美女コンテスト
●白桜生徒会選挙は美女コンテスト? 88話●
白桜高校
麻王の登校を待っていた新一年のほとんどの女子生徒が集まる。
女子生徒の下から悲鳴とともに碧と周が出て来ると、
「麻王、メジャーのリゲロ・マルティネスを三振って神か!107マイルって、神か!」
碧と周の興奮が収まらない。
ため息交じりに麻王は、
「……どこから来るんだ?そもそも神がお前って言われないだろ。」
女子生徒に踏みつけられて千条が出て来ると、
「麻王先輩をお前って言ってもいいんですか!」
ハルトと駿は、
「麻王~!そして雑魚千条は死ね!」
「ぎゃぁぁぁぁぁ~!」
「…………。」
ハルトは、
「麻王、食堂は女子共がうるさいからグラウンドに行こうぜ!こら、クソ谷、このメモ書きの食いモノを食堂に行って買って来いや!」
神谷は、
「初心な乙女みたいですね?ぎゃぁぁぁぁぁ~何で~!」
「…………。」
グラウンド ベンチ
神子が少し俯きがちに歩いてくる。
「……あ、あの…」
麻王は振り返ると、
「二年の中間考査も終わったのにな。一年の期末の本追試はどうだった?」
「………う、うん、青空君が先生たちと作成したらしいんだけど有り得ないぐらい難しくて…。」
「具体的には?」
「うん、………衛星ヒマワリの軌道半径は、42、166kmになる論理?理論?証明?帰結?かを記述で説明せよって…。」
麻王は神子の涙を人差し指で拭き取るとなめると、
「うん、神子の涙は、水っぽいから悔し涙じゃないな。」
椿は、
「一年の女子も麻王先輩は変態だって。逆に燃えている女子がほとんどなんですが本当だったんですね…待って、待って、そんなキャラじゃないんです~!ぎゃぁぁぁぁぁ~!」
「……そう言うスキンシップなのか?」
ハルトは、
「おうよ、麻王!後輩たちが可愛くて可愛くて仕方ないんだよ~!」
「……血、出てるけど?」
神子は、
「こ、この前はあんなに忙しくて気が立っていて当然だよね、ごめんなさい。」
神子が謝ると麻王は、
「俺の言葉は間違えていたか?」
「麻王君は何も間違えてないよ。後で自身の言動を考えて恥ずかしくて情けなくて死にたくなった…でも、もうね、負けず嫌いの嫌な女じゃないよ。」
「なら、連れていってよかったよ。」
「生涯忘れない、ありがとう、麻王君。」
赤羽は「え、東先輩って白桜で何番目の人気だった?」
神戸は「外見だけなら一番か二番じゃないのか?」
芯がやって来ると、
「よ、麻王!いや、木村棗と美緒も入って来るぞ?」
野球部とバスケ部のメンバーが騒いでいる中に優也はいない。
麻王は、
「…優也はどうした?」
「まだアメリカにいるらしいぞ。後、一週間は帰って来ないって。」
周の言葉に麻王は、
「生活は?」
駿は、
「昨日、SNSで連絡あってな。あいつ野生児みたいなもんだしバスケギャンブルで暮らしているらしいぞ。」
麻王は携帯を取ると、
「……バスケギャンブルって負けたら食事も取れないな。何より心配だし弥生か千佳に頼むか…でもさすがにご都合主義だな…」
麻王の傍に心海、弓、結衣、香織が集まっている。
「麻王兄、結衣の応援演説をして欲しいんだ!」
「何の話だ?」
心海は、
「選挙の話!」
「まだよくわからないんだが、青空が生徒会長ではダメなのか?」
心海は、
「そ、それは…」
「藤原、ピッチャーをしてくれるか?」
藤原は、
「マジですか、麻王先輩!やります、やります、やらせてください!」
坂季と千条は、
「先輩、僕たちも!」
麻王は立ち上がると、
