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男女平等主義をこよなく愛する?

●男女平等主義をこよなく愛する? 92話●


白桜高校 総合体育館


棗はバスケ部のマネジャーにもなった。


周は、

「何か木村の応援が麻王だけ限定ぽいんだけど…。それに以前から麻王って呼んでた?」


周がブツブツ言う。


伊藤が、

「周、スリー勝負するぞ。」と周を呼ぶ。


伊藤と周が横を見ると優也がヒゲとボサボサの姿で体育館の出入口に立っている。身体は以前以上に引き締まっている。


芯は、

「優也……赤羽、白鳥、神戸。優也と3on1の準備をしろ。」


優也は着替えながらボソッと、

「……プラス、そこの小さな坊主二人も入れろ。」


榊と椿は、

「オレ?」


芯は、

「椿、榊、さっさと準備しろ!」


「は、はい!」



スピード、ドリブル、得点力が格段に上がっている。得点はほぼ五分だがバスケ地区予選で圧倒的守備力を発揮している白鳥が全く止められない。



青空が拍手をしながら歩いて来ると、

「バスケの追試は必要ないようだね。」


「ったりまえだ!」


優也が青空とハイタッチをする。


「ま、数学と英語の追試はあるけどね。後、臭いからシャワー。」


呆然と優也は、

「………ああ、バスケの追試はナシ……ってバスケの追試って何だ~!?」




練習後


超細マッチョになった優也は、

「無理だって!二週間もアメリカにいたんだぞ、青空?」


「じゃあ、せめて英語はできるね。生徒会室にすぐに行こうか? 後、シャワー。」


青空が言うと優也は落胆してシャワーに行く。覚えた英語は”Thanks”と”How much”の二つ。でもその発音だけは上手い。




翌日 

麻王は休み時間も教室で心理学の本を読んでいる。食堂では青空とデルタAIの話を周、駿とはソフトの話をしている。


二年スポーツ科クラス

「麻王、アメリカまでセンキューな。後、ダラーの送金もよ…」


優也は照れながら礼を言う。


本を読んだまま麻王は、

「なら、よかった。」


「ウォォォォ、マオよ~!あいつらベリーバイオレンスでよ~!ライトナウバイオレンスよ~!」


本を置くと麻王は、

”Emotional ups and downs,right?起伏が激しいな?”


両手を広げ優也は、

「パードン?」


愛枝、神子、棗は、

「………………。」




昼休み 食堂


優也は、

「麻王、追試の数学と英語を教えてくれよ~。」


麻王は本を置くと、

「芯、周、碧がいるだろ。駿も数学と英語は得意だしな。」


「こいつら教え方、めちゃ下手なんだよ!追々試落ちたら即留年なんだよ。」


碧は、

「んだと!ウチに来てもおやつばっか食いやがって!」


優也は、

「ヘイ、カマンベイビー、カマンチーズ!?」


駿は、

「……よく白桜に入れるよな…」


優也が全員ともめていると、


麻王は、

「いつも放課後に優也に告白したい女の子がこの一週間、白桜に通っているぞ。都立名門の国際赤桜高校って生徒って言っていたな。明日、優也は帰って来るから放課後に来て欲しいと言っておいたけど?」


