45 九歳の大会 改変
二回目の準決勝
舞台に上がりリリアーナと対峙する
リリアーナは俺と目が合った瞬間さっきのことを思い出したのか少し顔が赤くなった
(ははっ、可愛いなぁ~。さて、どうしよっかな・・・)
リリアーナとの試合が始まる
前回は割とあっさり勝ってしまったので今回は少しリリアーナに頑張ってもらおう
前回と同様に様子見から入る
しかしリリアーナも俺の出方を伺っているのか攻めて来ない
「来ないんならこっちから行こうか?」
「え?は、はい」
試しに『ウォーターボール』を連射してみる
「きゃっ!」
リリアーナはびっくりしながらも石魔法で壁をつくり防いだ
(これじゃ前回とあまり変わらないけど・・・)
前はここで不意をついて場外に吹っ飛ばしたので今回はリリアーナの出方を見る
リリアーナは防御に使っていた石壁を消すと同時に『ストーンボール』を何発か打ってきた
俺はそれを魔法障壁で防ぐ
怪我をさせないように加減しているのか威力は大したことなかった
(う~ん、俺が手加減してるからあっちも遠慮してるのかな?)
ちょっと攻撃を激しくしてみる
氷の刃をリリアーナに向けて5本連続で放つ
リリアーナはそれを石壁で防ぐ
間髪入れずに『ハイドロスネーク』で石壁を回り込むように攻撃してみた
「きゃぁ!」
攻撃が当たったようでびしょ濡れになったリリアーナが尻もちをつきながら石壁から出てきた
そこを『ウォーターボール』で攻撃する
なんとかリリアーナはそれに反応して『ストーンボール』を放つ
『ストーンボール』の方が威力が強いため、俺の魔法を打ち消しながらそのまま俺に向かって飛んできた
「おっと」
それを魔法障壁で防いだと思ったら、体制を立て直したリリアーナが強めの『ストーンボール』を連射してきた
それを全て魔法障壁で防ぐ
(土魔法ばっかりだな。たしかに攻守ともに活躍する土魔法の使い勝手はいい、でもそれだけで特待生になれたわけじゃないと思うんだけどな)
その後もリリアーナの本気を見たくて加減しながら試合を引き延ばしてみたが、最終的にはリリアーナが負けを認めて試合は俺の勝ちで終わってしまった
(まあ仮に上級魔法が使えたとしてもこんなところで使えないか)
しかしこれでは俺がリリアーナをいたぶっただけのようなものだ
試合としても面白いものではなかっただろう
試合が終わりリリアーナは前回同様トボトボと外に向かって行った
後をつけてみると会場の外の人気のない場所に座り込んでしまった
(よし、今度はちゃんと話をしてみよう)
「リリアーナ」
「っ!?・・・ルシオ君」
「どうしたの?」
「私やっぱり駄目だな~と思って・・・ルシオ君は全然本気じゃなかったですよね?」
「うん、でもリリアーナだって本気出せたわけじゃないでしょ?」
「私は本気でしたよ?でも何やってもルシオ君には通用しませんでした。凄いですねルシオ君は」
「土の中級魔法がリリアーナの本気なの?」
「使える上級魔法もありますけど・・・さすがにあそこで使うのは・・・」
「まあ、そうだよね。でも、ってことはリリアーナも本当の実力を出し切れなかったってことでしょ?」
「でもルシオ君だって上級魔法は使ってませんよ、条件は同じです」
「・・・そうだね」
「やっぱり私駄目な子なんです・・・」
「なんでそう思うの?」
「いつもお義母さんに言われてますから・・・『あんたは駄目な子だ!出来損ないだ!』って・・・」
リリアーナが力なく笑いながら自虐する
「リリアーナって今何歳?」
「え?八歳になったばかりです」
「特待生になったのはいつ?」
「七歳の時、八歳になるちょっと前です。ルシオ君が入る二か月くらい前でした」
「十分凄いよ」
リリアーナの頭を撫でる
「ふわぁっ!?え、えっと・・・そうでしょうか・・・」
