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野球体育祭①

●野球体育祭① 109話●


土曜日

中間考査後、中高等部(計、約3000名)で各クラス、部活(文化部、運動部)、風紀委員、生徒会に分かれて土日祝の三日間に渡って体育祭が行われる。今年は球技大会も長距離走に代わり、保護者のリクエストの多さから今回は野球のみの体育祭に変更された。


【午前】

野球

【午後】

野球


※一般の父兄や家族以外も参加可能。


白桜 食堂

芯、碧、優也たちが興奮気味に

「麻王、野球で勝負しようぜ!」


麻王は、

「経験がない者には苦痛でしかないぞ。それに軟式野球でも危険じゃあないのか?誰の案だ?」


碧は、

「生徒会って実質、麻王と青空だけだぞ?」


「なら、青空がお前たちの希望を組んでくれたのかもな。それぞれ違うチームに入って競い合えば?但し、未経験者にも楽しめるようにしろよ。」


ラップトップを持って麻王は行ってしまう。



呆然と優也は、

「……サラッと流されたな。」


周は、

「バーカ、始球式だから公式記録にならなかっただけで107マイル投げる男に地方予選三回戦レベル未満のお前たちが何、言ってんだ?」


芯は、

「……まあ、確かにな。」


ハルトは、

「麻王はそういうことを言ってるんじゃないと思うぞ、周?」


「わかってるよ。ただ帰宅部に何を言っても苦痛しかないって…」


ハルトは、

「そうか?昼休みのグラウンドで草野球は面白いだろ?」


突然、碧は、

「おまえも元帰宅部の陰キャだったろうが、周!そんなおまえに手を差し伸べてくれたのが麻王じゃなかったのか?」


「な、なんだよ、突然…」


「妹の結衣も半引きこもりだったが麻王が手を差し伸べてくれて今は楽しそうに毎日、学校に来ている。おまえみたいな馬鹿がいるから虐めとかがなくならねぇんだよ。」


周は、

「……どんな理屈だよ…」


芯は、

「まぁ、麻王は変わらないよなぁ…周、俺たちは麻王と出逢えてラッキーだったんだよ。それを忘れたら碧の言う通りだぞ。」


「……わかってるよ…」




生徒会室に向かう麻王に心海と弓が東中制服の生徒たちと走って来る。


「麻王兄~!」


立ち止まり振り返ると麻王は、

「……野球チームか?」


「うん!」


「………その制服は…後ろの三人は東中時代の心海の後輩か?」

「陸上部の(たき)(とおる)です、夏葉先輩!」

「同じく陸上部の大川(おおかわ)(くず)()ですよ~先輩~!」

「甲子園、感動しました!篠原(しのはら)(あん)です~!」


「三人の顔は覚えているよ。心海と仲良くしてくれてありがとうな。」



トオル、楠葉、杏は少し呆気に取られた後、

「………私たちを…覚えている…………はい!」


心海は、

「そうそう!私たちはこのメンバーで午前中の登録をしようよ~!」


麻王は、

「美緒たちも来るかもな。滝はハンサムだな。心海狙いか?」


照れながら滝は、

「いえいえ、僕なんて…心海先輩は僕の憧れですよ!」


麻王は、

「これからは年下彼氏の時代か。料理はできないがヨロシク、滝。」


心海は、

「麻王兄!」


麻王は、

「登録には最低9人必要らしいぞ。」



「麻王先輩~!」結衣、香織、ひかりの三人が走って来る。



「後は、美緒たちも入れたら軽く9人以上になるな。俺は行くよ。トオル、楠葉、杏は来年、白桜高校に来るんだろ。頑張れよ。」


麻王は歩いて行ってしまう。


「はい、絶対に来ます!」


弓は、

「…………ひかりが来たからじゃあない?」


ひかりは、

「こら、弓!」


呆然とひかりを見つめる滝は、

「………ひかりさん……お美しい先輩ですね?滝トオルと言います。以後、お見知りおきを。」


「こんにち……誰、このナンパ少年?」


弓は、

「私と心海の東中時代の後輩だよ。私を上回る軽さでしょ?」


「…………。」


結衣は、

「本来は白桜中等部招待だもんね。」


「巨乳…いえいえ、スタイル抜群のお姉さんですね、滝トオルと言います。以後、お見知りおきを。」

「…………。」



槍塚高校の生徒4人が白桜高校に入って来る。

「ふ~ん、私たちの吐き溜めの集まりの槍塚と違っていい高校だよねぇ、京悟?」

「だよな、ルミ。ヒュー、いい女一杯~!」

「で、タツキ、井上クリニックの娘は?」

「急ぐなって、雷太。ハンティングするのが楽しいんだろ?めちゃくちゃに犯してして犯しまくって俺の女にしてやるもんね!」


ルミと呼ばれる女は、

「歌舞伎町でヤクザと争っていたドラゴンヘッドを潰したのが神薙青空って男らしいよ。」


日焼けした筋肉質な雷太は、

「甲子園に出ていた白桜高校のキャッチャーだな。細身の175ぐらいだろ?俺でも叩き殺すことができるのは20人前後だぞ?眉唾だって。」


パーカーを来た長身細見の京悟は、

「ヒュー、構成員300人のドラゴンヘッドをな。」


スウェットから虎のタトゥーが見えるタツキは、

「おかげさまで歌舞伎町は今や、戦国時代だもんね!」


ルミは、

「標的は井上愛。でも事前調査で赤瀬愛枝って女も常に一緒と判っている。捕まえても井上愛の父親に連絡するまでは手を出すんじゃないよ。」


京悟は、

「連絡した後はどうすんだ?」


「ソッコーレイプしていいよ。父親は私が殺すからさ。」




【白桜&新宿東合同チーム】


一番センター 九条弓

二番ショート   名古屋香織

三番セカンド   上杉ひかり

四番ピッチャー 夏葉心海

五番サード    大川楠葉

六番ファースト 篠原杏

七番ライト 橘結衣

八番レフト 東神子

九番キャッチャー滝トオル



体育館横に建てられた申請所に他校の学生たちも集まって長蛇の列になっている。




申請所から走って来ると滝は、

「申請して来ました~!二日半で40チーム以上の激戦ですって!いやあ、それにしても神子さんが来てくださって助かりましたよ~!僕と付き合ってください!」


神子は、

「…え?ジョークだよね?ごめんね、私、そう言う返しできなくて…」


滝は、

「マジですよ~!僕、年上女性ラブなんです~!」


「…………。」


心海は、

「私のこの黄金の左腕に火がつくのは午後からか~!」


弓は、

「火が吹くじゃないの?……それよりも心海、グローブは?」


心海は

「……麻王兄に貸してもらうつもりだったけどいなくなったし……結衣や香織のお兄ちゃんに頼んでよ~。」

香織は、

「決勝まで行くつもり、心海?」


「もち!」


結衣は、

「ならお兄ちゃんたちも決勝まで来ると思うけど?貸してくれるかな~?」


ひかりは、

「くれないと思うけど野球部の更衣室に行く?」


心海は、

「う~ん、愛枝姉なら野球部の部長だし……気前もいいし。」

(くず)()は、

「心海先輩、家のパパはおもちゃメーカーの社長だし買ってもらいますか?」


「麻王兄はそう言うのに厳しいし、そう言うのはよくないと思うよ、楠葉?やっぱり美緒姉や愛枝姉に聞きに行こうよ!」


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