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六月二番目のイベントは?➁ 屋上の約束…

●六月二番目のイベントは?➁ 二回戦 第一試合開始 14話● 



【昼休憩後 バスケットボール 二回戦 第二試合 予定】


第一試合 

普通科3G vs普通科橘結衣がいる3E+麻王


第二試合

普通科3D vs普通科3C


決勝 

第一試合勝者vs第二試合




昼休み

生徒会室

出入口入って左側のソファに白桜ブレザー姿の美緒、愛、愛枝が、右側のソファに神子が座っている。


神子は、

「会長、昼から予定している第一試合の3Gvs3Eと第二試合の3Dvs3Cの試合の助っ人の割り振りをどうしますか?」


生徒会長席の白桜ジャージ姿の青空は、

「伊藤先輩が3Dを頼むってバイトに行ったから、⒊Cの心海とか…」


愛枝は、

「な、何よ!」


生徒会長席から立つと青空は、

「僕もきっと心海も麻王と戦いたかったんだよね。ま、球技大会自体は成功だし、後は君たちに任せるよ。」


青空は生徒会室から出て行く。


美緒は、

「愛って女子バスケ部だよね?麻王の性格からして中等部3Eは離れないと思うんだけど、その場に3Eと競る3Gの助っ人メンバーは?」


愛は、

「……私は水泳部がメインだから…でも、夏葉君は信じられないほど上手いよ。」


神子は、

「青空君がユーブロードに新宿東中学vs三条北山の試合をupしてるけど、7000万再生ぐらいいってるよ。」


愛枝は、

「ホントに!見る、見る!」


美緒は、

「すっごい収入じゃないの?」


スマホを見ている愛枝は、

「アイツ、神薙総合財閥の御曹司様だよ?1900万なんてアイツにとって1円未満だよ。」


愛、神子、美緒は、

「……1円未満…」


愛枝は、

「キャッーやっぱ麻王、凄すぎー!!!!! 空中で動いてるよー!!!!!!」


自身のスマホで見ると愛は、

「……凄い…凄すぎるけど、今の夏葉君はこんな粗くないよ…」


スマホで見ている美緒と愛枝は、

「……そうなの…?」


神子は、

「私は運動神経0だからよくわからないけど、波止場から20Mは流されていた私のところまで飛び込んで1秒ぐらいだったよ。」


美緒と愛枝は、

「……そうなの…?」


愛は、

「……ハルトも運動神経抜群だけど、碧君たちと仲悪そうだったし…夏葉君なら…」


愛枝は、

「麻王とハルトは上手くいくでしょ。問題なのはアホの碧たちでしょ。」


神子は、

「……アホって…私は小等部途中からだけど愛枝と碧君はずっとライバルだったし…」


メモ書きを始めると愛枝は、

「もう発表時間でしょ?じゃあ、こんな感じで~!」




【昼休憩後 バスケットボール 二回戦 第二試合 予定】


第一試合 

普通科3G助っ人の牧野芯、上杉周、橘碧、井上ハルト、赤瀬愛枝、井上愛、夏葉美緒vs普通科3E+夏葉麻王



第二試合

普通科3D助っ人の神薙青空vs普通科3C夏葉心海


決勝 

第一試合勝者vs第二試合




体育館前の掲示板を見ている碧は、

「……なんで…俺は結衣のいる3Eに行くんだ~!」


芯は、

「まぁ、そんなもんか…」


洒落たショートヘアの白桜ジャージ姿の井上ハルトが歩いて来ると、

「……へー、ま、生徒会の愛と愛枝が決めたんなら従いますか…」


身長172の碧は、

「小さいの~ハルトちゃん!」


身長170のハルトはニヤっと、

「テメーより顔はいいぜ。」


碧は、

「んだと、コイツ!」


カバンを持った白桜ブレザー姿の身長185の伊藤が歩いて来ると、

「ケンカするなって!どっちもハンサムじゃねえか。」


芯と優也は、

「……帰るんすか?」


「もう青空に言ったけど?バイトがあるから俺は帰るよ。生徒会選挙はウケたよなぁ。」


碧は、

「伊藤さん、麻王って強いんすか?」


「ハァ?橘、おまえ、麻王に挑むつもりか?」


碧は、

「……いやぁ、そうじゃないすけど…」


「……生徒会選挙の後に麻王に絡んだ三年の輩数人は消えたらしいけど?くわばら、くわばら、じゃあな。」


伊藤は校門に歩いて行く。


周は碧に、

「知り合いか?」


「……伊藤さんは中等部から秀才で有名だよ。」


優也は、

