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体育祭午後➁…………スポーツ舐めているなあ…

●体育祭午後➁ 32話● 


白桜高校 総合体育館


心海は臀部から血が滴り落ちているボロボロになった体操服姿の麻王を見つけると、

「………麻王兄、血が。」


体育館倉庫から綱引き大会の綱を出している麻王は後ろ姿のまま、

「気にするな。妹を守るのが兄の役割だろ?」


「……でも…」


綱を体育館出入口に持って行く麻王は、

「フォルシオンの加護があればアルトメニアで追いつけるのはハリぐらいのいい走りだった。保健室に行くよ。」


「麻王兄、じゃあ私も!」


「生徒会観覧席のテントに朝に三人分作った弁当を美緒にも一つ持って行ってくれないか?」


「……でも…」


「将来、妻になるんだろ?おてんば娘は卒業する頃だな。美緒にもお弁当を頼むよ。」


「うん、…」


そう言うと綱を置き、麻王は歩いて行く。




保健室で麻王は一人自身の手当てをしている。彼はなぜか群れるのを極端に嫌う傾向がある。


しばらくして橘結衣と一緒に駿の妹の名古屋香織が保健室に来る。心海、美緒、愛枝、リサ、神子も入って来ると麻王はすでに保健室にいない。


保健室に落ちている血を見ると香織は、

「……麻王先輩。」


「香織って麻王兄を知っているの?」


「え、……ううん。」


結衣は、

「今はいいでしょ、心海?」




午後13時

白桜グラウンド

午後からは500Mリレーで始まる。

各クラス、部活、生徒会からそれぞれ各五名を選出し、基本一人100Mトーナメント形式で500Mリレーを競う。


このベスト6に入ったチームが続く1000Mに進出できる。


大本命は、生徒会の神薙青空、赤瀬愛枝、井上愛、橘碧、夏葉美緒。


続いて、

野球部の井上ハルト、山形先輩、名古屋駿、沖田、雅。


バスケ部の三明優也、牧野芯、伊藤先輩、上杉周と水戸(二名助っ人)


予想最下位は、風紀委員の橘結衣、名古屋香織、東神子(助っ人)の3名のみ。


風紀委員の結衣、香織、神子の三人が500Mを三人でどう走るかの配分に苦心して話している。



風紀委員の結衣たちに向かって心海は、

「スポーツ舐めているなあ~?一人は絶対に規定を超えて200Mを走らないといけないよね。全力で走ったら二試合目は走れないよ。」


結衣は、

「待ってよ、心海!夏休みから香織も東先輩も一緒に三人で毎日三キロ、応援に行った甲子園近くでも走っていたんだよ!」


香織と神子は、

「……結衣。」


「私は麻王兄と4歳から走り続けていたんだけど?」


「心海は先輩と一緒にいれて恵まれていただけでしょ?」


「そうだよ、でもそれが何?結衣や香織も父親が上級警察官の娘だって周りは引いているじゃん!虐めっ子の広美も結衣と香織にはおべっかして結衣や香織は調子に乗っているじゃん!」


結衣は、

「心海は一イジメにつき広美に焼きそばパンを買いに行かせているでしょう!」


心海は、

「広美という獣を躾てるんだよ、ちびっ子!」


結衣は、

「広美にお金払ってないから私が代わりに払っているんだよ!こ、この貧乳!」


「うっせー、麻王兄に世話になり過ぎて後ろめたいデカ尻奇乳のために払わせてやってんだよ!」


香織は、

「………………。」


神子は、

「…ははっ、何かふつうの中高生の会話じゃないね。香織も結衣も真面目に走っていたよ、心海ちゃん。」


心海はやれやれと言った感じで、

「ふ~ん、心海でいいよ、東先輩。陸上部に出るつもりだったけど、私も風紀委員の助っ人に入ってやる。」


大喜びの神子と香織は、

「ホントに!?いいでしょ、結衣?」


「……もちろんいいですけど、目的は、心海?」


結衣の言葉に心海は、

「父親やバカ碧のハズレガチャの力がないと何もできない結衣に用はないよ。」


結衣は、

「………ムカつく。」




心海は決勝まで残るなら四試合、決勝も含めると五試合は走らないといけない覚悟があるかを結衣、香織、神子の三人に聞くと、最低規定の一人50Mを結衣、香織、神子の三人で走るように言う。


残りの350Mを一人で走ると言う心海に結衣、香織、神子の三人は無茶だと言う。


心海は、

「この100団体の組み合わせを考えるのは生徒会長の青空君でしょ?私も風紀委員に参加すると青空君が知れば生徒会、野球部、バスケ部が当たらない様にするはずだからね。」


結衣は、

「つまり神薙会長を利用して、最後に私たちと対決するように仕向けるの?」


心海は、

「青空君も麻王兄もまだ全てを見せてないよ、結衣?」


「……何よ、それ?」


「東先輩はダッシュ申請して来る!」


心海の言葉に神子は、

「わ、わかりました。」


慌てて走って行く。


結衣と香織が麻王を探そうと、

「……じゃあ私たちも麻王先輩を探して…。」


心海は結衣と香織の前で初めて怒り始めると、

「探すな!安易に麻王兄に頼るな!」


「………………。」


心海は目に涙を溜めると、

「麻王兄は怪我をしている。助けて欲しいと言えば必ず助けに来る。安易に頼るな!」


「………………。」


結衣は、

「違うよ、心海。麻王先輩は救急車を呼んだりするのをきっと嫌がるでしょ?だからこの体育祭に来ている神薙総合病院の先生に診てもらおうと思って。」


心海が下を向きながら話す、

「麻王兄はきっと学校にはもういないよ。そういう権威や権力を嫌うから…」


心海の言葉に結衣と香織もうつむく。


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