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Save! Load! Continue?  作者: とっしぃ
学園編
76/300

76 赤竜との死闘

赤竜がゆっくりこちらに向かってくる


氷を槍のように尖らせ赤竜に向けて放つ

しかし魔法を成形する段階で赤竜に気付かれてしまった

赤竜は俺の放った魔法を横に跳ねて躱しそのままこちらに突進してくる


(すげえ迫力・・・)


あっという間に目の前まで来てしまった

しかし巨体だからこそ目で追えないほどの速さはない

全身に強化魔法をかけ横に跳躍し突進を躱す

しかし赤竜はすぐに方向転換して俺を捉え続ける


水魔法で周囲に濃い霧を発生させて視界を悪くしてみた

そして草木に隠れながら少し距離をとる


(俺のことを見失ったか?・・・う~ん、どう攻めようか)


攻め方を考えていると赤竜が頭を少し後ろに引いた


(ヤな予感・・・)


次の瞬間赤竜は炎のブレスを吐き、それを横薙ぎに動かし始めた


「くっ・・・あっちー!」


急いで上に飛びあがる

あとちょっとで丸焦げになるとこだった

熱風だけでも滅茶苦茶熱い


魔法障壁を足場にして濃霧に包まれた下を見下ろす


上から氷の槍を滅多打ちしてやろうと思い、数十本用意していると霧が大きく盛り上がってきた

そして濃霧の中から赤竜がこちらに向けて飛び出してくる


「うっ!?速っ!」


成形できていた十本程を向かってくる赤竜に放つ

しかし赤竜は氷の槍にひるむことなく飛び掛かってくる

一本が翼を貫き、一本が肩口に刺さった

しかし赤竜の勢いは止まらない


とっさに横に飛んで躱そうとしたが、赤竜は完全に俺を捉えていた

目前まで迫った赤竜は俺の飛んだ方に慣性を無視するように急激に進路を変える


(あ、死ぬ)


目の前に大きく口を開いた赤竜が迫る


一瞬の間に頭の中を色んな考えが巡った

口でけぇ!?魔法障壁で防げるか?氷で自分を包むのは?肉を切らせて骨を断つ?Load間に合うかな?そういやContinueってまだしたことなかったな。あ、あれがレッドドラゴライトか。ってかこの赤竜でかいけどこれで何歳くらいなんだろう?


とっさに魔力を使って何かしようとしたのは覚えている


しかし全てが間に合わなかった

赤竜の上顎は俺の左肩から手首あたりまでを、下顎が右脇腹から腰あたりまでをガッチリ捉えた


「っぐああぁああぁぁーー!!!」


今まで味わったことのない激痛が襲ってくる

自分からこんな声が出るんだと初めて知った


_______

Loadしますか?

►はい/いいえ

_______


途切れそうな意識の中、急いでLoadする


「っがはっ、っはぁ・・・はあ・・・」


Saveした時の姿勢を低くして草むらに隠れている状態に戻る


Loadしたことで体の痛みは消えたが記憶が残っているからか、牙に貫かれた場所がじんわりと熱い

脳裏で噛みつかれる直前の大口を開けた赤竜の顔が鮮明に再現される


捕食される恐怖で全身が震える


「はっ、はっ・・はっ・・ふっ・・・」


速く浅い呼吸で過呼吸気味になってきた


(大丈夫・・・死んでない・・・即死しないかぎりLoadできる・・・落ち着け・・・)


必死に自分に言い聞かせて落ち着かせようとするが

一瞬とはいえ味わった激痛がそれを拒絶してしまう

落ち着かせようとプラスのことを考えるが、どうしても噛まれた時の激痛と赤竜の顔が思考に割り込んでくる


(くそっ!こんな体たらくで世界を見て回りたいだって?この世界には黒竜みたいに赤竜よりもっと厄介な化け物が沢山いるかもしれないのに・・・)


情けなさと悔しさで涙が出てきた


目標のためにも乗り越えなければいけない試練だと思う

この世界の秘境にはこういう危険な生物だってきっと居るだろう

とりあえずレッドドラゴライトのことは二の次だ


赤竜を自分自身の力で倒す


浅かった呼吸を無理矢理抑え、深呼吸する

ゆっくり吸って、息を止め、そして吸った倍の時間をかけて息を吐く

それを何度も繰り返す


(よし・・・落ち着いてきた・・・)


もうすぐ赤竜が洞穴から出てくる

それまでに作戦を考えないと


まず気になったのは先ほどの急激すぎる赤竜の進路変更だ

飛行する生物が曲がるにしては鋭角すぎる

俺がたまに練習する、魔法障壁を側面につくってそれを利用し壁蹴りの要領で一気に横に移動する動きくらい急に曲がった


それにもう一つ

いくらファンタジーの世界とはいっても、翼がそれなりに大きいとはいえドラゴンのあの巨体で空を飛べるわけがない

最低でも数百キロはあるはずだ

そんなドラゴンがあんなに速く空を飛べるのは何かからくりがあるはずだ

おそらく魔法の一種だと思うが


予想だが竜種は空を飛ぶために重力魔法が使えるのかもしれない

重力魔法でないにしても、力の向きを操作できる系の魔法を使えるのだろう


(まあ仮にそうだとしても対策は殆ど思いつかないんだけど・・・一つずつ試してみるしかないか)


