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結衣と香織のプレゼントとゴルフ勝負

●プレゼント 40話●


麻王は道場を後にすると愛枝との週一回のゴルフレッスンに向かおうとする。結衣と香織が追いかけて来る。


真っ先に冬服に変わった白桜ブレザー姿の香織が、

「一週間、家庭教師ありがとうございました。麻王先輩にお礼をしたいのですが…。」


麻王は歩きながら、

「教えると自身も深く理解し考える、だから必要ないよ。」


結衣は、

「いえ、そうはいきません。私と不公平にならないように中等部3年スポーツ科クラスの教室にも香織の勉強を教えに行ってもらっていたことを今、香織から聞きました。」


麻王は、

「本当にどんなことでも?」


結衣は笑顔で、

「麻王先輩はすぐそうやって茶化しますね。でもそうです、どんなことでもします!」


麻王は少し考えながら、

「どんな事と言われてもな。」


カバンから包装された箱を取り出すと結衣は、

「…………あの、私は、腕時計をプレゼントしたいのですが…はい、これです!」


縦横高さ各10cmの正方形の箱を受け取ると麻王は、

「開けてもいいのか?」


「はい!」


文字盤が白の洒落たビジネスウオッチを箱から出すと麻王は、

「時計に無知な俺でも判る高価な腕時計だけど?」


香織は、

「私も麻王先輩にプレゼントです!」


香織のプレゼントはネクタイ。


「……濃いブルーが映える高価なネクタイだな。」


結衣と香織はジッと緊張している。


「いや、すごく嬉しいけど二人ともバイトしてないだろ。貯めていたお年玉とかか?」


香織は、

「いえ、結衣も私も父の仕事の手伝いをしています。」


麻王は、

「手伝い。……そうか、じゃあ一生大切にさせてもらうよ。」


香織は、

「LRプログラミングで見れたら嬉しいです。」


「今度、アメリカに新作ソフトのプログラムを持って行く時に早速、この時計とネクタイをさせてもらうよ。」


少し照れくさそうに喜ぶ麻王を結衣と香織は初めて見て、二人は嬉しくてたまらない。



「ところで二人ともゴルフに興味あるか?」


香織は、

「ゴルフですか?」


「今からゴルフレッスンに行くんだけど、もしよければ一緒に来るか?」


「私のお父さんも結衣のお父さんもゴルフ好きで……今日、父たちとの練習日です。」


「レッスンプロは?」


結衣は、

「……父たちがセミプロレベルで。」


「そう言えば、鳴尾浜宿舎で愛枝や駿が話していたな。一緒に練習してもいいんじゃないか?」


香織は、

「嬉しいですけど……一人を好む麻王先輩が珍しいですね?」


「一人を好むんじゃなく、愚かな物と共にするのが嫌なんだ。」


「……ごもっともですね…」


「俺は愛枝と決めたレッスン場だが、いつも何処でしているんだ?」


結衣と香織の二人はニコニコしながら、

「それ、新しくできたゴルフ練習場ですよね?今から父に連絡しますね?」


何か怪しく思う麻王に対して、




香織はニコッと、

「父たちがそこにいるから待っていると言っています。私たちもいつもそこで練習してますよ?二時間後でお願いしますって!」


「なるほどね、じゃあ先にメシでも食べに行くか。」


「麻王先輩と食事だよ、香織?」


「だよね!………あれ?麻王先輩は?待ってくださいよ~!キャッー!!ホントに行っちゃう、キャッー!!」





レストラン


四人テーブル、麻王は窓際、結衣と香織は向かいのシートに並んで座っている。


驚く結衣と香織は、

「…パフェとかすごく注文しましたね。」


「結衣と香織の分だよ。ゆっくり食べていいよ。」


30分後…

「二人とも結構食べるんだ…。」


香織は笑顔で、

「麻王先輩が頼んだのはほとんどデザートなのでそれは別腹ですよね?」


「プレゼントのお礼にここは俺が持つよ。」


結衣は、

「前も麻王先輩が当然のようにおごってくれましたよ?」


ニコニコする結衣と香織に麻王は、

「結衣も香織ももう俺の女なんだから奢るに決まっているだろ。」


結衣と香織は、

「えっ…」


腕時計を見ると麻王は、

「……まだ一時間あるし、ホテルに行くか?」


結衣と香織は、

「……えっ…シティホテル?…でも、今日は朝から…まだお風呂も入ってないですし…」


「先に言っておくが、結婚したら俺は帰って来たらすぐに抱くよ。」


香織は、

「……夫婦の営みって事前にシャワーとか浴びるんじゃないんですか…?」


「結衣と香織は結婚して夫婦の営み時に夫が毎回”シャワーをして欲しい”って言ったら嬉しいのか?」


顔を真っ赤にしたまま結衣は、

「……恥ずかしいけど、死ぬほど恥ずかしいけど、やっぱりちょっとイヤかな…?」


香織は、

「……私も…かな?……あの…先輩は…そのどんな風に…?」