「……伊藤先輩って男前だよなぁ…」





白桜高校 総合体育館


ジャージ姿の麻王は3Eの生徒たちに、

「スタミナを考えるとみんなはなるべく決められたポジションでスペースをつくる努力だけに集中していていいから。結衣は常にゴール前に。」


女子たちは、

「さっきの試合も夏葉先輩は結衣ばかりにアドバイスしてないですか!」


「結衣だけにフルタイム出場しろと言ったのはお前たちじゃないのか?バスケットボールの過酷さを知って結衣にそう言ったのか?むしろ俺はお前たちの指示に従っているつもりだが?」


ベンチにいる生徒たちも全員しょんぼりすると、

「………すみませんでした。」


麻王は、

「観覧席を見ろ。昼からのこの試合に1800人は観ている。」


と麻王が言うと3E全員が意識して凍り付く。


「逆に考えてみろ。こんな機会は人生でそうはないチャンスだと思わないのか。楽しまないと一生後悔するぞ。緊張するなら俺のパスだけを受け取る事を考えろ。」


麻王がそう言うと”そう、チャンスだ。先輩にだけついて行きます!”3E、全体が盛り上がる。



3G(助っ人、芯、周、碧、ハルト)vs3E(麻王)


二回戦、第一試合が開始される。



麻王はパス回しに徹する。


バスケ選手として麻王がズバ抜けている能力の1つに身体の前からも後ろからも横からも手首のスナップで直線状or放射線状に自由に出すことができる手首の強さと身体の柔軟さ、ボディバランスそして抜群の器用さがある。


麻王が敵チームを引き付ける。それがコート上のどんな位置や姿勢でも3Eの4人に的確にパスが出る。


コートやベンチにいるE組もG組も観覧席の大勢の生徒たちもそのパスに魅了される。



芯がいつもの調子なら麻王がバスケ素人の中学生に出す易しいパスの位置を予測し容易にカットしているがコートにいる井上ハルトが一回戦同様コート上で全く動かない。



ジャージ姿の碧は、

「あんにゃろー、ぶん殴ってやる!」


3Gベンチにいる周は、

「ヤメろ!妹の結衣が必死に走っているぞ、碧!」


「クソッ!」


不誠実なプレーに芯と碧の怒りが収まらない。



3Gベンチにいる愛枝は、

「ハルトを下げて、周が入って! 3Gの全員、出るよ、男子も女子も入れ替わって!」


周は、

「よし!」


3Gの生徒たちは、

「はい!」



それでも野球部の一万回キャッチングをこなした本来、努力の秀才の周が麻王たちと出逢って開花している今、中等部生たちと伴にいいプレーをしている。


ただ、レイアップを麻王からキッチリ教わっている中等部3Eの生徒は1回戦からの慣れで麻王から受け取ったパスを2回に1回は確実に入れて来る。


そして麻王のパスは試合中にその中等部の生徒たちに練習をさせるほど正確無比の位置に飛んで来る。



第3クオーター終了 3G68点vs3E48点


疲れ切っている結衣が3Eベンチに戻る姿にコート上の碧は、

「結衣!」


「……お兄ちゃん…?」


結衣の両肩を持つと碧は、

「もう休め、結衣!おまえは普段から運動も碌にしてないんだ!」


虚ろな目で結衣は、

「……今のままじゃあまた孤立してお兄ちゃんに迷惑を掛ける…」


涙が止まらない碧は、

「いいんだ、いいんだよ、結衣!お兄ちゃんが夏葉に言って来てやる!」


「絶対にヤメて!…麻王先輩は疲れ切っていたのに私が頼んだら快く引き受けてくれたの!」


「……なんでそこまで…」


「風紀委員をして私は孤立した…。麻王先輩は裁くだけでは人はついて来ないって!だから私もクラスに貢献する。」


「……結衣…」


「休み時間も教室でずっと一人なんだよ…このままずっと一人は嫌だよ…」


「……結衣……手加減はしないぞ…」


「受けて立ちます。」




その差が第4クオータまで麻王を除けば運動能力の高い高校生対平凡以下の中学生という圧倒的地力差があるE組に芯や碧たちは20点差しかつけられていない現状。


この点差は本来なら3Eの負けで終わっているがG組には無動のハルト。E組にはまだあくまでもパスしか出していない麻王がいる。



第4クオータ開始前


3Gベンチ


周は碧に、

「ダメだ!これはおまえと妹との個人的な試合じゃない。麻王が3Eの後輩たちに大切なことを伝えようとしているように俺たちも3Gの後輩たちにすべきことがあるんじゃないか?」