「じゃあ、三人、交替で頼むよ。」
「麻王兄!」
「心海は優也といただろ? 優也の場所はわかるな?」
「分かるよ。その代わりに結衣の応援演説して欲しいな~!」
「いや、そもそも人前で話すのは嫌いだしな。」
心海は、
「奥手か!全校集会でめちゃ話すでしょ!」
「3分しか話さないだろ?それにその3分の俺の役目は理事長の一時間演説を防ぐため。未来の旦那様の神谷に頼めば?」
神谷は、
「お兄さん~!」
心海は、
「キモいよ、筋肉まん。」
香織は、
「………麻王先輩は心が広いですね?神谷って一年のスポーツ科クラスで全然人気ないですよ?」
「学生時代にイケてないやつの方が出世するって愛枝が言っていたぞ?」
弓は、
「……赤瀬先輩が…結衣、ズルくない?」
芯は、
「麻王は現生徒会の副会長だから無理。やっぱり心海か香織がすればいいんじゃないのか?」
結衣は、
「芯君、麻王先輩が心海には強く言えないからフォローに入ったんですね?」
芯は、
「碧よ~!お前の家にもよく泊まりに行くから結衣に反論しにくいだろう?何とか言えよ~!」
碧は、
「いやあ、そもそも何で結衣なの?俺の立場もなくなるよ?青空、ふつうに怖いし。」
「……確かに。」
香織は、
「神薙青空独裁国家を壊す。でも私たちじゃあ勝てないんです!でも麻王先輩がいればきっと勝てます!」
香織が自信満々に話す。
麻王が金属バットを探しに行くと結衣が追いかけて来る。
麻王は、
「結衣は昨年、俺がいなくなった時にホテルの玄関から自宅まで青空に送ってもらったのを忘れたのか?それに愛枝が動いているみたいだけど話が全く見えないしな。」
結衣は、
「出たくないのですが赤瀬先輩が自身と一年は私と弓にも出馬して欲しいって言われまして…。赤瀬先輩が会長になったら副会長の席をあげるよって…。」
麻王は素っ気なく、
「あげるって何?…それは私欲だろ。故に絶対に協力はしない。碧、何?このドロドロの汚職話は?OK、藤原!」
麻王の言葉に一年たちも走って行く。
碧は、
「俺から麻王に頼んでおくよ!お兄ちゃんに任せろ!」
周、駿、ハルトは、
「マジかよ~碧~!妹とお風呂入っているってマジなんじゃないか?」
碧は、
「入ってるけど?」
結衣は戻って来ると、
「入ってませんが!ウソをサラッと言わないでよ~お兄ちゃん!」
心海は、
「キモ…」
青空が笑顔で歩いて来ると、
「何か面白そうな話をしているね。」
碧は、
「よし、俺たちも野球するか?」
碧の言葉に芯、周、駿、ハルトは、
「だよな!」
「お兄ちゃん!逃げるの!」
「そうじゃなくて愛枝に利用されているだけだって~!」
「そんな事ないよ~!」
「あるわ~!」
麻王は三塁側白桜ベンチに座っている。
青空が隣に座ると、
「麻王、出てあげなよ?」
「いや、まだ話が見えないし。それに応援演説は誰だ?考えるだけで気が遠くなるけど?」
心海は、
「私が出るよ、青空君、いや、女泣かせの独裁王。」
ニコッと青空は心海に、
「白桜の生徒会選挙に出れるのは入学以来100位以内に入っている者だけだよ、外野君。」
心海が戦う前に負けたと地面に手をついてガックリしている。
何故か心海より成績の低い弓が心海を励ましている。
全員が「戦う前から負けた~」と思っている。
神谷の特大の当たりを見ながら麻王は、
「野心家の結衣を焚き付けた訳ね。つまり生粋の白桜生徒の愛枝は学校を盛り上げたい訳だな…。」
「いつか愛枝は麻王の前から消えるよ。じゃあ、後で。」
青空は手を上げるとそのまま歩いて行く。
