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Save! Load! Continue?  作者: とっしぃ
学園編
89/300

89 資格試験

あの後ヴァイスに資格について話を聞き

ヴァイスにも「取るだけとっておいたらどうですか?」と勧められたのもあって

騎士の資格をとっておくことにした


というかクラウスもヴァイスも俺が資格試験に落ちるとは思ってない口ぶりだった


(そんなに簡単なのかな?)


試験は学園の訓練場で行われ、騎士団から試験官として誰かが派遣されるようだ

その試験官の審査に合格できたら騎士になるための資格を貰える

審査内容は質疑応答と実技があるらしい


ヴァイスから騎士団へと話を通してもらい

試験を受ける日取りが決まった



数日後

寮で夜寝る前にウィルに報告して、その後マルクにもそれを報告する


「ってわけで明日は一緒に稽古できないから」

「わかった。でも僕もアリスと一緒にカミリアの手伝いすることになってるから、明日は行けなかったんだ」

「カミリアの手伝い?なにやるんだ?」

「教会の掃除の手伝いだって。毎年この時期に大掃除してるみたいだよ」

「なんでそれをカミリアが手伝うんだ?」

「カミリアが生まれるまでお母さんが教会で働いていたんだって。それで今年は人手が足りないからってお願いされたみたい」

「ふ~ん、アーロンは?」

「行かないって・・・それでカミリアとアーロンが言い合ってたから僕が声かけたんだ。ついでにアリスも巻き込んで」

「そっか、偉いぞ」

「えへへっ。アリスは面倒くさそうだったけど」

「日にちが違ってたら俺も手伝ったんだけどな」

「大丈夫だよ。兄さんは試験頑張って!」

「うん、ありがと。アリスには明日マルクから伝えといてくれ」

「はーい」


____

__

_


そして翌日


昼過ぎに訓練場へ向かう

クラウスとヴァイスの様子から試験は簡単そうではあるが

念のため寮の部屋でSaveしておいた


ヴァイスから指定された場所へと到着した

約束の時間まではまだ余裕がある

しかしすでに試験官の人が待っていた


「遅いぞルシオ君。試験官を待たせるなんて失礼じゃないかな?」

「かなり早くついたつもりですけど?クラウスさん」

「はっはっは、試験があるから今日は非番にしてもらったんだが如何せん退屈でね。早く来すぎてしまったよ」

「いつから居たんですか?」

「少し前だよ。君も早く来てくれたからそんなに待っていない」

「よかった・・・えっと、俺は何をやったらいいんですか?」

「そうだね、早速始めようか。まずは、いくつか質問するからそれに答えてくれるかな?」

「わかりました」


クラウスの質問は俺の個人情報や人生プランについての質問だった

出身は何処か?家族構成は?両親の仕事は?等から始まり

卒業後の予定、将来の目標、得意なこと、やりたいこと、etc・・・


卒業後の予定など、クラウスとはすでに話していたことも改めて聞かれた


「なるほど・・・ありがとう」

「こんなこと聞いてどうするんですか?クラウスさんにはもう話していることもいくつかありましたし」

「実は質問自体にはあまり意味がないんだ。会話をするためにいくつか決まった質問をしているだけで、質疑応答の本当の目的は会話することなんだよ」

「へぇ~」

「話すときの目線や仕草、声の強弱や言葉遣い、スラスラ言葉が出てくるかどうか、スムーズに会話が続くかどうかとかね」

「どうでした?」

「うん、君という人物をよく知れたよ」

「そういうことではなくて・・・良かったかどうかを」

「それはまだ言えないね、試験はまだ終わっていないんだから」

「そうですか、それもそうですね」

「では次の試験に移ろうか」

「実技でしたっけ?具体的に何をすればいいんですか?」

「私と戦ってもらう」

「クラウスさんと・・・ですか・・・」

「不服かな?」

「いえ、まさか」


学園の特待生試験のように、自分にできることを見せればいいのかと思っていたが

まさか騎士団の隊長直々に相手をしてくれるなんて


「先に言っておくが私は強いぞ?騎士団には八番隊まであるんだが、隊長は一から順に実力で決まっている。つまり私は騎士団で二番目に強いということなんだ」

「・・・・よろしくお願いします」

「はっはっは、怖気づくどころかワクワクしているようだね。私も楽しみだ」

「魔法は使ってもいいんですか?」

「好きにしたまえ。私は強化魔法以外は使わないと約束しよう」

「クラウスさんは俺の試合を何度か見てるんですよね?」

「ん?ああもちろんだ、だから君を勧誘してるんだろ?」


だったら俺の戦い方はある程度知っているわけだ


(ならまずは俺も強化魔法だけでやってみよう)


