準決勝 白桜vsあやと高校 弥生律
白桜メンバーのオーダーがワード編集確認後に何故かズレます。詳しい方がいれば教えてください。
●準決勝 白桜vsあやと高校 26話●
白桜vsあやと高校
甲子園 開始前
芯がグラウンドでキャッボールをしながらつぶやく、
「……まったく今年の一年は豊作かよ。」
芯からのボールをキャッチすると優也は、
「まさか青空と麻王の豪華客船に乗っただけのお前の事は含まれてないだろうな?」
山形は、
「攻守のバランスは今大会ナンバーワンのあやと高校。そして一年生本格派左腕エースで四番バッターの弥生律、左投左打。MAX148km/h。だが回転数の高いストレートとキレと変化がプロレベルのフォーク。ここまでの五試合で一失点、打率5割5分 3本塁打。覚えているか?」
芯は、
「……山形先輩って何気に頭いいですよね?」
芯の言葉に山形は、
「……勝っても負けてもこの夏休みで終わるしな。」
優也は、
「大学はどうするんすか?」
山形は、
「貧乏中小企業の息子がか?」
気まずそうに優也は、
「……あ、いや。センターに行きます。」
「いいんだよ、優也!先発、中継ぎ、クローザーの3人でキッチリと守って勝って来たチーム。この後の香明学園の凄さが目立つだけで今大会チーム打率は四割を超える好打者揃い。覚えたか?」
「…………。」
「青空や麻王に甲子園まで来させてもらい夢を実現してもらった。次は自分で勝ち取らないとな!」
芯は、
「山形先輩は強いですよね?」
ショートの駿に軽快にボールを投げると山形は、
「麻王や青空の下にお前たちが集まった理由が分かったよ!」
先ほどから緊張してカチコチの駿は、
「……はぁ、ヤバい…」
白桜vsあやと高校
1番センター 三明優也
2番サード 牧野芯
3番ピッチャー 夏葉麻王
4番キャッチャー神薙青空
5番セカンド 山形大士
6番ファースト 上杉周
7番レフト 水戸洋
8番ライト 橘碧
9番ショート 名古屋駿
キャプテン青空は、
「あやと高校はこれまでの白桜高校の試合を観て白桜の打線なら決勝のためにエース、弥生律は五回で温存するハズだ。白桜の力は本物だとこの試合で証明しようか?」
優也は、
「何で分かるんだよ?」
芯は、
「昨日の宿舎での青空のあやと高校攻略会議を聞いていたか?」
駿は、
「ピッチャー兼四番バッターの弥生律は相手チームが弱い打線の時はバッティングに集中するために多くても五回までしか投げないんだよ!」
優也は、
「だ、だよな~!」
芯と碧は、
「はぁ~。」
一回表
ピッチャー弥生律は優也と芯に決め球のフォークボールも使わないで軽々と三振。よく伸びるストレートと制球力を見せつける。
三番バッターの麻王が左ではなく右バッターボックスに入る。準々決勝で四打席三本塁打の麻王をかなり警戒している。ネクストバッターボックスに座っている青空は今大会5割5分 4本塁打。
左腕対策として右バッターボックスに入る麻王にピッチャーマウンドでロジンバッグをポンポンと手の甲でリフティングし余裕を見せる弥生律。
一球目外角低めでストライクを取る。
二球目、高めのボール。
三球目、もう一度ストライクギリギリの高めのボール。
四球目、140キロからのフォークが来た瞬間、麻王のバットが空を切ったかのように見えた後、麻王はファーストにゆっくり走り始める。甲子園のレフトスタンド上段まで運ぶ。
一塁側白桜ベンチ
呆然とハルトは、
「…………やっぱ麻王はスゲーよ…」
「甲子園レフトスタンド上段かよ……あの剛速球に合わせて早い目に振りに行ったのか…?」
芯の言葉に山形は、
「いや、四球目のフォークを振る時にヘッドが止まっていた………麻王はホンモノだな…」
碧は、
「いや、全然分かんないですけど?」
ホームベースで待つ青空は笑顔で、
「4本塁打。…もう並ばれたね。」
麻王はホームベースを踏むと、
「青空はアベレージヒッターだろ?」
ホームで青空とタッチをする。
そのままバッターボックスに入った青空はフォアボールの前の球をキレイに右に流すが五番バッター碧はピッチャーフライでチェンジ。
左投げの麻王の左軸足は非常にタメが深い。故にそこから撓り出るストレートも伸びる。
MAX152km/hのコーナーに丁寧に投げ分けるストレートにあやと高校の強力打線も沈黙する。
麻王はピッチャーマウンドでロジンバックをポンポンとしながら時折、混ぜて来るチェンジアップとブレーキの利いたドロップカーブにあやと高校の強力打線は更にバランスを崩す。
四回まであやと高校はノーヒットで迎えるが、点差は麻王の一点のみ。
四回表
先頭バッター、三番夏葉麻王。四番神薙青空が並び立つ。
麻王が右バッターボックスに入ると、先ほどと同様にあやと高校エースピッチャー弥生はロジンバッグをポンポンと叩く。