芯は、

「確かに。別に麻王は結衣だけを優遇している訳じゃないもんな…」


周は、

「3Gの生徒たちも疲れ切っている。芯、碧、ハルトはアウト。代わりに愛枝、美緒、愛がインだ。守り抜くぞ!」


愛は、

「任せて!」


愛枝は、

「麻王は後輩君たちにパスだけなのにフェアじゃないもんね。」


美緒は、

「愛枝が決めたんでしょう!」


「なによ!」


「そっちこそなによ!」


周は、

「ハァ~!」


周は芯、碧、ハルトをベンチから外す。代わりに愛枝、美緒、愛に入ってもらい20点差を堅実に守りに来た。


麻王は結衣を見ると、

「結衣の体力は限界に近い。結衣の体力が持つかが勝負だな。ゴール前で両手シュートをする事の繰り返しのせいで両手が痙攣し始めている。」


E組のクラスメイトたちがよくやったよ、結衣。もういいよ。と結衣を止め始める。


麻王は、

「ダメだ。この無茶な命令をしたのはお前たちだ。結衣に止めろと言うのは結衣への優しさではなくお前たち自身の弱さであり、保身だ。それにお前たちが言い出したワガママを最後までやり通したいと結衣は俺に頼んだ。結衣の痙攣の原因はお前たちがつくったんだ。結衣をいたぶって楽しむなら最後までやれ。彼女の腕が一生動かなくなったら、勿論、お前たちが一生面倒を見るんだろ?」

麻王の胸をえぐるような言葉に、

「……結衣、本当にごめんね。」


一人の女子が言葉を発すると他の女子たちも、

「ごめん、結衣。」


3Eの女子たちは泣き始める。


結衣は、

「ありがとう!私は最後までやるよ。まだもう一試合残っているし。」と笑顔を見せる。


E組全体が麻王に頼み込む。


麻王は上を向くとため息をする。クラス全員が麻王の返事に緊張する。



「今から10分間、氷水で結衣の左右の上肢を冷やせ。結衣は絶対に手を動かさず、力も入れず下げておけ。残り5分前になったら全員の手で結衣の上肢全てを温めておけよ。クラスで一番体力の残っている4人だけ俺について来い。」