「リアリィ~!マイハートフレンド~!ハーレムキング~!」


優也はそのまま走って行く。


麻王は、

「……それはそうと、芯、Bブロック勝ったらしいな。」


芯は、

「昨年の各トーナメントで勝ち上ったABCDのラウンドロビン(各チームは全てのチームと一回だけ競技を行う)で白桜が勝ったのがその国際赤桜なんだよな…。」


麻王は、

「なるほどね。」


ハルトは、

「あのバカ、まだ昼休みだぞ…」




放課後

総合体育館

優也は練習もせず、国際赤桜の女子生徒と傘をさして帰ってしまう。


呆れ顔の芯は、

「……あいつ何のためにアメリカに行ったんだ?美緒も文音先輩も心海も交代でアメリカまで様子を見に行ってなかったか?」


芯はラウンドロビンは優也抜きで戦うという。麻王は去って行く優也を見つめている。雨が激しくなる。


港区 人気のない波止場


優也は、

「友美さ、こんなとこに住宅あった? 俺、親友の家に下宿させてもらっているんだけどそっちの方が女のお前は安心しないか?」


傘を持ったまま立ち止まると友美は、

「………一年前、国際赤桜と試合したの覚えてないんだ…。」


「覚えているに決まっているだろ。そんな事より俺は友美に勉強教えて欲しいんだよ!」


「……アンタにボロボロに負けた為に彼氏は4歳からのバスケを辞めた…。絶対に許さないよ。」


「何言ってんだオマエ? 勉強教えてくれないならオレ様はもう帰るからな。」


優也が帰ろうとすると高校生から20歳ぐらいの男5人が優也を囲む。




一方、白桜では、

芯は、

「…麻王は?」


ハルトは、

「用事ができたとかで急いで帰ったぞ、芯?」


「もう~何の為のアメリカ武者修行だ~!どうなっているんだよ~!」


芯がぼやく。




優也は、どしゃ降りの中でボロボロになった服で地面に倒れている。放課後に麻王が作り、渡してくれぐちゃぐちゃになった追追試対策のプリントを這いずって取ろうとすると、踏みつけられた優也の右手に激痛が走る。


優也は、

「………試合に負けたから…暴力で仕返しってか?……だから…負けんだよ!」


優也の言葉に友美が優也の顔を蹴り上げる。


優也はプリントに這いつくばって進もうとすると友美たちが優也を取り囲み再び蹴り始める。

降りしきる雨の中、優也の周りに血の水溜まりができている。


優也は、

「……麻王…は……毎週…千ダラー…送ってくれた……意味、分かるか…?」


友美は、

「………何、言ってんだこいつ?」


「こ、殺すのは……警察動くだろ?ヤバくないか?」


友美は、

「チェリーのアンタにヤラせてやったのは私だよ!」


友美の仲間の一人は、

「ビビんなって!コイツの右手もう潰れてるじゃん!武士の情けじゃね?」


「ギャッハハハハ、ヒィ~ウケる~!米屋の息子がなんか言ってんぞ~!潰してそこの海に捨てればいいだろ!」



「俺の心の友に何してくれてるの?」


麻王がポケットに手を入れたまま埠頭の積荷に持たれて立っている。


「………麻王、手を出す…。」


優也はそのまま意識を失う。


「さ、心の友が眠っている間にお仕置きタイムだな。」



「んだ、テメーは……」


バットで最初に殴り掛かった男は麻王の上段ストレートの横蹴りに顔面が潰れそのまま前のめりに倒れる。


麻王はスッと足を引くと、

「雨だから蹴りはないと…考える知能はないな。ほら、時間が惜しいだろ?まとめて掛って来い。」



二人目の男を打ち受けでそのまま左手を砕き麻王の背後に回った三人目をそのまま裏拳で顔面と鼓膜を破壊し、四人目の男の首をロックしたまま五人目は顎に下から凄まじい垂直の蹴りを叩き込むと全体重でアスファルトに四人目を顔面から叩きつける。

辺り一帯は血の水溜まりができ男たちはピクピクンと失神している。



友美以外の男全員がわずか10秒ほどで失神しながら倒れている。



ずぶ濡れの麻王は、

「ああ、ソイツらは手当をしないと二日は起きないから。俺って男女平等主義をこよなく愛する者でね。」


ナイフを構えると友美は、

「は、白桜の校門で対応してくれていたから知ってるよ。あ、あんた白桜の夏葉麻王でしょ?これで白桜のバスケ部も野球部も終わりだね?」


「退部届と退学届けも出して来たから関係ないよ、ヤリマン犯罪女。そうそう、一方通行ですまないけど、オマエの本当の彼氏君がこのやり取りを見てるよ。彼氏に永遠の別れを言え。」


