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生徒会選挙 前編

●生徒会選挙 11話●


白桜 食堂

野球部の強豪校との練習試合が決まって優也は興奮気味に、

「青空、麻王はMAX何キロ出てるんだ。」


「154前後だね。速さより麻王がいいのはSpin Rate、つまり回転数だよ。同じ高校生なら甲子園レベルでも麻王の135でさえ打てないだろうね。バスケでは全国が当たり前だったけど野球で大舞台は生まれて初めてだろ。真剣に甲子園を意識した練習をした方がいい。後は全体的に底上げが必要だな。」


青空は嬉しそうに教室で話し続ける。



芯は、

「……でもバスケはどうするんだよ。甲子園もつまり野球の国体だろ。」


「確かに芯の言う通り。練習試合で麻王と僕がバッテリーを組んでいる時はいいけどバスケのインターハイがね。僕がインターハイに行っている時はキャッチャーが必要だな。周に一ヶ月間1万球をピッチングマシーンでキャッチしてもらおう。」


青空がニコッと笑うと優也と芯は、

「……マジだ。しかも半分の二週間で周に習得させるつもりだ。」


真剣な表情で青空は、

「その期間は麻王も周もバイトは休んでもらわないとな。」


芯は、

「周はともかく麻王のバイトの根源は人が喜ぶ的な何かだぞ?絶対に休まないって。」


青空はクスクス笑いながら芯を見つめて。


「人が喜ぶ的な何かって漠然としているぞ、芯。」


芯は最も悔しい事をサラリと言われて、

「うるせぇよ!」


「でも、いい所を突いているぞ、芯。麻王は今、赤瀬に週一回ゴルフを教えている。先ず赤瀬には野球部のマネジャーになってもらおう。赤瀬が身近にいるとゴルフのバイトも続けられるしね。他の効率がいいバイトか…。」


意外と難しいものだなと考える青空。


優也は、

「二人とも絶対に認めないだろうがそもそも青空が中間考査で麻王に負けてやれば良かったんじゃないか。そこまでして通す信念か?」


優也が頑固な青空に少し不満を漏らす。



青空は、

「麻王は中間考査で僕に負けていないよ。」


青空は真顔で答える。



芯は、

「……だって999で一点差で負けていただろ。」


「あれは理事長のつまらない策謀であり麻王への期待だよ。この前、麻王が芝原先生のバイクを拝借したせいで僕の運転手さんが今も芝原先生を一ヶ月送り迎えしているだろ。その時に運転手に愚痴をこぼしていてね。現代文の記述解答を一問△にしたらしいんだ。難癖の三角マイナス1点を付けるのにすごく苦労したらしいよ。ま、理事長には次はないと釘を刺しておいたけどね。」


高笑いをする青空に芯と優也の二人は”こいつが一番こえー”と身震いする。



「残りの問題は生徒会選挙だね。」


真剣に話す青空に芯と優也はさすがに時間的に無理だと青空を止める。


「いや、白桜は高等部に約1500名の生徒がいる。二人ともこの新刊された白桜春秋のリストを見ろ。」


リストを広げると青空は、

「クラスメイトの井上愛の双子の弟の井上ハルト、先日、麻王が助けた橘結衣の兄で僕たちと同じ一年の橘碧(へき)。この井上ハルトは前の高校で入学後すぐに問題を起こして高等部から編入して白桜へ。橘碧は芯と並ぶ居合道部と剣道部のエース。他にもいい人材がいるかも知れない。」


優也がイラつきながら、

「でもそれと生徒会選挙に青空が出ることに何の関係があるんだよ?」


「今回の生徒会選挙は、現段階の予想では現三年会長の睦月弥生を破ろうと一年の赤瀬、応援演説に井上愛。橘碧には中等部風紀委員の橘結衣が来るんじゃないかな。明日の立候補リストを見るまでは何も言えないけどね。」


優也は、

「待てよ、青空。青空が選挙に出るのに俺たちは賛成だ。でも今回だけは生徒会の権限を利用しての勧誘には反対するぜ。」


優也に言われると青空は目を閉じて、

「少しらしくなかったな。余裕だけど正々堂々と公式戦前に生徒会選挙に勝とうか。」


優也は、

「……スゲー自信家。」


優也の言葉に芯は、

「優也、神薙財閥の御曹司はスゲー努力家でもあるんだぞ?」


「知っているよ。」


芯は、

「……でもよ、現生徒会長の睦月弥生の支持率はすごいぞ。」


優也は、

「あの超美人か?時々、この食堂に来るよな…」


青空は、

「見回りだよ。」


芯と優也は、

「見回り?」


「ああ、白桜生徒会長はこの白桜高校校内で絶対的な力を持つ。白桜には半グレグループにも所属している二世や三世も多い。」


芯は、

「……睦月会長が取り締まっているのか…」


青空は、

「いや、即証拠を突き付けて退学処分だよ。」


優也は、

「……証拠って…」


「詳しくは僕にもわからないがこの白桜に探偵的な組織があるのかもしれないな。」


芯は、

「それでその女帝にどうやって勝つんだよ。」


ニコッと青空は、

「それはね…」



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