全員が笑顔になって、

「はい!」

と声を揃える。



立ち上がると麻王は、

「芯、かかって来い!」


3Gベンチの芯は、

「おうよ、麻王!」


周がやれやれという感じで、

「俺と芯はコートに入るぞ!Gクラスの生徒たちは残り時間最高の試合を観ておけよ!」


周の言葉にGクラス中等部生たちは笑顔を見せる。


「はい!」



麻王は一人で超積極的に3Gエリアに切り込んでいく。麻王が中に切り込もうとすると芯、周、愛枝と愛の4人が麻王のブロックに入る。


麻王は即座に右から左、即右に切り返すと芯、周、愛枝と愛の4人はその場に尻もちをつく。


愛は、

「……4人の重心移動が崩れるなんて…」


笑いながらすぐに立ち上がると芯は、

「もう1年前と別人だぜ!」


座ったままの愛枝は、

「……腰が抜けたみたい…ヤバ…」



再び麻王がゴール前に切り込もうとすると既に一人戻って来た芯がスリーポイントライン手前でブロック体制に入る。


麻王はフロントチェンジとバックチェンジで芯の重心を崩すと芯は、

「……クッ、もうアンクルブレイクは喰らわないねえ!」


瞬時に麻王はゴールに背を向け、ノールックのまま”ヒョイ”と高いループを投げるとボールはスリーポイントライン手前からスッとゴールリンクに入る。


ただただ呆然と芯は、

「…スリーかよ……NBAでも観たことねぇよ…」


「え?背面でボールって入るものなの?」呆然とする愛枝と、


「近くならね。でも、スリーポイントライン手前からのバックショットなんて見たことないよ~!」


驚愕する愛の言葉に周は、

「やっぱり麻王は野球だけじゃなくバスケも天才だな!」


観覧席の生徒たちは一瞬の静寂の後、大歓声と大歓喜で体育館が響く。


同点で残り1分。それぞれが選手交代。3Eは同級生→結衣、3Gは赤瀬愛枝→井上ハルト。



ハルトは、

「アイツは俺が止める!!!!」


周は、

「達人と呼ばれる武道家は間の取り方が非常に上手いしな。だろ、芯?」


「…チッ!」


芯はその事を理解しているのでハルトを止めない。


碧は、

「麻王がバケモノなのはさっきのワンプレーで理解した。でも3Eの高等部の助っ人は麻王一人だ!」


3Gボールで井上愛から芯へのパスを味方のハルトが奪って走ろうとした瞬間、麻王が素早くカットする。



麻王は、

「結衣、屋上の約束だ!」


麻王が結衣を見ながら走り叫ぶと、


芯、愛、周、美緒そしてハルトの全員が麻王に追いつくと麻王はアンクルブレイクで芯、愛、周、美緒そして最後のハルトには立ち位置ゼロから初速トップスピード、そしてまたゼロにした瞬間、腰をついて倒れたハルトは麻王の神技の前にすぐに立てない。


麻王は左手のバックパスを自身の右肘に当てると、ボールは結衣のいるコート左前方に向けて飛んで行く。


芯が素早く右スリーポイントラインから反対側にいる結衣へ。


ボールが自然に”スッ”と手に収まった結衣はそのまま初のワンハンドでゴールに向かって投げる。


芯は経験値から入らないと直感した時、結衣のボールを麻王が空中で受け取りそのままゴールリングへねじ込む。


総合体育館全体が静まり返ると中等部500人と観客1500人からスタンディングオベーションが起こる。



ガックリと芯は、

「……予測の更に予測のアーリーウープかよ~。」


愕然とする芯の右肩を握ると周は、

「いや、芯、麻王は常に全ての最善を考えているぞ?」


「…全ての?」


「ああ、ここにいる1500人が喜ぶ事もな。そして結衣を信じた。」


愛枝は、

「……あんな優しいパスを投げられたら私でもできるよ~!」



息一つ切らさずに麻王は、

「よくワンハンドで投げたな。結衣の度胸の勝利だ。」


3Eクラスの女子たちが結衣に抱きつくと我に返った結衣の涙が止まらない。


結衣が麻王にお礼を言おうとした時、麻王はもういない。


体育館から出て行く麻王を心海と青空が体育館二階で見ている。


涙目の心海が呟くように、

「……麻王兄はマナや魔力がなくてもやっぱりクラスSだ。でも…青空君、どうする?」


「麻王はもう出ないしね。それに優也との試合の最後のスリーの時に足首を傷めているだろ?」


「バレバレ?さすがだね。」


「生徒会の仕事があるから行くよ。ああ、きっと表で麻王が待っているから神薙総合医大に行けば?予約は取っておいてから。」


そう言うと青空は体育館から出て行く。


心海は、

「……クラスAの最高がハリだったけど…ヤバ、麻王兄が待っている!」


心海も体育館から出て行く。



ジャージ姿の心海が体育館から出ると体育館前に麻王が白桜制服に着替え終わって自転車に乗っている。


「……二人乗り?」


スタンドを立てると麻王は、

「妹の緊急事態だからな。石膏で固めて松葉杖、三日コースだな。」


「えぇぇぇぇぇ~!」


心海を抱き上げると、

「今日はこのまま帰るから美緒に制服と鞄を持って来るようにメールしろよ。」


「……麻王兄は疲れているのに……ごめんね。」


自転車の荷台に心海を載せると、

「妹って言うのは兄に甘えまくっていいんだよ。しっかりつかまっとけよ。」


「うん、……美緒姉がヤキモチを焼くよ?」


自身の白桜ブレザーを心海に掛けると、

「なんの話だ?」


「ありがとう……ちょっと今から驚くからごめんね、麻王兄…えぇぇぇぇぇ~!?」


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