表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/333

名古屋駿と井上ハルト………逃げるのはつまらない。

●二人の仲間 16話●


芯、碧、ハルトと名古屋駿、後は芯たちが怪我をさせたチンピラ5人が青空の父親が理事をする神薙総合医大で治療を受けている。


名古屋とハルトは精密検査を受けている。


麻王は中階層にある大きなテラスから遠くを眺めている。


しばらくして診察診断を終わらせた駿とハルトがやって来る。



遠くを見つめたままの麻王は、

「……どうだった。」


ハルトは、

「……末梢神経がどうこうの……麻王の言葉通りの診察結果だったよ。」


「完治までは通院とリハビリか?」


駿は、

「日帰りのオペをして……ああ、本当に完治するのかよ?信じられねえよ……でも、色々とすまなかった、麻王。」


麻王は、

「この世界の医学は素晴らしいな。俺は右腕に古傷があったんだ。だから野球は右から左にしたんだが四カ月前にある女性の父親と最近はその彼女に鍼と灸で治療してもらっていてな。今は右バッターボックスでも楽に打つことができる。お前たちもリハビリと並行して彼女の治療を受けないか?」


駿は、

「………麻王って何者なんだ…?」


「可愛い妹二人のために朝夕の新聞配達600軒を配る勤労学生だけど?集金込みで40万ってどうなんだ?」


駿は少し笑うと、

「麻王、俺の話を聞いてくれないか?」


「突然なんだ?配達の準備もあるから簡潔に話せよ。」


「ああ。」


ハルトは、

「俺の話もいいかな、麻王?」


「簡潔によろしく。」



名古屋駿は昨年の八月、まだ中学3年の時に東京に各年代のナンバーワンが集まる日本拳法の大会に参加した。


連戦で腰を傷め右の下肢に痛みと痺れが残り夜も眠れないほどの激痛が走った。


全幅の信頼を置いていた教師が実は自分の名誉や出世のために教え子を無理に試合に出した事をすぐ後で知り駿の心は荒んだ。そして学校に行かなくなった。その教師を今も許せないと。



ハルトは以前の学校の入学式で複数の女子生徒に殴られている女子を助けた後、その女子高生の男たちが金属バットやナイフを持って来、そのまま乱闘になった時に腕を刺されたということだった。

いじめられた本人は黙秘し学校は全責任をハルトに押し付けた所を姉の井上愛に頼まれた愛枝に救ってもらった。

姉と愛枝以外は二度と信じないと心に決めたと。



麻王は、

「……でももう逃げるのはつまらないだろ?お前たちの世界を変えるのはお前たち自身だ。」


二人の話を聞いていた麻王は立ち上がって柵の近くに向かう。


遠くを見つめる麻王は、

「この世界にも救いようのないヤツが一部はいる事を俺も知った。でも多くはそうではないと思っているよ……いや、少なくともおまえたちは裏切る側の人間じゃないな。」


ハルトと駿は、

「……麻王(夏葉)…」


駿は話を切り出す、

「……夏葉、おれはその後、情けないが荒れて、いわゆる最底辺の高校に行った。でも受けた恩は返したい。来年、もう一度受験をして麻王のいる白桜に来る。そして近いいつかお前に恩返しをしたい。」


名古屋の申し出を聞くと麻王は、

「来年、受験すると学年が一つ下になるが?」


「……それは弱かった自身への罰だと思っているよ…」


振り返ると麻王は、

「いや、俺が言いたいのはそうじゃないんだけどな。」


「……もしかして…妹を知っているのか?」


麻王はポケットから携帯を出すと、

「……ああ、理事長?携帯電話?今、そんな事はいいでしょ。それよりも中間考査は舐めた事をしてくれましたね。……ええ、代わりに白桜高校に来たい生徒を…名古屋香織の妹ですよ…ハハ、もちろん黙ってますよ。じゃあ明日から……駿、後はお前次第だ。」


