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Save! Load! Continue?  作者: とっしぃ
第二の人生
20/300

20 無事を祝って

(きっと罰が当たったんだ・・・)


俺は現在村の集会場に居る

ユダ婆達お年寄り連中になにやらキラキラした服を着させられ

目の前に何かの儀式のような装飾が施された台座に座らされていた


かれこれ一時間くらい座ったままだろうか



(ニジヨビドリを独り占めした罰が当たったんだ・・・)


食欲に負けSaveとLoadを悪用した罰が当たったのかもしれない

今回の山賊襲撃が、神様が与えた罰だったと言われたら俺は信じるだろう


(だって、本当に美味しかったんだもん・・・)


独り占めするためSaveしてその結果昨夜は酷い目にあった


(やっぱ人間欲に負けると碌なことがないよな・・・)


「はぁ~~~」


俺はみんなに聞こえるくらいの大きな溜息をついた

離れたところでアリシアが笑っている


____

__

_


昨日の夜、安堵と疲労から寝落ちしたその後

目が覚めた時にはもう昼になっていて、リビングに行くと村人が何人か居た


何事かと思っていたらそのまま村人達に連れられ集会所にやってきた

集会所では宴会をやっていて御馳走やお酒が沢山用意されていた


昨日は夕食の途中でばたばた走り回ることになりそのまま昼まで寝ていたのでお腹が空いていた


しかし御馳走にありつけると思ったのも束の間

ユダ婆に変な服を着せられ台座に座らされた


「お腹減ってるんだけど」

「ちょうどいい、儀式をする者がお腹の中に余計なものを入れていちゃいかん」


どうやら儀式をするらしい、その主役が俺のようだ

多分昨日言っていた神子に関係する儀式だろう

儀式をするのに体を清めるため胃は空っぽの方がいいらしい

健康診断の前の日みたいだなと暢気なことを思いながら、まぁすぐ終わるだろうと思い言う通りにした


これが間違いだった


_

__

____



「はぁ~~~~~~~」


さっきより長く大きい溜息をつく

今度はユダ婆達お年寄り連中が念仏のようなものを唱え始めた


さっきから何度もお腹が鳴っている


(腹減った・・・いつまで続くんだこれ・・・)


少し離れたところでディルクは宴会に参加して、その隣でアリシアは双子にご飯を食べさせている

アリシアは不貞腐れる俺をチラチラ見てはその度に可笑しいのかニヤニヤしている・・・


(笑ってないで助けてくれよ・・・)


____

__

_


ユダ婆達の念仏が終わったのか静かになった

しかしその頃にはすでに我慢の限界が迫っていた

俺は胡坐をかいて頬杖をつくというなんとも行儀の悪い体制になっている


(やっと終わったのか?ただ座ったままってのも疲れるんだぞ・・・)


まあいい、終わったのなら腹ごしらえをして鍛錬を始めよう

昼まで寝てしまったので剣術の稽古ができていない

魔法の練習もこの儀式のせいで結構削られている


別に一日くらい休んでも、とも思うが鍛錬は毎日の積み重ねが肝心なのだ

人間楽をするとそれに溺れる

前世の俺がそうだった


ユダ婆からの「もういいぞ」という言葉を待っていたが一向に何も言わない

それどころか御幣のようなものを持ち出した

どうやらここからが儀式の本番のようだ



「チッ」


(もう無理)


かれこれ二時間は経ったはずだ

俺はおもむろに羽織らされている服を脱ぎ台座から降りた


「これルシオ!まだ儀式は終わっとらんぞ!」

「ふんっ」


ユダ婆を無視してディルクとアリシアの間に無理やり割って入る


「お腹空いた!」


怒気を込めてそう言う


「これ食べる?美味しかったよ」

「うん」


前に座っていたウィルが餡のかかったつみれのようなものを勧めてくれた

ミートボールみたいで非常に美味しそうだ


ディルクの使っていたフォークを横取りしてつみれを一個口に入れようとしたとき、その手をユダ婆に捕まれた


「こりゃ!儀式の最中に肉を食うなんて罰があたるぞ!」

「知らないよそんなの!」

「いいから戻りなさい、あと少しで終わるから」

「・・・・・」


俺にはこの儀式が意味のないものだとわかっている

だって俺は神子なんかじゃないから


(こんなことなら起きた時にSaveしておけばよかった)


