭は、急いで侍女達に指示をして、皆の控えの間へと案内させたのだった。


部屋へと戻った蒼は、急いで自分の巻物を開いた。

王達は事も無げに全て覚えてしまうが、自分はそこまで物覚えの良い方ではないのだ。

蒼の巻物には、永久という軍神の、詳細が書いてあった。

永久は、この宮の第8位の軍神だ。

それなりに腕も立つ神だが、出世欲があまりないので他の軍神のように上へ上へという気概は全くない。

いつもマアマアと皆の間に立って仲を取り持つ穏やかな神で、敵は居ない。

皆と仲良くやっている、軍神には珍しい気質の神だった。

蒼らしい役割に、何やら笑いが込み上げて来る。

蒼が続きを見ると、永久は事件当日は古都と玄師と共に外回りの見回りに出ていた。

輪番でそうなっていたからだ。

外回りとは結界外を見回る仕事で、何かあれば知らせるというぐらいで気楽な任務だ。

その夜も何もなかったので、三人でゆるゆる見回っていたらしい。

が、途中、そんな任務の常なのだが、三人居る場合は交代で一人、休憩を取る。

一時間ほどで交代なのだが、最初は古都、そして入れ替わりに玄師が行き、次に永久が休憩のために宮の軍神控えに向かっている。

そこで、茶を飲んでゆっくりとしてから、永久も任務に戻っていた。

その、茶を飲んでいる場所は軍神の休憩スポットなので、その時同じように休憩に来た、内回りの当番の澄嘉と、離宮当番の松吏と同席している。

永久は、その折実月の屋敷の上を通っていて、斗起が出て来るのを見ていた。

筆頭軍神の実月は非番でも宮の控えの自室に居る方なので、珍しいなと思ったのだけ覚えていた。

そのまま、永久は任務に戻って玄師と古都と共に夜明けに任務を終えていた。

つまりは、永久は犯人ではない。

蒼は、ホッとした。

良かった…じゃあみんなと犯人探しをしたら良いだけだ。

とはいえ、いったい何が起こったのだろう。

蒼は、まさか志心扮する斗起が何かと気持ちが騒いだのだが、どうなるのかまだ、全く分からなかった。

ちなみに永久がやるべき事は、犯人探しだが、それを知ってもうやむやになるように、全て丸く収まるように場を回すことだ。

つまりは、犯人だけでなく、他の神達も疑わせながら、その上で誰だか特定できないように妨害して結果、誰か一人が最多票にならないように上手く調整することを求められていた。

…無理だって。

蒼は思った。

つまりは、16の票が均等に、誰か一人が多くならないようにしろということだろう。

あのメンツの中で、それができるとは到底思えなかった。

蒼は、できたらやるけどさ、というぐらいの意識に留めて、とりあえず犯人でなかった事にホッとしながら眠りについたのだった。


一方、維心はと言うと、控えの部屋へと戻った後、居間の椅子に座ってじっと巻物を注視していた。

本来、書状を読むにも一瞬で気を使って読み取ってしまう維心が、珍しく巻物に視線を落としてじっと考え込むような様子でいる。

維月は、書見をしていてもスッと背筋を伸ばして品良く美しい維心に見とれながら、その隣りへと擦り寄るように座った。

「維心様?何か問題でも。」

維心は、ハッと視線を維月に向けて、維月の肩を抱いて、巻物を開いたまま膝の上に置いた。

「…我が第一発見者であるからの。見つけた経緯や、皆を招集して話を聞くという責を負っておる。間違ってはならぬし、状況を頭に浮かべておったのだ。主は、皆知っておるのだろう?」

維月は、頷いた。

「はい。維心様が筆頭軍神になられるとは、序列順ならあり得るかもと何となく思うておりましたが、あのような形で決めたのに引いてしまわれるとは運命であるような。義心と、いつも義心が担っておるような事をしておるという形になっておるので、筆頭軍神は誰が引いても大変だなあと話しておりましたの。」

維心は、ため息をついた。

「そうであるな。ま、これぐらい我にとりなんでもないが、しかし気の残照も無く匂いも残らず、完璧な現場のようであるし…炎嘉達がどのように動くのか、気になることよ。皆の関係性まで、我は知らぬ仕様になっておるしな。友であるとか…そうよ、そういえば斗起と実月は友のようであるが、斗起とは志心であったの。6位の軍神。」

維月は、頷いた。

「はい。そちらに書いてあるように、気軽に屋敷などを訪ねるような仲であるようですわね。ですが、実月という軍神は、任務一途であるのであまり屋敷の方には帰らないとありますでしょう?」

維心は、頷いた。

「そうだ。まあ、我なら義心のように宮の控えに残って四方目を光らせておったであろうから、屋敷などあって無いようなものであろうし、この実月の行動は分かるのだ。他の軍神達のことも、表面に見えている事はここに書いてあるので、情報が多くて助かるのだが、その上で…果たして、どうしたものか。」

維月は、フフと笑った。

「明日になってからになりますわね。」と、スリスリと維心に身を摺り寄せた。「もう休みませぬか?」

維心は、維月の頬に頬を摺り寄せて笑った。

「またどうした?主は我が何かに集中しておったらそうやって邪魔をしよるのだから…また姿がどうのと申すのか?」

維月は、バレてるよねと維心を見上げた。

「分かっていらっしゃるのですわね。だって、維心様がとても美しくていらっしゃるのですもの。そうやって、書見をしていらっしゃる様など、特に。」

維心は、嬉しそうに巻物を伏せてテーブルの上に乗せると、維月を抱き上げた。

「しようのない奴よ。ならば奥へ参ろうぞ。本日は主も、ようやったの。良い演奏であったわ。主が妃達を上手く取りまとめてくれるゆえ、我は安心ぞ。」

維月は、維心の首に腕を回して抱き着きながら、微笑んだ。

「皆様友でありますから。私は誠に幸運ですわ。素晴らしい夫と、素晴らしい友が居て。」

維心は、維月を抱きしめた。

「我とて同じ。良い妃を持って幸運ぞ。」

そうして、二人は寝室へと笑い合いながら入って行ったのだった。

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