誰が一番モテるんだ?
●誰が一番モテるんだ? 46話●
中間考査の昼休憩に駿が普通科一年の女子生徒に人気のない搬入通路で告白されている。
食堂で沖田がボソッと、
「中間考査中に告白って。ま、考査中は競争率低いもんな。考えてみるとバスケ部も野球部も顔がまともなやつ多よな…。誰が一番モテるんだ?」
雅は、
「一番は、ダントツで青空だろ?甲子園で速水桐からホームランも打っているしね。白桜の郵便ポストは連日パンパンで郵便局員が車で山積みのラブレターを運んで来たらしいよ。」
自慢げに碧が、
「手紙も入れるとバスケ部と野球部の順位は…青空は別として優也、ハルト、芯、駿に俺かな。最下位は麻王な。」
ハルトが呆れ気味に、
「バーカ、白桜のバカな噂がない全国で見たら麻王が断トツ人気だよ。スカウトも記者も興味津々。まぁ、麻王と青空を除けば俺か駿じゃね?」
水戸は、
「でも、麻王はラブレター来てないじゃん。」
ハルトは、
「ラブレターを麻王に見せたら、マジで一行返信とか全員に書きそうだろ?だから青空が記者やスカウトもすべて管理しているよ。」
全員がマジかよという雰囲気になる。
鬱っぽく周が、
「……麻王がソフトの編集費を持って自宅に来てからうちの妹のひかりも麻王にぞっこんなんだよな~。俺より頭いいから来年、確実に白桜高等部に来るだろうな~。」
「結衣もいばらの道を…帰るか…」
麻王は中間考査後中等部に寄ろうとするが高等部の校門で元生徒会長の睦月弥生が麻王と親しげに話している。
碧、ハルト、周は自転車置き場から乗り出してその様子を見ている。
「いいですよ。その代わり少し激しくしますよ。」
麻王は笑顔で答えると睦月は麻王に抱きつく。
麻王はまあまあとその場を立ち去る。
睦月弥生は白桜三年のマドンナ的存在。青空に並ぶ睦月財閥の令嬢。才色兼備だがそういう類の人間に特有の嫌味な所は一切ない。
周が生徒会選挙の後、睦月弥生に告白したが見事に玉砕した。
生つばを飲む周は、
「は、激しく…ちょっと!」
周が麻王に駆け寄ろうとするが芯たち全員が周を止める。
ハルトは、
「ハッキリ言ってお前も中々、いい男だ。が、惜しむらくは、お前の失敗は白桜に来た事だ。麻王を越えるなら先ずは俺を超えてからだ。」
ハルトが周を止めると周が落胆して歩いて行く。
涙を流す芯は、
「……世の中は不公平だ…」
ハルトは、
「頭脳明晰の前生徒会長、睦月弥生…身長168、スタイル抜群…ホント、いい女だよなぁ…」
高等部一年、スポーツ科クラス
ハルトは、
「麻王、睦月先輩に告白されたのか?」
麻王は帰り支度をしながら、
「何の話だ?先輩の妹の家庭教師を頼まれただけだが…文音だったかな?」
周が詰め寄ると、
「麻王!この前、家のボロアパートに来た時に妹のひかりに会っただろ?俺の妹可愛いよな? 嫁にもらってくれ。そして二度と睦月先輩に近づくな。」
「意味不明な事を言ってないでスリーポイントシュートの練習をするぞ?」
麻王が周を引きずって教室を出て行く。
麻王が小さく周に、
「分かっているよ。好きなら諦めるな、周。」
「麻王~。一生ついて行くよ~。」
駿とハルトは、
「………………。」
呟くように芯は、
「………あいつってあんなキャラだったか?いや、あんなキャラだったな…」
ハルトと駿は、
「周か?う~ん、元々、あんなキャラじゃね?」
優也が心配そうに、
「……確か、睦月先輩の妹って二年の一条文音だったよな?学校来てないだろ?噂も黒いし、何か色々問題ありそうだけどな…。」
芯は、
「姉妹で苗字も違うしな。」
碧は、
「父か祖父がヤーさんとかもな。」
ハルトは、
「ボディーガードがだろ?元自衛官や警察官とかが確か100人ぐらいとか?」
水戸は、
「かなりヤバい予感しかしないな。」
雅は、
「麻王と周はお気楽だけど?」
ハルトは、
「う~ん、麻王はともかくとして、少なくとも周は死ぬんじゃないか?」
「……………………。」