「うん。お姉さんも言ってたよ?『リリアーナは私より魔法の才能がある』って」
「え!?お姉ちゃんが!?ルシオ君お姉ちゃんのこと知ってたんですか?」
「うん、レイラさんでしょ?」
「はい。いつのまに・・・ホントにお姉ちゃんがそう言ったんですか?」
「うん、そうだよ?帰ったら聞いてみたら?」
「お姉ちゃんが・・・」
リリアーナは驚いてはいるが、姉に褒められたと興奮気味に喜んでいる
(つい元気づけるために言っちゃった、今回はまだレイラに会ってないのに・・・)
まあまたやり直すかもしれないのでとりあえず放っておこう
それより本題に入らなければ
「リリアーナはお義母さんとは仲悪いの?」
「・・・・仲が悪いというか、私が駄目なせいでいつも怒らせてしまうんです」
「特待生になるくらい凄いのに?」
「『特待生になってもどうせあんたはその中の一番下なんだ』って言われちゃいました・・・」
「そんな・・・」
(あ~、むかつく・・・ほんとリリアーナが何したって言うんだよ・・・あれ?まてよ、特待生の中でビリじゃなければいいのかな?)
「もしかして僕に負けたらお義母さんに怒られたりするの?」
「え!?いや、ルシオ君は悪くないですよ!私が弱いのが駄目なんですから」
「そうじゃなくて、もし僕に勝ってたらお義母さん褒めてくれたりするのかな?」
「さあ、どうなんでしょう?褒めてくれたことなんか一度もないので・・・」
(一回もかよ・・・でもそれはありかも)
「因みにさっきの試合ってお義母さん見に来てた?」
「いいえ、今日はお姉ちゃんの試合がないので家に居ると思います」
「あぁ・・・そうなんだ」
(はぁ~、ほんとに・・・)
まあいい、一度やり直してその線でいってみよう
別に義母から褒められなくてもいい、怒られなければとりあえず大丈夫だろう
試合を見に来ていないなら俺がわざと負けても問題はないと思う
問題はどうやって負けるかだが
「大丈夫!きっとうまくいくからね!」
「えっと・・・なにがですか?」
ポカンとするリリアーナの頭を存分に撫でる
褒められることが少ないからかリリアーナは満更でもなさそうだ
_______
Loadしますか?
►はい/いいえ
_______
「さてと・・・言い訳を考えないと・・・」
試合会場へ向かう
さっきと同じようにリリアーナに声をかけ同じような会話をする
無理やり目を合わせるとやっぱり赤くなった
「ごめんごめん。えっと、ほんとはリリアーナにお願いがあって話しかけたんだ」
「お願いですか?」
「うん、特待生にアレンっているでしょ?実は最近あいつにちょっかい出されててさ、できれば決勝で戦いたくないんだ。それでリリアーナには僕に勝ってほしいんだけど、単純にわざと僕が負けたら見てる人も楽しくないと思って」
「えっと、試合に負けたいんですか?」
「そう。多分アレンは決勝まで進むと思うからここで僕が負ければ当たらないでしょ?」
「はあ・・・」
「やっぱり正々堂々戦いたい?」
「あ、いえ。別にそれは構いません、勝ち進めるならむしろありがたいくらいです」
「よかった。それじゃリリアーナには開幕早々一発派手に魔法を使って僕を吹っ飛ばして欲しいんだけど」
「派手にですか?どうしましょう?」
「どんな魔法が使える?『エクスプロージョン』とかは?」
「使えますけど・・・大丈夫ですか?」
「魔力抑えると大丈夫じゃないかな?」
「ん~~、わかりました・・・怪我しないでくださいね?」
「うん、ありがとう。リリアーナは優しいね」
そういってリリアーナの頭を撫でる
「ふわぁ・・・い、いえ。そんなことないです」
「それじゃそういうことでよろしく」
「あ、はい。わかりました」
打ち合わせは完了した
(俺の読み通り上手くいってくれるといいな)