人差し指をクイっとし、結衣と香織は顔を近づけると麻王は二人の耳元で囁く。


結衣と香織は、

「……えっ…?えぇぇぇぇぇ~そんなの恥ずかしくて死にますよ~!」


「シッー、他の人に迷惑だろ。本当に愛しているならそっちの方が自然だと思うな。さ、行こうか?」



結衣と香織は二人でごにょごにょと話すと結衣は、

「……あ、あの…絶対に嫌いにならない…ですか?」


香織は、

「お兄ちゃんたちもそんなことするんですか?」


「更衣室で碧や駿はよく話しているが、むしろ、しないんじゃないかな。」


香織は、

「……むしろしないんだ…」


「結衣の質問はタイプじゃないかな。」


結衣は、

「……タイプですか?」


「A自己満足タイプB相手を満足させたいタイプC秘め事を知りたいタイプD支配タイプE遠慮タイプ…etc.etc.とな。少なくとも俺はBとCだからならないよ。」


結衣は、

「……突然、その日が来るって友達が言ってたんです…」


香織は、

「明日…ううん、一時間後には大人だ…」


シートを立つと麻王は、

「行くか?」


結衣と香織は、

「……ふつつかものですが、よろしくお願いします…」




レストランを出るとガチガチの結衣と香織は、

「……ご、ごちそうさまでした…」


「しないよ。」


麻王の言葉に結衣と香織は、

「…えっ…」


「どんなに好きでも、身体や年齢が大人になるまではしない。いい時間になったし、ゴルフ練習場に行くぞ。」


麻王は歩いて行く。



呆然と結衣は、

「……ホッとしたようなすごくがっかりしたような…すごく複雑…」


香織は、

「……うん…えっ?…そんなにも待つの!?大人って20とか?」


結衣は、

「麻王先輩と一緒に遊園地とか二人で旅行とかできても20まで?」


結衣と香織は、

「……後5年もキスもない…えぇぇぇぇぇ~!」




ゴルフ場練習場


橘と名古屋が歩いて来ると結衣の父親の橘は、

「夏葉君とは二度目だね!」


フットボールの件でヘリで白桜屋上に来た麻王と会った時のことを堂々と話す橘に麻王は、

「…お久しぶりです…」


名古屋は、

「先輩!その件は内密だったでしょう?だからこれが初めて!」


「誰も信じないって!ね、夏葉君?」


麻王は手を差し出すと、

「橘さんは碧よりも結衣に似てますね。名古屋さんは………駿かな?」


名古屋は、

「ホントに?香織のおっちょこちょいの所は僕に似ているかなって。」


「お父さん!」


「一応、生徒一人のレッスンプロをしているのでしばらく失礼致します。」


麻王は会釈をするとゴルフ場の三階に上がって行く。



名古屋は、

「う~ん、抜群の身体能力と言っても人を見る目はやっぱりまだまだ高校生か~。ね、橘先輩?」


橘は、

「だな。同い年の碧と同様にまだまだ幼いな。」


結衣は、

「お父さんたち、そう言うのは本当にヤメて!」


香織は去って行く麻王の後ろ姿を見ながら、

「……麻王先輩。」




三階

カーキ色のお洒落なゴルフウェア姿の愛枝は、

「もう遅いんだから、麻王!」


「むしろ15分早いが?そのセリフ言いたいだけだろ。」


「バレた?でも何で今日はこの練習場なの?」


「俺は何処かに所属しているレッスンプロじゃないしな。土日の大会も愛枝は二位だったんだろ?」


「うん、麻王のおかげだよ!」


「気分転換もいいだろ?それにここはマスターもいるしな。」


「……ああ、心は女の?」


「カモフラージュかもな。」


愛枝は麻王の指導後からゴルフ大会の成績もよく。高校卒業後はプロとしてデビューする予定。




結衣と香織が止めるのを無視して橘と名古屋が三階に歩いて来る。


橘は、

「愛枝君は高校卒業後にプロデビューするんだよね。僕たちと勝負して調整するのはどうかな?」


愛枝は橘たちに頭を下げると、

「お久しぶりです、橘おじ様、名古屋おじ様!いえ、橘先生と名古屋先生!」


結衣は、

「………おじ様…先生?」


自信満々に橘は、

「夏葉君が教えるずっと以前から僕と名古屋は愛枝君の指導をしていてね。」


結衣は、

「お父さん~!本当にもうヤメてよ~!」


「夏葉君、僕たちは今の愛枝君よりは少し上手いぐらいなんだが勝負しないか?」


結衣の父親が勝負を持ち掛ける。


「お父さん!いい加減にして!」


結衣は麻王に失礼だと怒る。



麻王は、

「何か勝負好きな人多いな。呆れるほど多いな。死ぬほど多いな。」


橘は、

「え、何?」


「いえ、分かりました。じゃあ橘さん、名古屋さんに愛枝も加わって3人vs私と結衣、香織の3人でどうですか?」


麻王の言葉に負けるはずがないと橘と名古屋の二人は少しムッとする。

絶対に勝てるはずがないと凍りつく結衣と香織。



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