そして赤竜が出てくるのを待つ


洞穴から出てきた赤竜は先ほどと同じように肉塊の臭いを嗅ごうと近寄る

しかしすぐに俺の方を見た


俺は赤竜の頭が洞穴から見えた瞬間から巨大な一本の氷の槍を成形し始めていた


(いやいや、なんでそんなすぐ気づけるんだよ!?)


赤竜と目が合った

恐怖で全身がブルッと震える

震える手を動かし全力で氷の槍を放つ

先ほど俺が苦し紛れに放ったものとは速度も威力も桁違いだ


いきなり自分目掛けて飛んできた物に驚いたのか赤竜は横に飛び躱そうとする

しかし氷の槍の速度は速く、赤竜の翼に当たった


「グルルルルッ」


怒っているのだろう、低い唸り声をあげ突進の為か姿勢を低くする


(そうだ、怒れ・・・馬鹿正直に突っ込んで来い)


次の瞬間、俺が放った氷の槍にも匹敵するほどの速度で赤竜が突っ込んでくる

俺は思い切り魔力を籠めた魔法障壁を正面につくる


カウンターの基本だ、相手の力をそのまま利用する


ゴギィーンと鈍い金属音のような音が響く

赤竜が魔法障壁に衝突すると障壁に少しヒビが入った


(あぶねぇ!!!ほぼ全力でつくった魔法障壁なのに!?)


しかしギリギリ防げた

赤竜は頭を強く打ち意識が朦朧としているようだ


(上手くいった!え~っと、ここから・・・)


剣などの武器があれば赤竜の首を切り落としたりできるのだろうが

あいにくそんな上等な武器は持っていない


(えっと、とりあえず・・・)


俺の攻撃魔法の中ではおそらく一番威力があるであろう『ライトニング』を使うことにした


「くらえー!!」


目の前に閃光が走る

雷が赤竜に直撃した

強力な電気が体を駆け巡ったためか赤竜の体が硬直する


(どうだ?)


赤竜は確実にダメージを受けている

しかし電気に耐性があるのか、命を奪うどころか致命傷にもなっていないようだった


(やっぱり氷の槍みたいに鋭利なもので急所を貫く方がいいのか?)


そう思い氷の槍をつくろうとしたとき

赤竜がいきなり飛び上がった


(は!?もう動けるのか!?)


頭を打ち朦朧としていたところに電気を流したのが気付けの役割をしてしまったのかもしれない


上空に逃げた赤竜を打ち落とそうと思い氷の槍をつくる

しかしそれより早く赤竜は炎のブレスを地上に向けて吹いた


(やべっ)


咄嗟に氷のシェルターをつくるが炎のブレスにどんどん溶かされていく


(くそっ!!)


_______

Loadしますか?

►はい/いいえ

_______


あとちょっとで完全に氷が溶かされ灰にされるとこだった

おそらく炎のブレスをまともに受けると一瞬で意識を持っていかれるだろう

それに土魔法で防ぐと窯のような状態になり蒸し焼きにされる、それに氷と違い中は暗闇になるので状況が把握できなくなる

魔法障壁だと上からの直撃は防げても前後左右から余波の熱風に襲われる

逃げそこなった時点で詰んでいただろう


(氷の槍は赤竜の硬そうな皮膚も貫けるかもしれない・・・あと意外と打撃が有効なのか?)


魔法障壁にぶつかったとき完全にゲームで言うピヨった状態だった


それを踏まえてもう一度赤竜が出てくるのを待つ


そして先ほどと同じように氷の槍を放つ

怒った赤竜が突進してきて、それを魔法障壁で防ぐ

赤竜は目を回しふらついている


そこに先ほどより魔力を籠めた氷の槍を放つ


(決まれ!!)


しかし願いは届かず、赤竜はまたも横に飛び氷の槍の直撃を躱す


「はあ!?なんで避けれるんだよ!?」


(あ!まさか)


二度目の挑戦で洞穴から出てきた赤竜は最初視線が肉に向いていた

にもかかわらず氷の槍をつくるとすぐこちらに気付いた


俺は目に魔力を籠めて初めて魔力そのものを可視化することができる

だが赤竜は魔力そのものを肌で感じることができるのかもしれない

つまり魔力を気配として感じることができ

朦朧とする意識の中、俺の魔力を感じて咄嗟に横に飛んだのかもしれない

現に赤竜の目は瞑っていたはずだ

気配を感じたのでなければ他の理由が思いつかない


俺が何度も練習しても今だできないことだ

自分はそんなことができず、目に頼っているので

確実に仕留められると思ってしまった


(マジか・・・どうすれば・・・うおっ!)


