34 テスト
現在俺はレルターとマヤ、ディルクの三人を連れて村の西の外にいる
俺が焼け野原にしたところだ、といっても春になり少し草が生え始めているので何年もすればまた森の一部に戻るかもしれない
テストを受けるため広い場所が必要だったのでここに来た
冬眠から覚めた魔獣が出るかもしれないので念のためディルクも同行している
まあ俺とワイバーンを倒せるほどのレルターがいるから危険なことはないだろうけど
「それだとテストに集中できないだろ?」とディルクが言うので護衛してもらうことになった
因みに朝起きて念のためSaveしている
「テストって何をするんですか?」
「まずはルシオ君が使える一番強い魔法を見せてくれますか?」
「えっと、じゃあ・・・みんな耳を塞いでて」
理由も聞かずすぐにマヤは耳を塞いでくれた、とても素直な子だ
「ん?耳をか?」
「そう、大きい音が鳴るから塞いでないとキーンってなるかも」
「お前何使う気だよ・・・」
「まあ見てて」
怪訝そうにディルクも耳を塞ぐ
レルターも耳を塞いだのを見てから、少し離れたところに雷を落とす
同時に「バーーーン!」という激しい音があたりに響いた
昼間なので光は大したことなかったが
マヤとディルクは雷が落ちる瞬間ビクッとしていたがレルターはどんな魔法を使うのか想像できていたのかもしれない、ピクリともしなかった
(やっぱ雷魔法くらいなら割と一般的にあるのかな?)
「ルシオ・・・お前なんちゅう魔法を・・・」
「ルシオ、すごい・・・」
「あ!冬の間に何回か落ちた雷ってやっぱりお前だったのか!?」
「え、うん。言ってなかったっけ?」
「聞いてねえよ、まあ村の近くで聞こえる大きい音って大体お前だよな・・・」
「あはは・・・ごめんなさい」(ディルクには言ってなかったっけ)
アリシアにはこんな魔法が使えるようになったと逐一報告している
あとバーナードも知っているはずだが、雷魔法を知っているのはその二人くらいか
「えっと、今のが僕が使える魔法の中で一番強力なやつです」
「ふむ・・・『ライトニング』ですか。それも無詠唱で」
どうやら前に想像した通り『ライトニング』で合っていたらしい
「魔力を増やすともっと威力は上げられますけど、村に被害が出たらいけないから全力で使ったことはないんです」
「なるほど、わかりました。では次はルシオ君の魔力を見せてもらいましょうか」
「魔力を?」
「はい。全身に魔力を込めていただけますか?」
「ああ、わかりました」
(魔力を込めるって、いつもやってる魔力強化の時みたいな感じでいいのかな?)
魔力を体の内から湧かせる
『ライトニング』を使って少し魔力を消費しているが、まあ微々たるものだ
「ねぇディルクさん、あれで何がわかるのか知ってますか?」
「すまん、わからん」
マヤがディルクに質問している隣でレルターは俺をじっと見ている
目に魔力を込めると視力が上がったり周りの魔力を検知することができる
それをやって俺の魔力を見ているのかもしれない
それか、もしかするとあの眼鏡が魔道具で何かの効果があるのかもしれない
「はい、ありがとうございます。もういいですよ」
「ふうっ」
「驚きました。ルシオ君の魔力はすでに学園の講師陣に匹敵します」
「へえ~」
「へえ~ってお前、もっと驚くとこだろ普通」
「って言われても・・・」
正直実感がない、一般的な魔導士にあったこともほとんどないし
今まで比べる対象がいなかったから
「はい、もういいでしょう」
「え?これで終わりですか?」
「はい、ルシオ君は私の想像以上でした。それに治癒魔法まで使えるんでしょう?自信をもって学園に推薦できます」
「ありがとうございます!」
「いえいえ、優秀な人材をスカウトできたとなれば私の評価も上がるので。こちらこそありがとうございます」
こうしてたった10分くらいでテストは終了した
皆で村の中に戻る
「さあ!テストも終わったし今度はアタシに魔法教えてよね!」
「わかったって。レルターさん、この後の予定は?」
「私の目的は終了したので、後はテッドさん達が帰る時までのんびりするつもりですよ」
「ならいくつか聞きたいことがあるんでまた明日にでも会いに行っていいですか?」
「はい、よろこんで」
「ありがとうございます。んじゃ魔法教えるからあっち行こうかマヤ」
「うん!」
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その後マヤに魔法障壁の使い方を教えているとあっという間に日が暮れ始めた
「はぁ~~、難しい・・・」
「僕も魔法障壁は苦労してるから、マヤも頑張って」
「うん、でも一度もできなかった・・・」
「僕も最初はそうだったよ?初めて障壁をつくることができたのは・・・たしか一月くらいかかったかな?」
「ルシオで一か月!?はあ・・・」
「僕は誰かに教わったわけじゃないから。こんなのできないかな?って思って試行錯誤しながらだったからね」
「うぅ~、やっぱり治癒魔法以外は苦手だわ・・・」
「マヤは治癒魔法が得意だから自分が怪我しないように防御魔法も覚えといた方がいいと思うんだ。大丈夫、できるようになるまで付き合うからさ」
「うん、ありがとう。ルシオ」
「それに僕も学園に入ったら毎日会えるようになるだろうし、すぐにできるようになれなくても大丈夫でしょ?」
「あ!そうね!うふふっ、これからは毎日会えるんだ!」
「ねぇ学園って楽しい?」
「う~ん、そうでもない・・・でもルシオも来るなら楽しくなるかも!」
「学園で何やってるの?」
「アタシは治癒魔法の授業ばかり受けてるわ、でもあんまり面白くないのよね。眠くなっちゃうし」
「ははっ、なんか居眠りしてるマヤってすごく想像できる」
「どういう意味よ!」
「あははっ」
俺にからかわれてもマヤは楽しそうだった
捕まえようとしてくるマヤから逃げるように、ふざけながら帰った