土砂降りの雨の中で積荷の上に置かれたラップトップのモニター画面から友美の彼が叫んでいる。


血の混じった水溜まりに前のめりに溺れ失神している仲間の姿と麻王の冷酷非情な目に友美はこの男は本気だと確信させられる…どしゃ降りの雨の中、尿が漏れる。


私の彼が私の名前を呼んでいる…恐怖心の中に彼氏の声やこれまでの走馬灯が見え友美の身体の震えが激しく止まらない。



麻王はラップトップの映像を切るとそのまま角材を拾うと、

「画像を送信のみの一方通行でな。お別れを言ってもオマエの声は彼には聞こえないよ。」


「彼氏は一生オマエの無惨な遺体を見て苦しむだろうなあ。でも彼が自殺しても、オマエは地獄行きだから会えないよな。」


麻王は角材を持って友美に近づいて来る。


友美は水溜りに額を着けて土下座をする。


立ち止まると麻王は、

「……生きたいのか?」


麻王の言葉にガクガクと震えて頷く友美。



麻王は土砂降りの中で携帯を取る、

「あ、部長、女1人と男5人を介護施設で一年間死ぬほどこき使ってくれる?ああ、働き具合によってはまた学校に行かしてやってくれるかな?…働かないヤツ? 部長の好きなように。」


麻王は携帯を切る。


「……あ、あの警察は…?」


涙と鼻水で女座りの友美は問う。


「オマエたちのこれまでの所業の証拠は知り合いの警察に渡しておく。あ、もうすぐオマエの彼氏が来るよ。別れの挨拶をしろ。」


両膝を着いたままずぶ濡れの鼻水を垂らしたまま友美は、

「……え?」


「今、電話をした部長は元人身売買のブローカだよ。」


友美は、

「……ほんひゃ~。」


「日本人の女は海外で最も高くてな。死ぬ気で働かないと即海外に飛ぶぞ。」


友美は、

「……たひゅけて。」


「その部長も正しく半殺しから這い上がって来た……オマエも生きろ、友美。」


「………働きまひゅ…たひゅけて。」


「ワルぶったつもりだったんだろ?」


「………。」


「世の中には人を殺す事に何の罪悪感も抱かない者もいる。それが今からおまえが会う部長だ。」


「……ひょんな。」


「おまえたち如きが本当の闇に触れるべきではなかったな。せいぜい売られないように最後まで抗え。」



麻王は、饅頭のように顔を腫らした優也の応急手当を終わらせると負ぶって帰る。


「……男女平等を……愛するヤツが女に角材…もつか?」優也は麻王に負ぶられたまま話し出す。


「アメリカ帰りは鍛えているな。」


「…………辞めさせねえ…ゼ…ッタイ…………からな、麻王。」


優也がつぶれた声で話す。


「あ、それも聞こえていた?」


「…………麻…王がいなく…なったら誰…がオレに勉強教えるん……だよ。」


「そっちか?」


「…………スポーツ馬鹿のオレには麻王しかいねえから。」


「優也はアメリカ行ってて知らないだろうけどモテ男コンテストで145票も入っていたぞ。」


「…………マジ………かよ………芯に勝っ…たか?」


「お前さ、たまには掲示板見ろよ。」


「…………掲示板…どこ…にあるん…だよ?」


「美緒、文音、心海にお礼言っておけよ。」


「…………麻王、今度…………買い物に……付き…合ってくれよ~。」


「心海にか?」


「…………文音先輩………だよ。かわい…………いよなあ…アヤ…ネ。」


「……麻王よ…ともみを…許して…くれ…」


「おまえの治療費分は施設で働いてもらうよ。」


「………………。」


「気絶するまで話すかな。」


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