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Save! Load! Continue?  作者: とっしぃ
学園編
85/300

85 十四歳の大会 参

目を覚まさないアリスを医務室へと運ぶ


あの後アーロンはアリスの怪我を治してくれた先生にやりすぎだと注意されていた

しかしアーロンは何も反省していない様子でさっさと会場を後にしてしまった


学園側もできるだけ怪我人を出したくはないのだろうが

大会を宣伝に使っている以上ある程度派手な戦いは必要なようで

アーロンのような生徒にあまり強く注意できないのかもしれない


まあ別に学園のやり方に対しては俺はどうも思わないのでいいのだが

俺も勝手に俺のやり方でやらせてもらうことにした



眠るアリスを俺とマルクとマヤの三人で見守る


「兄さん・・・アリス大丈夫?」

「あぁ、怪我は治したし今は眠ってるだけだよ」

「よかった」

「ホントに、あのアーロンって子許せないわね。アリスのこと心配もしないでさっさと帰っちゃうし」

「うん・・・まぁ俺に任せてよ、このまま黙ってるつもりはないから」

「わかったわ」



Loadしてやり直したほうがいいのだろうか

そうすればアリスはあんな怪我をしなくて済むかもしれない

それを今も悩んでいる



「失礼します・・・」


アリスが目を覚ますのを待っているとカミリアがやってきた


「あの・・・アリスちゃん、大丈夫ですか?」

「あぁ、怪我は治ったよ。今は眠ってるだけだ」

「・・・・よかった・・・本当にすみませんでした。弟があんな無茶をしてしまって・・・」

「別にカミリアが悪いわけじゃないよ」

「・・・怒ってないんですか?」

「怒ってるよ?あの場でアーロンを殺してやろうかと思うくらいは」

「・・・ぅ・・・・・・すみません・・・」


カミリアが泣きそうになりながら、かすれるような声で謝罪してくる


「・・・・だから別にカミリアに怒ってるわけじゃないって。カミリアだってアーロンには手を焼いてるんだろ?」

「はい・・・私の言うこと全然聞いてくれなくて・・・さっきも注意したんですけど、ろくに聞いてくれなくて・・・もうどうしたらいいのか」


カミリアも姉として弟の暴走っぷりに困り果てているのだろう

気持ちを吐露すると感情を抑えきれなくなったのか、大粒の涙を流し始めた


「お願いしますルシオ先輩・・・アーロンを止めてください・・・」


カミリアを見ているとさっきまでの怒りもすっと引いていった


「もともとそのつもりだったよ。悪いけどアーロンのことボコボコにするから」

「・・・・・はい、それでも構いません。それくらいしないとあの子は変わらないと思います・・・」

「心配しなくてもアーロンを痛めつけようってわけじゃないから、俺がボコボコにするつもりなのはアーロンの心だよ」

「へ?」

「上には上がいるってことをわからせてやらないと、じゃないとアーロンはこのまま増長し続けるだろうから。早いうちに手を打っておいた方がいいと思う」

「・・・お願いします」

「うん、任せて」

「・・・はい」


そこまで言うとカミリアはその場に泣き崩れてしまった

肩の荷が下りて気が緩んだのだろうか


「・・・・兄さん」

「っ!・・・気分はどうだ?アリス」

「うん、平気・・・アリス負けちゃったんだよね?」

「・・・うん」

「・・・・ホントはもっと戦えたんだよ?」

「知ってるよ、あんなのアリスの本気じゃないだろ?」

「うん・・・」


アリスは目に涙を浮かべている

口では興味ないと言いながらもアーロンに負けたのがかなり悔しいようだ


「でもそれでいいんだよ。こんな大会、ただの腕試しでしかないんだ。殺し合いをしてるわけじゃないんだから。マルクとアリスはそれを分かっててちゃんと加減してただろ?」

「「うん」」

「だから兄ちゃんはそんな優しい二人のこと誇りに思ってるよ」


そんなことを言われてマルクもアリスも照れているようだ

マルクはもじもじしているし、アリスも嬉しそうにしている


「アリスの仇は俺がとってやるから」

「うん、わかった」


アリスも無事回復したのでLoadせずにこのまま無差別の部に出場することにしよう

この悔しさはきっとアリスを成長させてくれる


____

__

_


そして数日が経った


残っていた年長の部の試合も終わり、チーム戦も終了した


年長の部の優勝者はまたアルベドだった

ウィルはセレナに負けたのでアルベドと戦うことはできなかったようだ

リリーはアルベドに負け、決勝でセレナもアルベドに負けた


セレナはやはり幻覚魔法を使うアルベドとの相性は最悪みたいだ

試合後に「やっぱりアルベド先輩は卑怯ですわ!」と俺に愚痴をこぼしていた




そして無差別の部が始まる


トーナメント表を見ると俺とアーロンは別ブロックで決勝でしかあたらない

代わりに決勝の前にウィルがアーロンとあたるかもしれない組み分けになっていた


無差別の部にはセレナやリリー、アルベドといった強敵が出場していない

アーロンの脅威となるのはおそらく俺とウィルくらいだろう

だが途中で負けられても困るので都合がいい

もしかしたら俺の知らない年下の特待生に手強い人物がいるかもしれないが


しかし俺の心配をよそに、順調にアーロンは勝ち進んでいった




「どうしようか?ボク負けた方がいい?」

「ん?ウィルの好きにしていいよ?ウィルに負けたらそれはそれで煽れるし」

「煽るって・・・」

「『でかい口叩いておいて決勝までこれないのか?雑魚』とかさ」

