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白桜高校 中間考査とは? そして赤瀬。

●ライバル出現? 8話●


私、赤瀬愛枝。そう売上高20兆を超える赤瀬商社の孫。先日は、あまりの恐怖にPTSDを患ってしばらく更にツンになったわ。

高等部に上がってはじめての中間考査。

あの憎き夏葉麻王と三明優也。でも三明優也は許してあげる。何故かって?

私と勝負にならないからよ。


夏葉麻王、私が授業中に先生の質問に答えた後、

「赤瀬の答えも素晴らしいですがこういう考え方はどう思います?」何故か夏葉麻王の質問に先生方が喜ぶのが許せない。


「学校は内部生だけで成り立つ訳じゃない。外部からの新しい血が入るから活性化するんだ。常識だぞ、赤瀬。」こんな感じで、毎度毎度、私と競って来る馴れ馴れしくて嫌なヤツ。それが夏葉麻王。

時々、庶民の味というお弁当を私の分と2つ。卵焼きやウインナーチーズ入りもくれるけどそれはそれ。

白桜は私たち内部生のものなんだから。


今日、私は夏葉麻王に宣戦布告をする…。


そして6限目終了のチャイムが鳴る。


赤瀬愛枝は教壇に立つと、

「転入生の夏葉麻王、今度の中間考査で私と勝負をしなさい!」教室内が静まる。

ただこの赤瀬愛枝は別にクラスの嫌われ者でも何でもない。むしろ人気者。

この白桜でトップ10に入る成績優秀の財閥の娘であり幼等部や自分と同じ小等部の者を大切にする。

加えてどんな無理な頼み事でも「やってあげるんだからね。」と必ずOKするところにむしろ全員が好感を持っている。

つまり彼女は内部生びいきな所が唯一の悪癖なのである。


青空はため息交じりに、

「…………その勝負を受ける事に麻王にどんなメリットがあるのかな?」青空が突然話を切り出す。

神薙青空は麻王との勝負を経た後、麻王との触れ合いの中で柔らかくなった。

しかし元々は我の強い三条北山バスケ部メンバーからも全幅(ぜんぷく)の信頼を置かれていたキャプテン。

野球部の山形先輩も神薙青空の人を統率する能力を見てキャプテンの座を譲り、現在、一年にして白桜バスケ部と野球部の両キャプテンを兼任できる能力の人物である。


愛枝は、

「あ、あなたには関係のないことでしょう。」青空のその冷めたい瞳に既に凍り付いているのは赤瀬愛枝だけではない。芯やユウヤは勿論、クラス全体が緊張感に包まれる。


「………君は愚かな人間のようだね?麻王は……。」と青空が話し始めようとした時、麻王が青空の肩を押さえて青空にいいんだという意味で首を振る。


「いいよ、赤瀬。条件は?」麻王はバスケのユニフォームに着替えながら話す。


「ち、ちゃんと聞きなさいよ!私が勝ったら高校生活の三年間、愛枝様と敬愛を込めて呼ぶこと!もう一つは私が命令したら同じく三年間庶民の味のお弁当を作って来ることよ!」


「分かった。もう行ってもいいかな。ま、止めても行くけどな。」


顔を紅潮させながら愛枝は、

「夏葉麻王、あなたに要求はないの?私の白桜での成績知らないの?」


麻王は上着を着替え終えそのまま教室を出て行く。青空が麻王に今日の練習メニューを話しながら二人が笑って出て行くと、青空がキレなくてやれやれという感じで芯と優也も二人について行く。


怒りが収まらない愛枝は、

「な、夏葉麻王~!!ぜっ~対に負けないから!」



そして5月15日、中間考査。

白桜では定期考査はシンプルに一科目200点×5科目=1000点で計算される。


例えば国語は古文、現代文、漢文と、理科であれば化学(理論化学、有機・無機化学)、物理、生物、地学と中間期末文系理系関係なくその学年で習った事はほとんどが記述で出題される。

故に単なる令息令嬢では白桜に来る事が到底できない所がこの超名門の由縁である。


クラスメイトたちが愛枝に声を掛ける「愛枝、中庭に1位から最下位まで名前が書かれているよ。私は中等部まではベスト50位までだったのに…。」


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