「わかりました」

「私はこの木剣を使うが、武器は必要かな?」

「これはさすがに駄目ですよね?」


腰に差している短剣を見せる

レッドドラゴライトで作った短剣は強度も切れ味も申し分ない


「君が使いたいなら私は別に構わないが?」

「・・・やめておきます」

「ではこの木剣を貸してあげよう」


そう言ってクラウスがもう一つ持ってきていた木剣を俺に投げてきた

木剣といっても本気で殴れば簡単に人を殺せるくらいには丈夫そうだ


(これで殴られたら痛いだろうな~・・・)


そう思いながらもクラウスと戦えるのでワクワクしていた



「それじゃどこからでもかかってきなさい」

「はい!」


まずは真正面から縦に切りかかった

もちろんかなり強化魔法をかけた状態で

クラウスは右手で持った木剣で軽々と受け止め鍔迫り合いになる

こっちは両手持ちだというのにクラウスは涼しい顔をしている


一旦距離を取り今度は左右に体を動かしながらフェイントも織り交ぜる

しかし俺のフェイントを見切っているのか本命の攻撃のときにしたクラウスは防御しない


(うはっ、やる~・・・なんでわかるんだろう?俺のフェイントそんな分かりやすいかな?)


攻め方を変えるため俺も片手持ちにする

そしてクラウスに切りかかる

先ほどと同じようにクラウスと木剣がぶつかり合った

その瞬間を狙って空いている左手でクラウスのボディにパンチを入れる


「おっと」

「いでっ」


俺のパンチが伸びた瞬間クラウスはクルッと木剣の向きを変え

切りかかってくる俺の木剣の力を下に流した

結果俺は自分の木剣で左手を叩くことになってしまった


(うお~・・・真剣だったらやばかった)


左手のパンチに意識が向いていたため木剣を持つ右手の力が弱まっていた、そのおかげで左手のダメージは大したことなかった

しかし俺が遠慮せず短剣を使っていたとして、さらにこれが真剣勝負だったら左手を切り落としていたかもしれない


それくらい自然に、流れるように木剣を往なされた


「クラウスさんこの試験って時間制限はありますか?」

「いや、特に決めていないよ。私がもういいと判断したところまでだ」

「できれば長めでお願いします!」

「・・・・ぷっ、わっはっは!わかった!いいだろう」

「ありがとうございます!」


俺は今までどちらかというと魔法を中心に稽古してきた

一応剣術もちゃんと続けてはいたが

最初に教わったディルクは、我流で粗さも目立った

学園の剣術の授業は型の稽古ばかりだったので途中から受けなくなってしまっていた

なのでクラウスほどの剣士に相手をしてもらえる機会は初めてだ


(良い機会だ、勉強させてもらおう)



それからもあの手この手で攻めた

しかしクラウスは涼しい顔ですべての攻撃を捌く


「魔法は使わないのかい?」

「あ、そうですね。つい楽しくて」

「手加減してくれているのかと思ったよ」

「まさか」


魔法を使わないと俺の本来の実力の3割も出せない

当然剣術だけではクラウスに勝てるわけがない


「じゃあ行きますよ!」

「むっ・・・」


まず霧を発生させて視界を悪くした

それから少し移動する

そしてクラウスに向かって横から『ストーンボール』を放つ


霧を発生させてからクラウスは一歩も動いていない


(どうだ?)


キンッと高い音が鳴った


(うっそ~・・・)


クラウスは俺が放った『ストーンボール』を切り落とした

クラウスが持っているのは刃などない木剣だ

しかし俺には『ストーンボール』の魔力が真っ二つに分かれたのがはっきり見えた


(だったら・・・これならどうだ)


『ストーンボール』を放ちながらクラウスの後ろへと回り込む

同時に氷の槍を五本つくりながら、真後ろに来た時それをクラウスへと放つ


(どうせ防ぐんだろ?)


そう思ってちょっと危険な魔法も使ってみた

案の定クラウスは氷の槍五本とも全て木剣で打ち落とし粉々にして見せた


「ふむ・・・やはり遠慮してくれているのかな?」

「そりゃするでしょ」

「まぁ確かに殺すつもりで来られるのは困るが」

「しませんよそんなこと」


別に上級魔法などで攻撃することもできる

それをクラウスがどうやって防ぐのか見てみたい気もするが

仮に大怪我させてしまったら嫌だ


「だろうね・・・では」

「っ!?」


クラウスが木剣の一振りで霧を吹き飛ばす


「そろそろこちらからも攻めようかな」

「・・・お手柔らかにお願いします」


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