今Loadすると地獄の夜がまた始まる

それだけは勘弁してほしい


「はぁ~~~~」


大きな溜息をつき席を立つ

ユダ婆は俺が台座に戻ると思ったのか背を向けた

だが俺は台座に戻る気なんて全くない

ユダ婆が儀式に戻るため背を向け歩き出したのを確認して


「お母さんごめん」


ボソッとアリシアにそういうと俺は集会所から飛び出した


「こ、こりゃ~~~!ルシオーーー!」


後ろからユダ婆の怒鳴り声が聞こえるが知ったこっちゃない


俺はそのまま西の自警団の小屋を目指す

集会所にバーナードの姿がなかったからだ

まだ小屋でグレッグを見張っているのかもしれない

無事なのはわかっているが会いたくなった


(何度もバーナードの死体を見る羽目になっちゃったからな・・・)


かなりの人が集会所に集まっていたからか道中人に会うことがなかった


「バーナード!」


バーナードの名を呼びながら小屋の扉を開ける


「ルシオ!?びっくりした、どうした?集会所で宴会してるんじゃなかったのかい?」

「変な儀式が長すぎて逃げてきた」

「はっはっ、ユダ婆が怒ってそうだな」

「うん、めちゃくちゃ怒鳴ってた。知らないけど。だってお腹ペコペコなのにずっと座ったままなんだよ?ご飯も食べられないし!」

「お腹空いてるのか?簡単な物しかないけど食べるかい?」

「うん!」


バーナードがパンと干し肉と温かいお茶を用意してくれる


「すまないな、ここにはこんなものしかないんだ」

「ううん、ありがとう!」


今日初めての食事は質素なものだったがとても美味かった

やはり空腹は最高のスパイスだ


食事をしながら今更バーナードしかいないことに気付いた


「他の人は?というかグレッグは?」

「他の自警団は今朝グレッグを王都に連れて行ったよ、俺は片づけしてたんだ」

「ふ~ん」

「みんなから聞いたよ、ルシオが俺をグレッグから守ってくれたんだって?ありがとう」

「えっと、どういたしまして」

「昨日グレッグがお茶を入れてくれたんだがそれを飲んだらすぐ眠くなってね、多分眠り薬を入れられてたんだろう。ルシオがグレッグを捕まえてくれなかったらきっと殺されていたよ。本当にありがとう」

「うん、バーナードが無事でよかった。それよりグレッグって有名な盗賊団だったんでしょ?懸賞金とか貰えるかな?」


どうしてグレッグの正体に気付いたのか?という質問を避けるため話題を変える

仲のいい人達にはあまり嘘をつきたくない


「どうかなぁ?エドワードは王都で手配書を見たことあるとか言っていたから、もしかしたら出るかもしれないね。何か欲しい物でもあるのかい?」

「上級の魔導書!」

「魔導書か~、それも上級・・・ルシオはすごいね、俺は魔導書なんてさっぱりだよ」

「バーナードは力持ちだから魔法は必要ないでしょ?」

「はっはっ、それだけしか取り柄がないけどね」

「そんなことないと思うけど・・・」

「ルシオは本当に優しいね。そうだ助けてくれたお礼がしたいんだけど、何か欲しいものとかあるかい?あ、上級の魔導書以外で」

「ん~、ん~と・・・特にないかな・・・」

「う~ん、じゃあ何かやってほしいこととか」

「う~ん・・・あ!ユダ婆に見つかったら匿って」

「それは・・・頑張ってみるよ・・・」

「あと肩車!」

「それならお安い御用さ」


大きなバーナードに肩車されると本当に高い

俺の頭の位置が2メートルを優に超えている

手を伸ばしたら天井に届きそうだ


「あ!もしユダ婆に見つかってもバーナードの肩の上ならユダ婆も届かないかも!」

「ははっ、そうなったら俺がユダ婆に怒られちゃうね・・・」


バーナードは苦笑いをしている

それでもどこか楽しそうだ


助けることができて本当に良かった


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