麻王は携帯を切るとそのまま歩いて行く。


駿は、

「……何者なんだ…?」


ハルトは、

「俺も白桜に来たばかりだからよくわかんねぇ。ただ…」


「……ただ?」


ハルトは、

「白桜に双子の姉がいるんだが、天然っうか異性に全く鈍感だったんだ。だが今は麻王にベタ惚れよ。」


駿は、

「…そうか…さっき夏葉が言っていた…俺の妹も白桜の、今は中等部でな。」


「マジかよ?」


「ああ、…なんか夏葉と知り合いって言うか、惚れてるんじゃないかって……二人が麻王を好きになったらどうなるんだろうな?」


ハルトは、

「いやぁ、先ず、姉貴だろ?姉の親友の愛枝。その愛枝や姉と同じ生徒会の神子、さっきいた碧の妹、麻王の親戚らしい美緒…」


「……マジか?めちゃくちゃモテるのな。まぁ、夏葉ってハンサムだしな。」


ハルトは、

「いやいや、顔なら俺たちも上の上で負けてないだろう?」


「……あのもの哀しい背中か?いや、スポーツができるとか?」


「それは抜群だけど…駿の妹の好みは?」


「香織か?そうだなぁ、…丸坊主の田中っていただろ?」


「ああ、駿の舎弟のな。」


駿は、

「そう、あれと真逆な男だな。気持ち悪くない→清潔感だろ?後はハンサム、…そう!ひたむきな男だ!新聞配達600軒の男!」


「姉貴の愛は、…天然の自分を目覚めさせてくれる男かな?」


「ぜんぜんわかんねぇけど、夏葉はそれだとわかるな。……まぁ、夏葉なら結婚しても祝えるけど、失恋するのが夏葉なら妹は立ち直れないかもな…」


笑いだすとハルトは、

「それな!その後に糞な男を連れて来たらこっちまで超落胆するわ!……身内びいきじゃないがいい女だと思う。でも、天然地雷っうか、麻王以外の男とは無理っぽいんだよなぁ…」


「ウチの香織もだなぁ…こう、意志は強くて根っこがあるんだが、軽っぽい一面も強いというか…」


ハルトは、

「被ったらどうする?」


駿は、

「香織はしっかりしてそうで最終的に軽そうな男を連れて来るような気がするんだよなぁ。」


ハルトは、

「愛は外見に関心がないからキモ豚野郎かもしんねえ…ソッコーどつき回しそうだわ。二人とももらってもらうか?」


「バカな男で泣くぐらいならその方が遥かにマシだな。」


「俺もまだ麻王のことはよくわからないから観察だな。」


「だな。」





名古屋駿は次の日から白桜高等部スポーツ科に来た。

名古屋駿の身元は同じ白桜の中等部3年の妹名古屋香織の経歴書からも彼の父が現役警察官であり彼らの祖父が日本有数のゲームソフト会社の社長ということからも即座に快諾を得た。


但し理事長から麻王が生徒会に入ることが名古屋駿編入の条件だった。


生徒会長  神薙青空

副会長(男) 東神子(空白のまま現在も仮)

副会長(女) 赤瀬愛枝

会計監査  橘碧

会計 井上愛

書記    夏葉美緒

雑用    夏葉麻王



名古屋駿と井上ハルトはスポーツ科で休み時間も勉強をしている。

普通科から美緒も来てくれ休み時間毎に愛と愛枝も加わって三人で勉強を教えている。

昼は体育館で神子が二人の治療をしてくれている。



白桜 食堂


駿とハルトが走って来ると、

「麻王!」


一人素うどんを食べていた麻王は、

「なんだ?」


「リハビリも兼ねて俺たちも麻王と野球やバスケをしたいんだ!」


ポケットからクシャクシャの用紙を出すと麻王は、

「芯や碧たちと喧嘩するなよ。」


「もちろん!」


クシャクシャになった用紙を伸ばすと麻王は、

「ここに名前を書けば即部員だ。後、二人とも勉強はおろそかにするなよ。」


駿から書き始めると、

「……が、頑張るよ!」


「健康はお金で買えない。オーバーワークは絶対にするなよ。後、妹や姉弟に迷惑を掛けるなよ。申請書は今から出して来るよ。」


麻王は、申請書と素うどんの丼を持って歩いて行く。



駿は、

「……何で麻王は妹を知っているんだ?」


ハルトは、

「麻王はモテるからな~やっぱり駿の妹もフラれたんじゃね?」


「お前の双子の姉の愛と一緒にすんなっうの!」


「愛はかなりモテるぞ?………麻王は歯牙にもかけてないけどな。」


駿は、

「まあ、男の俺たちから見てもカッコいいしな。」


「でも、やっぱ複雑だな。」


「ああ。」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