弥生律は左端プレートに立つとワインドアップから強烈なクロスファイアを投げる。電光掲示板に154km/hが計測され観客席からどよめきが起こる。
一塁側白桜ベンチで金属バットを持ってグラウンドに出た山形は、
「MAX148km/hはこの日の為のフェイクかよ!」
弥生律の三球目、左外角高めのストレートに麻王は左足をしっかり踏み込みながら今度はライナーで右ライトスタンドに入れる。
ネクストバッターサークルの青空が、
「折れたかな?」とつぶやくと、
五番バッターの山形は、
「……少なくともフェイク野郎の心を立て直すのは容易じゃないな。」
青空は、
「熱いですね?」
山形は、
「アイツの投球は相手を格下と見下した投げ方だ!絶対に許せねえ!」
続く青空のツーベースヒットに山形がヒットを打つとホームでクロスプレーになるが青空がキャッチャーをすり抜けてベースにタッチする。
二塁ベース上に山形は弥生律に向かって強くガッツポーズをする。
一塁側白桜ベンチ
優也は、
「山形先輩って熱いつうか攻撃的だよな?」
優也の言葉に芯は、
「俺には舐めたスローカーブでニヤニヤしやがって!下衆野郎だからいいんだよ!」
優也は、
「麻王もスローカーブ投げるぞ?」
碧は、
「麻王は見事なほどにコースギリギリだよ、優也。」
優也は、
「どっちもスローカーブだろ?」
芯と碧は、
「全然違うわ!」
スコアブックをつけている愛枝は、
「……勝てる…」
碧は、
「駿がエラーして負けるフラグが立つだろうが!」
駿は、
「ヤメろー!!!!!」
白桜三点目
六回表に白桜は二番バッターの芯からのヒットで二点追加をした五点差の時点で弥生律は降板するかと思われたがあやと高校の監督は続投させた。
八回裏
四番、今大会天才と呼ばれる弥生律は左バッターボックスに入る。麻王はピッチャーマウンドを慣らしている
一球目 外角低めにストライク。
二球目 同じ外角低めボール半分外側に続けてストライク。
三球目 高めにボール。
四球目 内角低めにボール一個半からスライダーでボールになる球をバットのヘッドが回って三振に終わる。
弥生律はバットを叩きつけようとしてそのまま三塁側あやとベンチに帰る。
キャッチャーマスクの青空は、
「あのコースからのキレのある内角にエグり込むスライダーに反応できるのか?」
見逃し三振ではない事に少し驚く青空。
続くバッターも二者連続三振。
九回表
麻王も青空も敬遠気味のフォアボール。だが続く5、6、7番は見事に三者三振を取ってガッツポーズをする弥生律。
山形はバットを振り上げるが俯いたまま戻って来る。
一塁側白桜ベンチ
水戸は、
「山形先輩は奥多摩リトルで全国的に超有名セカンドだったからな。」
芯は、
「…………奥多摩って……遠くね?」
芯の言葉に沖田は、
「俺ら二つ下からは雲の上の存在だよ。」
三振で戻って来た周は、
「香明にも誘われていたんだろうな。」
雅は、
「猛烈な誘いはこのあやと高校だったらしいよ。」
山形は、
「うるせぇよ!あんな下衆がいたらクソほど……お前たちと最後の夏でよかったよ。」
優也は、
「水戸、沖田、雅は留学するらしいすよ。」
水戸、沖田、雅は、
「優也~!」
山形は、
「皆を捨てて行くんだ!同時通訳できるまでは帰って来るなよ!」
「…………はい。」
芯は、
「山形先輩、男だー!」
九回裏
ピッチャーマウンドに行くと青空は、
「強いね、彼は。」
麻王は硬球を肘でポンと跳ねてキャッチすると、
「来年は凄いバッターかな。バスケとの兼ね合いよろしく、青空キャプテン。」
キャッチャーマスクを握っている青空は、
「ああ、もちろん!」
麻王は7、8、9番を無難に三振に取ってゲームセット。
二試合連続の完全試合。
セカンドから麻王の下に走って来ると山形は、
「二試合連続の完全試合かよ~!セカンドに飛んでこなくて良かったぁ~!やれやれだわ~!」
サードから来た芯は、
「男じゃねえ~!」
ショートの駿は、
「ホッ、飛んで来なくてよかった…」
麻王はピッチャーマウンドを降りると、
「山形先輩は必ず取ったよ。碧と駿が硬過ぎて必ずエラーをすると考えた青空の見事なリードに気付かなかったか?」
碧と駿は、
「……そうだったんだ…」
麻王が肩を叩くと、
「最高のリードだったよ、青空。」
「最近、柔らかくなったね、麻王。」
青空が茶化すと、
「おま、それ言う。」と優也が茶化す。
「そんな事よりいい加減にヒット打て!」
芯と山形に蹴られる優也。
礼をして麻王が一塁側白桜ベンチに戻って来ると愛枝と帽子を取り換える麻王は、
「やるよ。」
麻王の帽子を被ると愛枝は、
「ありがとう、麻王!イヤなヤツだったね?」
三塁側あやとベンチを見る麻王は、
「……いや、いいバッターになるよ。」
愛枝とリサは、
「へ?」
準決勝第二試合は
航空高校(大阪)vs香明学園(西東京)
は3対0で航空高校の勝利で終わった。