「……予知夢ってヤツ、麻王兄?」
「どうだろうな。ああ、健康診断の結果は学校に出しておいたからな。問題なかったよ。」
「うん!ありがとう!……さっきのは本気?」
「神谷の事か?」
「…うん。」
「万が一、神谷と付き合って殴られたら?」
「え、人間なんてソッコー殺すよ?」
「俺も人間だけど?」
「麻王兄と結婚しても麻王兄は私の中で永遠に麻王兄だよ!」
麻王は空を見上げると、
「……神谷ならクラスBまで100年でいけるかも知れないな。」
「ま、どっちみちキモ筋野郎は死んでるね!」
「…………。」
翌日
生徒会室
愛枝、心海、結衣、香織、弓が集まる中、
キョロキョロと愛枝は、
「……青空は?」
ソファでラップトップを打っていた麻王は手を止めると、
「愛枝、生徒会選挙の代わりに美少女コンテストをすることにしたよ。」
心海、結衣、香織、弓は、
「えぇぇぇぇぇ~!」
愛枝は、
「どういうこと?」
ラップトップを愛枝に向けると麻王は、
「昨日、白桜高等部生1500名に調査をした。”現生徒会長、神薙青空の続投を望むか”とな。結果は99%が望むだ。つまり1%はおまえたちだけだ。」
がっかりと愛枝は、
「……そ、そんなぁ…白桜伝統の六月が…」
「別に無くなってはないけどな。それにそんな落胆する愛枝は綺麗だぞ。」
「……ホ、ホントに?」
「それでその美しい愛枝を祝うために生徒会選挙の代わりに美少女コンテストを実施しようとな。」
「ま、まぁ、仕方ないよね?すごく惨めになるかもしれないけど、ごめんね、結衣!」
「……はぁ…」
「今日はレッスンをしてやるよ、愛枝。」
「ホント~!」
「俺は美少女コンテストの準備してから行く。愛枝は、先に行っておいてくれ。」
「うん!待ってるね!結衣たちは?」
「ハハ、おとうさんといっしょに…」
「OK!じゃあ、後でね。」
愛枝は、生徒会室から出て行くとルンルン気分で歩いて行く。
心海は、
「……本当に、麻王兄?」
「一日でデータなんて取れないって。」
「えぇぇぇぇぇ~!」
結衣は、
「じゃあ、なんでですか!?」
ラップトップをたたむと麻王は、
「俺は青空のあり方は正しいと思っている。」
「…………。」
「だから愛枝や結衣が立候補者として、心海や香織が応援演説者で出てきたら徹底的に殴るよ。白桜は愛枝や結衣の自己満足のためにあるんじゃないからな。異論があれば今ここで聞くが?」
結衣は、
「……いえ…」
結衣の返事を聞くと麻王はラップトップを持って歩いて行く。
香織は、
「……根回しはよくなかったね。」
「」
「」「」
六月の生徒会選挙は赤瀬愛枝も出ずに終わる。
生徒会長 神薙青空
副会長 夏葉麻王、赤瀬愛枝
会計監査 橘碧、橘結衣
会計 井上愛、名古屋香織、九条弓
書記 夏葉美緒、夏葉心海、一条文音
風紀委員、二年 東神子、夏葉麻王 一年 橘結衣、名古屋香織、九条弓、夏葉心海
麻王は、
「……何か見知った者が多くてすごく嫌なんだけど…。」
麻王の言葉に青空は、
「今年は修学旅行の予算を大幅に減少させたいから会計と書記は増やしたくてね。」
青空はニコリとする。
「選挙の代わりにコンテストか…。絶対フェミ団体とかうるさいぞ。」
「麻王がそうしてくれたんだろ。」
【白桜高校 美女コンテスト結果】
有効投票数…768名
一位 木村棗
二位 上杉ひかり
三位 夏葉心海
四位 山形藍
五位 橘結衣
六位 井上愛
七位 笹井沙月
八位 一条文音
九位 東神子
十位 夏葉美緒