「たしかにアーロンみたいな子には効果あるだろうね」

「だろ?だから簡単に勝てそうだったらウィルが倒しちゃっていいよ」

「わかった、とりあえずやってみるよ」

「一応気をつけろよ?」

「わかってる」



そして無差別の部・準決勝

ウィル対アーロンの試合が始まった


「よろしくね」

「お前ルシオって奴と一緒に居た・・・」

「ボクはウィルフレッドって言うんだ」

「・・・お前ってルシオより弱いんだろ?」

「そうだよ、ルシオはボクよりずっと強いよ」

「あっそ・・・ならどうでもいい」

「・・・さすがに年下相手にそこまで言われるとイラっとするね」


試合が始まっても最初はどちらも動かなかった

しかしウィルが動かないと判断するとすぐにアーロンが動いた


いきなり『タイダルウェイブ』を使いウィルを場外へと押し流そうとする


「はっ、ほっ、よっと」


ウィルは魔法障壁を足場にして上空へと避難する

そしてそのまま同じように『タイダルウェイブ』をお返しする

大量の水が滝のように舞台へと落ちてアーロンの放った水を飲み込みながら押し返す


「チッ、まぁそりゃ上級くらい使えるか」


鬱陶しそうにアーロンは手を前に出し『エクスプロージョン』を使う

大量の水と一緒にウィルも吹き飛ばそうというところか


「うわっ!」


ウィルは魔法障壁で爆風を防ぐ


「あぶないな~」

「さっさと降りてこないと打ち落とすぞ」


アーロンは『ロックピラー』で上空にいるウィルを攻撃する

アーロンの足元から何本も石柱が伸びる


「まぁそう言わずもうちょっと遊ぼうよ」


ウィルは余裕そうに攻撃を避けながら、魔法障壁を足場に上空を動き回っている

まるでアーロンをおちょくるように


「ふざけやがって・・・」


アーロンは石柱で攻撃するのをやめると

舞台上全てを『ハリケーン』で覆い始めた


「おお、風上級も無詠唱できるんだ。羨ましいな~、ボク風魔法苦手だから」


口ではそんなことを言いながらも、相変わらずウィルは余裕そうに上空で魔法障壁を使い身を守っている


「はっ、ルシオの妹と同じことして、お前もあいつみたいに吹っ飛ばしてやる!」


『ハリケーン』を維持したままアーロンは巨大な『ロックピラー』をウィルに向かって伸ばす


(さて、ウィルならどうするんだろ?)


ウィルは魔法障壁で真っ向から『ロックピラー』を受け止めた

会場中に鈍い音が響く

魔法障壁は砕けはしなかったが少しヒビが入った


「おらおら!砕けちまうぞ!」


アーロンはさらに『ロックピラー』で追い打ちをかける

さらに先ほどまでは無かった氷の飛礫がハリケーンの中を飛んでいた

8歳で上級魔法の複合魔法を使うあたり、やはりアーロンは天才だ


「魔法障壁を解いてみろよ!ズタズタにしてやるから!」


このままではいずれ魔法障壁を砕かれる、しかし魔法障壁を解けば大粒の雹の嵐に襲われる

キューブ状に張った魔法障壁の中でウィルは少し焦っているようだった


「痛いのは嫌だけどしょうがないか・・・」

「あん?」


ウィルは魔法障壁を解くともの凄い速さで舞台上を跳ね回った

上空で魔法障壁を足場にして横に飛び

右に行ったと思ったら今度は左に飛び

重力を無視するように上下左右縦横無尽に移動する


「くっ・・・」


アーロンはウィルの動きを追うのがやっとのようだ

そして一瞬アーロンがウィルを見失う

その瞬間ウィルはアーロンの後ろに回り込み強烈な蹴りをくらわせる


「ぐぁっ!」


多分ウィルは手加減したんだろう

アーロンは舞台端ギリギリのところまで吹っ飛び止まった


「ふぅ~~、痛てて・・・」


大粒の雹の飛び交う中を跳ね回ったので体中にあたったのだろう

ウィルの体中に小さな切り傷ができていた


「くそっ、ぶっ殺してやる!!」


立ち上がったアーロンがウィルに向かって特大の『ロックピラー』を伸ばす

しかも普通の石柱と違い、先端がドリルのように尖って回転している


「ふぅ~~」


ウィルは息を大きく吐き集中しているようだ

そして真正面から魔法障壁で受け止める

激しく二つの魔法がぶつかり合い火花を散らす


「やるな~・・・」


ウィルが苦笑いした

そして次の瞬間魔法障壁を解除しながら横に飛びドリルを躱す


「ふ~・・・魔力切れしたんで棄権します」

「え?・・あ・・・勝者、アーロン!」


その言葉に審判がアーロンの勝ちを宣言する


「馬鹿にしてんのか・・・」

「してないよ?君本当に強いね~。だからルシオに任せることにした、君もルシオと戦うのが目的なんでしょ?ボクもルシオがどういう風に君を負かすのか見てみたいし」

「チッ・・・」


イライラしながらアーロンは会場から出て行った




「どうだった?」

「いや~、本当に強かったあの子」


観客席にウィルが戻ってきた


「とか言って、勝とうと思えば蹴り入れたとき勝ててただろ?」

「うん。でもやっぱりルシオに任せた方がいいかなと思って加減しちゃった」

「別に最後も躱しながら攻撃だってできたんじゃないのか?」

「そうだね、馬鹿正直に相手する必要はなかったけど・・・でも子供相手に逃げるのもカッコ悪いかなと思って。まぁ結果情けないことになっちゃったけど」

「ありがとな」

「どういたしまして」

「お礼に傷を治してあげよう」

「ありがとう」

「どういたしまして」

「「はははっ」」


ウィルに感謝しよう

次は俺の番だ


あの暴れん坊を教育し直してやる


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