今の攻撃で俺の大体の位置を特定したのか、目は殆ど瞑っているのに赤竜が鋭い爪を横薙ぎに振るってくる

それを咄嗟にジャンプで躱す

しかし着地する前に赤竜の第二の矢が襲ってくる

赤竜は前足での攻撃の回転を利用するようにそのまま尻尾で俺を上空へと跳ね上げた


まるで電柱か何かで殴られたような衝撃だった

左脇腹にもろに受けそのまま打ち上げられる

まるでシャチに弄ばれるアザラシのように回転しながら空高くへと打ち上げられた


この時点でLoadし直してもよかったのだが

この時は木っ端のように扱われた赤竜に対する怒りが俺を支配していた


(こんの・・・ふざけやがって!!!)


風魔法を使い空中で体制を立て直し、落下しながらも赤竜の真上に来るよう調整する

左の肋骨は何本か折れているだろう、鈍痛が体を襲う

しかし怒りのせいか痛みはそれほどでもなく、先ほどまでの恐怖はすでに無かった


土魔法で大きなハンマーを創り出し、残った魔力で全身に強化魔法をかける

地上では赤竜が頭を振っている、魔法障壁にぶつかったダメージはほぼほぼ回復しているようだ


(少しの間だけ動きを止められればいい)


『ライトニング』を上空から赤竜目掛けて落とす

上手く直撃して赤竜は体を強張らせた


落下の威力を抑えていた風魔法を解き

落下の速度に更に回転を加えて威力を上げる

そのままハンマーを赤竜の頭目掛けて思いっきり振り下ろした


「くたばれっ!!!」


ドゴォーン!!


上手く赤竜の頭に直撃させることはできたが

頭を狙うことに集中していたため自分自身も強く地面に叩きつけられた


幸い直前まで風魔法で落下の威力を抑えていたことと地面が土だったこと、そして全身にありったけかけていた強化魔法のおかげで、死ぬほどではなかった


だがしばらくの間落下の衝撃で呼吸はできなかったし、肋骨をはじめあちこち骨折しているだろう


赤竜は頭を砕かれ絶命しているようだった


「・・・げほっ・・・ははっ、やった・・・」


気休め程度にしかならないだろうが残った魔力で治癒魔法を使う


「あ~~~、くそっ・・・折角倒したのに今獣に襲われたらまたLoadしなくちゃいけないじゃん・・・」




この世界には空気中にも微量の魔力が含まれている

そのため呼吸をするだけでも少しづつ魔力は回復していく

食事や睡眠をとった方が回復も早いのだが、今寝るわけにはいかないし、食事をするにも鞄からは離れている。赤竜をおびき寄せるために置いた肉も少し遠い

なにより這いずることすら今の俺には辛い


それから少し休憩しては治癒魔法を使い、また少し休憩しては・・・を何度も繰り返した

その結果這いずることができるくらいまでは回復することができた


「あ~・・・いでぇ・・・う~・・・」


なんとか鞄まで這いより、水や食料にありつくことができた

幸い獣に襲われることもなく

そこからは草木に隠れるようにして休んだ

日が暮れるころには少しだけ魔力も回復できたので、自分を隠すように土魔法を使い眠りについた


____

__

_


「・・・・う~、いってぇ・・・」


翌朝痛みで目が覚めたので早速治癒魔法を使う

睡眠のおかげでかなり魔力も回復していた

しかし痛みで治癒魔法に集中しにくいので治療に時間がかかってしまった


覆っていた土魔法を消し辺りの様子を見る


昨日仕留めた赤竜はそのまま横たわっていた

死肉を漁る野鳥が数匹止まっているだけで他に獣や魔獣の姿はないようだ

もともとここが赤竜の縄張りで獣は近寄らないのかもしれない


怪我も治り冷静になって初めて、少しだけ後悔した


(この赤竜はなんにもしてないのに・・・いきなり命を奪ってしまって・・・何やってんだろ俺・・・)


自分の武器をつくりたいからという理由で

ゲーム感覚でやってきて

殺されそうになって

殺して


これは神様的にどうなんだろうか

オプションを使って赤竜を殺した、俺のやったことは神の目にはどう映るのか知りたい

生きるために家畜を殺すのは人間にとって当たり前のことではあるけど

それとどう違うのか・・・

私利私欲の為に命を奪う行為


(ごめんなさい・・・いただきます・・・)



その後レッドドラゴライトを赤竜の背中から剥ぎ取り

転移魔法を使うための魔力が回復するまで赤竜の肉を食らい休んだ


赤竜の肉は少し固かったが美味しかった


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