24 無事を祝って 其の弐
炭鉱の崩落事故はなんとか解決した
犠牲者が数名出てしまったがマヤとテッドは助けることができたし、討伐隊や炭鉱夫も何名も助けることができたので上出来ではないだろうか
もちろん犠牲はゼロにできればそれに越したことはないのだが、身近な人ならともかく見ず知らずの人全てを救っていくつもりはない
なのでこれで良しとすることにした
初めてオーガを見た時はちょっとビビった
だってバーナードよりでかいんだもん
オーガを倒すときに使った方法はオーガ以外にもかなり有効だと思う
ただ氷魔法と土魔法と強化魔法、三つの魔法を同時に使わなければいけないので結構大変だったりする
もうちょっとスムーズに使えるようにするために帰ったらもっと練習しておかないと
テッドの店に戻り食事の準備をしてくれている間、本来の目的だった越冬の為の買い物を済ませる
とりあえずこれで今日の予定は終了だ
そして明日は村人からのお使いを済ませる予定
何名かの村人から「ついでにあれ買ってきてくれ」「これ買ってきてくれ」とリクエストがある
そういった細々した買い物をする
そしてさらにもう一日、これは完全に自由な日だ
「折角ウェルクシュタットまで来たんだから一日くらい遊ぶか?」
というディルクの粋な計らいで合計三日滞在する予定になった
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「このお肉美味しい!」
「はっはっ、気に入ったかい?たくさんあるからいっぱいお食べ」
「ありがとうテッドさん」
「こんな豪華な食事にありつけるのもルシオのおかげだな、俺たち瓦礫除けただけだし」
「そうだな」
「俺に至っては何もしてないっスけどね」
「私にとっても同じですな、ルシオ君が助けに来てくれなかったらきっとオーガにマヤ共々殺されていたでしょう」
「結果的にルシオの判断が正しかったか・・・でも親としては息子が無茶ばかりするんで心配してばかりなんですよ」
「むひゃなんかひてないって」
「食べながら話すんじゃない」
「・・・このエビ美味しい!って無茶なんかしてないって、ね?マヤ、テッドさん。危なっかしいところなんかなかったよね?」
「そうね」
「ええ。あっという間にオーガを倒して、怪我人も治療して、穴も塞いで。全部ルシオ君一人で片づけてしまいましたからね」
「ほら!無茶はしないって約束したんだからそれくらい守るよ。だからお父さんのエビ頂戴!」
「だからってなんだよ!まぁいいけど」
「やった!」
「アタシの分も食べる?」
「いいの?」
「ええ、はいどうぞ」
そういってマヤは自分の分のエビをフォークに刺して俺の顔の前に持ってきた
(ん?このまま食べろってこと?・・・まぁいっか)
あーんしてもらう形になったがまあそんなこといいだろう
なんせこのエビがまた美味い
プリップリで噛み応えもあり絶妙の塩加減でいくらでも食べれそうだ
「ん~~、おいひい」
「うふふっ」
俺が極上の食事に笑みがこぼれてしまうのは仕方ないだろう
だがなぜかマヤまで満面の笑みを浮かべていた
(幸せすぎて変な顔になってたかな?まあなんでもいいや)
その後も皆で談笑しながらの食事は続いた
やっぱり美味い食事というのは人を幸せにする
生きる喜びの一つだ
若干ニジヨビドリの失敗を思い出したが、まあ今回はご褒美みたいなものだし多少食い意地が張っても罰は当たらないだろう
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「ご馳走様でした!美味しかった~」
「たくさん食べたねルシオ君、喜んでもらえたようで良かったよ」
「うん!すっごく美味しかったです!」
「ご馳走様です。ありがとうございましたテッドさん」
「いえいえこちらこそ、今日は本当に有難うございました。ところで皆さん、今夜の宿はお決まりですか?」
「ええ、ダーヴィとってあるんだろ?」
「はい、とってますよ」
「そうですか・・・皆さんさえよろしければ家に泊まってくださっても良かったんですが・・・」
「そこまで甘えるわけにはいきません、お気持ちだけ有難く頂戴しますよ」
「そうですか、ではお見送りさせてください」
「ありがとうございます」
「皆さんはいつまでこちらに?」
「あと二日ほどを予定しています」
「そうですか・・・ではお帰りになる際はご挨拶に伺いましょう」
「いえそんな!帰る前に我々がまた立ち寄ります、そのときにでも」
「そうですか?ではお待ちしております」
「はい、それでは」
「お気を付けて」
「じゃあね、マヤ」
「うん、また明日ね。ルシオ」
そして皆でダーヴィがとってくれた宿に向かう
(ん?また明日?)
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「おはよう!ルシオ!今日は何するの?」
「おはよう・・・朝から元気だねマヤ」
「寝癖がついてるわよ、顔洗ってきたら?」
「あい・・・」
言われるがまま宿の共同の洗い場に行き顔を洗う
顔を洗っているとダーヴィがやってきた
「マヤちゃん来てたね、まさかこんな朝早くに来ると思ってなかったよ」
「ダーヴィがここのこと教えたの?」
「そだよ、昨日宿に向かう前にマヤちゃんに聞かれて」
「ふ~ん・・・」
(いつの間に・・・)
顔を洗い寝癖を直して部屋に戻る
するとディルクとマヤが話をしていた
「それならアタシ良いお店知ってますよ」
「本当か?助かるよ。マヤちゃんのおかげで買い物もすぐ済みそうだ」
「なんの話?」
「今日の買い物マヤちゃんに案内してもらうことにしたから」
「どーんと任せてルシオ!」
「ありがとうマヤ、でもいいの?予定とかあったんじゃ・・・」
「いいのいいの!それにまだ昨日のお礼もできてないし」
「お礼は昨日御馳走になったじゃん」
「あれはパパからのお礼でしょ?アタシは何もしてないもの」
「別に気にしなくていいのに」
「いいの!アタシがしたいだけだから。ほら、準備ができたなら行きましょ!ディルクさん達も」
こうしてマヤに手を引かれ街で買い物することになった




