エピローグ。
「夢の終わり銀河」から派生した開拓先。新銀河。
その名を「電気がいっぱい銀河」。
「悪夢みたいな名前だ」
「・・・ひどくないですか・・・?」
パンタロン王はヨッチャム女王にわずかばかりの抵抗を示した。
「パンタロン銀河とかで良かったような気もしますね」
「はい」
臣下タンカーと臣下ビリオンも好き勝手なことを言っている。
「我々の遺伝子情報を受け継いだ子供らを考えろ。一生この銀河の名前がついて回るのだぞ」
「・・・良いことじゃないですか。新しい敵に勝った証だし!」
ちなみにパンタロンは、ヨッチャム以下数万の人間と遺伝子交配を行い、数十万人の子供を作っている。その中にはタンカーやビリオンの名前もある。
「私はあなたの味方ですよ」
「・・・・・・」
暖かな家庭の中に、デカいロボットが一台。エンペラーという名前で過去には最前線で戦っていたのだが、今は王と共に予備兵器として扱われている。
つまり、エンペラーが居る限りは、パンタロンはいつでも前線に呼び戻される可能性がある。
「スピリアだけはおれの味方だよな・・・」
同じエンペラー乗りのスピリアは、今もペンギン艦隊に同行している。パンタロンとの子供も作ったが、家庭に収まるより、最前線に戻ることを選んだ。
電気がいっぱい銀河は生まれたばかりの銀河。開発された惑星はこの母星を含めて、まだ数万。
また新たなヴァルハラが生まれ、新たなペンギンが用意され、またいつか新たな戦いが始まるのだろう。
そしていつかは、このパンタロン銀河も消滅する。そのころにはパンタロンの遺伝子を継ぐ子らも、ごくわずかであろうが・・・。生き残っていたなら、御の字。
全く宇宙は人類の敵である。
宇宙の懐に抱かれながら、パンタロンはそう思うのであった。
おしまい。