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Save! Load! Continue?  作者: とっしぃ
学園編
81/300

81 双子の入学

別れの季節というのは同時に出会いの季節でもある

といっても今回は俺にとっては新たな出会いというわけではないが


俺は今マルクとアリスの二人を連れて学園の職員室の前にいる

二人も特待生の試験を受けるため学園までやってきた


「いいかマルク、アリス。いつも通りやれば二人なら特待生になれるから、緊張しなくていいからな」

「う、うん・・・」「わかった」


マルクは少し緊張しているようだが、アリスはいつも通り飄々としていた


(ま、大丈夫だろう。一応Saveもしておいたし)


念のためSaveはしているが、別にチャンスが一度きりというわけではない

失敗も人の成長には必要な事なので、もしかしたら仮に落ちたとしてもやり直さないかもしれない

だが二人が普段通りの実力を出せれば、まず落ちることはないと思う


「それじゃ行こうか」

「「うん」」


____

__

_


「いや~、本当に兄弟揃って優秀ですねぇ。二人ともまだ8歳だというのに」


試験官を務めたヴァイスが双子を褒める

思っていた通り難なく二人とも特待生として認めてもらうことができた


「俺も兄として鼻が高いです」


マルクとアリスの頭を撫でてやる


「えへへ」「んふふ~」


二人とも緊張が解けたのか俺にもたれかかるように甘えてくる


「とても仲が良いのですね。私は一人っ子だったので羨ましいです」

「へ~、そうだったんですか。先生は面倒見が良くて生徒からも人気があるので、下に兄弟がいるのかと思ってました」

「おや、そんな風に思ってくれていたんですか?嬉しいですね」


それから世間話をしながら二人の入学手続きを進める


「マルク君はルシオ君と同じ男子寮なので平気だと思いますが、アリスさんは女子寮で一人になってしまいますが大丈夫ですか?」


アリスの方を見るとコクリと頷いた


「大丈夫です」

「わかりました。何か非常事態の場合は特別に対応することもできますので、その場合は報告してください」

「ありがとうございます」


事前にこの事も二人とは話している

アリス自身は一人でも平気だと言うが、一応リリーに頼んでアリスの部屋にローリスの実家へと繋がる転移魔法陣を用意する予定だ

俺の部屋にもローリスへの魔法陣がある

なので会おうと思えばローリスの家に帰ってからお互いの部屋へ行き来することも可能だ


それにマルクとアリスまで学園に入学することになるので、ローリスの実家は少し寂しくなるだろう

だからこれからは二人を連れて頻繁に帰るつもりだ



「それでは手続きは以上で終了です。何か質問はありますか?」

「二人とも何か聞いておきたいことあるか?」

「「ううん」」

「ではマルク君、アリスさん。これからよろしくお願いします」

「「よろしくおねがいします」」

「わからないことがあれば学園の教師になんでも聞いてください、聞きにくければお兄さんを頼ってもらってもいいですからね」

「「はい」」


「あ、そうそう。ルシオ君、この間ルシオ君が留守にしている間にまたクラウスさんがお見えになりましたよ」

「え、またですか・・・」


クラウスという人物は王都を守る兵隊だ

部隊を一つ任されるほどの人物で、俺をスカウトしようと時々学園にやってくる

スカウト対象は俺だけでなく、セレナとウィルにも声をかけているみたいだ


クラウスは一部隊を指揮する立場なため、優秀な人材を常に探しているようだ

学園で開かれる大会は外部への宣伝もかねている

そのため毎年のように学園の大会を見に来ているみたいだ


そんな中俺は何度か優勝しているからか、去年の大会が終わった後職員室に呼び出され、そこでクラウスと初めて会うことになった

卒業したらウィルと旅をする予定なので当然断ったが、俺を取り込めば芋づる式にウィルとセレナもスカウトできると思っているのか今でも時々やってくる


因みにクラウスだけでなく専属の護衛を雇いたいという上流貴族に声をかけられたりもしている

給料は良さそうなので旅が終わってからなら考えてもいいのだが、さすがに何年先の話になるかもわからないのできっぱり断っている


優秀な生徒はこうやって卒業する何年も前から雇用の話がやってくるようだ


「もう何度も断ってるのに・・・懲りないですね、クラウスさんも」

「それがあの人のやり方ですからね」

「?」

「何度も直接会いに来ると『そんなにも自分を必要としてくれているのか』と考えて、結局絆される生徒も少なくはないんですよ」

「なるほど、たしかに僕も自分を評価してくれていることに対して嬉しい気持ちはありますね」

「でしょう。さらに隊長自ら何度も足を運んでくれることに申し訳なくなってくるというのもあります」

「あ~、たしかに・・・」

「城の兵士に憧れる生徒は多いですし、実際名誉もやりがいもある仕事だと思います。しかしルシオ君はルシオ君の思うことをやればいいと私は思います」

「はい、そのつもりです」

「ルシオ君ならきっと何か大きな事を成し遂げられると信じていますよ」

「買いかぶらないでください、僕はただ自分のやりたいことをやっているだけですから」

「ふふ、そのルシオ君のやりたいことというのが学園に多大な貢献をもたらす予感がしているのですよ。現に転移魔法に関してはテディ先生も一目置いているらしいじゃないですか」


転移魔法陣に関してはテディ曰く、「すでに私より上」とのことらしい

今ではテディの方から俺に質問してくることがあるくらいだ

教師のプライドよりも向上心を優先するテディの姿勢が俺は好きだ

なので転移魔法の研究をするときはテディと一緒にやることが多い

魔法陣の改良は進んでいるが、転移魔法の俺の最終目標である瞬間移動への道のりはまだまだ遠い


「それにマルク君やアリスさんといった優秀な人材の入学もそうです。これからも期待していますよ」

「はい、頑張ります」

「お二人にも期待していますね、お兄さんに負けず頑張ってください」

「「はい」」


____

__

_


その後マルクとアリスは寮の自分の部屋へと案内された


そしてディルクとアリシアに合格を知らせるため二人をローリスへと連れて帰ることにした

きっとアリシアは合格を信じてご馳走を用意してくれているだろう


アリスが男子寮に入ることができないので

少し面倒だが外で転移魔法陣をつくりローリスの実家の俺の部屋と繋ぐ

そしてマルクとアリスの二人だけ先にローリスへ送り、魔法陣を消した後

俺は寮の自分の部屋からローリスへと帰った


「「マルク、アリス。合格おめでとう!」」

「「ありがとう」」


マルクとアリスよりもディルクとアリシアがはしゃいでいた

ディルクは酔っ払い、「俺の子供はなんて優秀なんだ」と泣きながら感動している

アリシアは「みんな巣立って行って寂しくなるわね」としみじみしたと思ったら、「でもルシオのおかげで会おうと思ったらすぐ会えるものね」とすぐ元気になったり、ころころ表情が変わって面白かった


俺もかなり成長してきたとはいえ、二人にとってはいつまでも子供なようで

ディルクもアリシアも俺の頭を撫でて褒めてくれる

ちょっと気恥ずかしいが嫌な気はしない

いつまでも両親とこういう関係でいられたらいいなと思った




もうすぐ俺も14歳になる

それを追うようにマルクとアリスも9歳になる

そして二人の誕生日が終わるとすぐに大会がやってくる



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