1話
読む専だった私が投稿するなんて。
初めての作品ですので拙い部分は勘弁してください。
しばらくは説明回が続きますのであと10話くらいお付き合いいただければと思います。
「護、将来は、何になりたいんだい?」
テレビを見ながらパパがそう聞いてきた。
「僕は、消防車になる!」
4歳という多感な時期でもあり、さっき見た番組の影響を受けた答えに父は苦笑していた。
「あの、火事の中に入って行った人たちの事かい?それとも、はしご車に登っている人の事かい?どっちもかっこいいよね。」
「ちがうの、がんばって水を出し続けてる消防車になりたいの。」
僕の答えを聞いて、父は唖然としてしまったようである。
そして、応援することにしたようだ。
「そうか、護。ずっと出し続けるっていうことは大変だから、がんばるんだよ。」
今思えば、バカにもせず、応援してくれていただけやさしい親だったんだろう。
✩✩
2年後・・・
「護は、将来何になりたいんだい?」
小学校に入って少したった頃だろうか、父がまた僕に聞いてきた。
「僕は、警察官になる。悪い人を捕まえてやるんだ!」
「あなた。小学校では女の子は’スカート’を履いているらしくて、スカートめくりが流行っているらしいの。護は、嫌がる女の子のみかたで、粗暴な男の子を注意してるらしいのよ。」
母は、担任の先生から聞いたであろう話を自分のことのように誇らしげに話していた。
護の幼稚園では男女関係なく半ズボンを履いており、初めてスカートを見た護は嫌がる女の子を見逃せなかったのである。
「そんなことないよ。僕は、ただ、あんなことをする人が許せないだけだから。」
「そうか。でも、護は消防車になりたかったんじゃないのか?」
父は昔の話を覚えていたようである。若い頃の話であり、若干恥ずかしさを覚えながら僕は言った。
「僕はもう小学生なんだよ。消防車になれないことくらいわかっているよ。だから、警察官になりたいんだ。」
父は僕の答えにきょとんとしていた。
「そうか、護は、誰か困っている人のために働くのがいいのかもしれないな。人のために働く人のことを公務員と言うんだ。父さんは頭が悪かったから今の仕事しかできないけど、護なら今からがんばれば公務員になれるんじゃないかな。」
「あなた、気が早いですよ。まだ小学生じゃありませんか。色々な可能性を今狭めてしまう必要はないんじゃありませんか。」
「それもそうか。でもな、護。勉強ができることに越したことはないぞ。」
「うん。わかった。」
その当時、護は新しいことを知ることがうれしく、勉強はどちらかと言えば好きなほうであった。また、憧れた警察官の養成学校の番組を見て、強くならなければならないことも十分理解していたのである。
このことが、後に大きく影響するのであった。