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赤瀬愛枝(アキ)

ここからは短編になります。よろしくお願いします。未来ミキ

●白桜へ 4話●


転校初日


心海は夏休みの一ヶ月、麻王と樹の指導で転入試験と面接で合格最低点を取り何とか合格。

美緒と心海は樹さんが絶対に許さず電車通学。麻王は愛車竜王号、つまり自転車で新宿から港区の白桜に向かう。


自転車は少し”風流”を味わえるところが麻王は気に入っている。


白桜の大きな校門に白桜の真っ白なブレザーに赤のネクタイ、黒のスラックス姿の神薙青空が待っている。


青空は笑顔で、

「さ、行こうか。」


白桜ブレザーの姿の麻王は青空の左右にいる二人を見ると自転車を止め、

「…確かお前たちは…」


芯は、

「全国大会、一回戦で闘った牧野芯だよ、麻王!親しみを込めて芯って呼ばねえとぶっ飛ばすぞ。ユウヤもいるぜ!」


自転車から下りると麻王は空を見上げながら、

「ああ、ユウヤ…あのユウヤな。」


優也は、

「どのユウヤだよ!絶対に覚えてないだろ、お前!」


青空は、

「芯は三条北でも僕と並ぶ成績だったから編入試験も余裕…ま、彼、優也は補欠合格で何とかね。今回の白桜の転入試験の為に全国大会のベンチでも勉強していたから褒めてあげてもいいと思うよ。」


優也は、

「夏葉麻王、オマエには負けねえ!」


校門に向かって自転車を押す麻王は、

「何で睨むんだ?これからは仲間だろ。ヨロシクな、優也。」


優也は照れながら、

「……お、おうよ。でも絶対オマエに負けねえ…ぞ…」


芯はため息交じりに、

「麻王と一緒にバスケをしたいから俺たちから青空に頼んだんだ。」


麻王は、

「三人とも俺に勝っただろ?それに優也の力であの試合は苦しんだしな。」


麻王の言葉に優也は、

「だろ!だよな、麻王!?」


芯は笑いながら、

「麻王は相変わらず人たらしだね~。最初は麻王に会ってすぐにone on one挑むつもりだったけどこれからは同じチームだからな。」


麻王は、

「三人は白桜中等部の寮か?」


青空は、

「麻王、電話でも話したけど僕は元々、東京出身だよ。」


芯は、

「青空は神薙総合財閥の御曹司様だからなあ~。俺は元々、京都じゃなく愛媛出身だよ。祖父が警視庁の元柔道の先生でな。」


麻王は、

「元警察官か?」


麻王の言葉に芯は、

「ああ、その祖父のいるここ東京で暮らす事にした。」


青空は、

「優也は兵庫の淡路島出身でね。白桜への特別推薦状は僕の父にね。」


駐輪場に自転車を止めると麻王は、

「特別推薦状ね。」


「うるせぇよ、麻王!」


「はい、はい。」


「サラッと流すな~!」


やれやれと青空は、

「新設された白桜スポーツ科クラスは、僕や麻王たち白桜中等部三年生から構成されたメンバーだよ。」


芯は、

「来年の白桜高等部スポーツ科クラスを目指して開設されたクラスなんだよな!」


自転車に鍵を掛けると麻王は、

「定期試験は変わるのか?」


青空は、

「僕たち以外は白桜なんてボンボンの集まりだしね。スポーツ科と言っても定期試験は普通科と同じ。故に生徒層も決してスポーツが上手い訳ではなくスポーツに多少の興味がある程度の者たちの集まりだよ。」


駐輪場は麻王の自転車のみに芯は、

「……しっかし、駐輪場に自転車ねぇ…金持ち高校生様にチャリは必要ないってか?」


優也は、

「三人だけで会話すんな~!」


麻王は、

「いや、いつまで校門前で話すんだ?」




突然だけど、私、赤瀬(あかせ)()()。小等部からの白桜内部生。赤瀬商社会長の孫にして白桜中等部成績学年一位の絶対デレのない女。

朝のHR中の自己紹介中、眉目秀麗揃いのクラスの女子生徒が完落ち、否、完堕ち状態なのよね…。



神薙青空、推定身長は175、穏やで透き通る様な爽やかな話し方。ショートのEuropeanブロンドヘア、超絶美少年。もしかして異世界から来た勇者?


夏葉麻王、推定身長179、黒髪、スタイル抜群。あちらの方面の方ですか?と思う目の座り方と落ち着きなのに時折見せる屈託のない笑顔と瞳の持ち主。


牧野芯、推定身長180、銀髪、理想の細マッチョ。ユニークな話し方の中に芯の一本入った誠実少年。あら、だから芯君?


三明優也、推定身長179、オールバック。アマゾンの野生児ですか?っていうぐらいのワイルドさ。話し方はガサツだけど…まぁ、顔はダンチにいい、ホスト?



こんな宝くじ一等男がこの時期に4人も…また皆に先に取られちゃうよ。…いいえ、愛枝、貴女はもうツンツンしているだけの女じゃない…いえ、先ずは男性経験値ゼロの私はターゲットを絞るべき。勇者様が一番無難に返答してくれそう。


でも…選べないよ~。そもそも男子に話せないし。



愛枝の隣の席についた麻王は、

「これからよろしく。俺は夏葉麻王。麻王でいいよ。」


愛枝は心の中で、

『ヒエー、突然、来たーこれ!何?なにを話せば…………“よろしく、麻王君。”これ!』


「よろしく、魔王様。」


愛枝の言葉に一瞬、愛枝の周囲が凍りつく。


麻王は、

「魔王ね…面白いな。それでもいいよ。」


後ろの席になった優也は、

「ヘラヘラすんなや、麻王!おい、女、オレ様のライバルに気安く喋んなや!」


麻王はため息交じりに、

「ライバルって何だよ、優太?」


「ユウタじゃねえ!さり気なく太っちょキャラ的なアダ名にしようとすんな!傷つつくだろうが~!」


「うるさい優太だな。」


「定着するだろうが~!」


愛枝は凍り付いたまま、

『ひ、ひえ-、全員無言になっているのにどんだけ肝座ってんの、この二人ってか青空君、笑ってるし!?こ、殺される~!助けて~!』


愛枝はその後更にツンになった。





放課後

教室で青空、麻王、芯、優也の4人が話している。


芯は、

「ハァ、転入生への職務質問ってやつ?金持ちには優也は珍し過ぎたんじゃね?」


優也は、

「こら~!」


クスッと青空は、

「まぁ、九月にそろって転入は中々いないしね。ところで麻王は部活は何に入るんだ?」


カバンに教科書を入れている麻王は、

「学校とバイト、時間はもう目一杯だけど、バスケと野球が一番面白いからお前たちとやりたいな。」


青空は、

「本心は、バスケは辞めたくなかったからね。麻王と同じチーム、素直にとても嬉しいよ。でも野球も一緒にするよ。白桜は野球部も超弱小らしいからルールを学びながら高校までにそれなりの選手になるように努力する。もちろん芯も優也も来るよね?」


芯は、

「おじいちゃんから勉学もスポーツも後悔しないように全力でしなければブッ飛ばすって言われたしな。もちろん、やるぜ!」


優也は少し恥ずかしそうに、

「や、やるに決まっているだろ!」


青空は、

「強いチームにいたいだけなら芯もユウヤもあのまま三条北山にいたよ。だから麻王には僕や芯、優也を気遣って欲しくないな。」


麻王は、

「分かったよ。じゃあ、先ずバスケ部に行こうか?」



教室前、出入口に走って来ると白桜ブレザーに桜色のリボン、白のスカート姿の心海は、

「麻王兄~!」


遅れて美緒も来ると麻王は、

「心海に美緒か…青空たちにも紹介するよ。」


机を蹴り飛ばすと優也は、

「誰よ、麻王?この二人、めちゃくちゃ可愛いじゃん!」


優也の言葉に心海は、

「麻王兄、何、この気持ち悪いオールバック?」


美緒は、

「心海!」


優也は、

「こら~!」


芯は、

「……ホント、ボキャないな…」




帰り道

麻王、心海、美緒の三人は、駅に向かって歩いている。


麻王は自転車を押すのを止めると美緒と心海に、

「二人とも俺のワガママですまないな。授業料は二人とも気にしなくてもいいから小遣いだけお願いできるかな。それにこれからの活躍で高校での特待生の資格も受けれると思う。」


美緒は、

「感謝しているのは私たちだよ。魔物のいない人間だけの世界…今もまだ信じられないよ。」


心海は、

「この一ヶ月、麻王兄も樹パパもどんなに忙しくても一生懸命勉強を教えてくれた。東中も坊ちゃん嬢ちゃんが多かったけど、ここはダンチだね。」


麻王は、

「ケンカはダメだからな。」


「しないよ!しょせん、バイトなんて顔しょ!美緒姉はムリかなぁ~!」


「こら~!」


「そっか、二人の笑顔が見れてよかったよ。」


美緒と心海は笑顔で、

「ありがとう、麻王(兄)!」


白桜近くの駅前に着くと自転車に乗る麻王は、

「その二人の答えが一番うれしいよ。気を付けて帰れよ。」


麻王はそのまま自転車で走って行く。



美緒は、

「うん!…え?麻王、行っちゃったよ…」


「追いかけるの、美緒姉?」


「え、うん、ちょっと待ってよ、麻王~!キャッーホントに置いて行った~キャッー!」



登場人物の名前にすごく苦労しました…。

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