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Save! Load! Continue?  作者: とっしぃ
第二の人生
14/300

14 恐怖と決意

「なんだ?火事か?」


前回と同じようにディルクが反応する


「ただの火事にしては火の手が多すぎない?お父さん」

「そうだな・・・」


一緒に外に出て様子を見る


「また増えた、誰かが火をつけて回ってるんじゃない?」

「誰がそんなこと・・・とにかく様子を見てくる、お前は家に入ってろ」

「僕も行く!」

「駄目だ!危ないことかもしれないんだぞ!」

「僕なら魔法で火を消すこともできるよ」

「それは・・・そうだが。いや水魔法くらい使える奴は自警団にも何人かいる、お前は家に居て母さん達を守ってくれ」

「・・・わかった、気を付けてね!」

「ああ!わかってる!」


武器を取りディルクは村の西の方に走っていった


「お母さん達は家の中にいて!」


アリシアにそれだけ言って外に出る


「ルシオ!?」

「大丈夫!家からは離れないから!」


さっきは隠れて敵の姿を見ていない、まずは敵を知らないと


アリシアが家の中から心配そうにこちらを見ている

俺は目と耳に魔力を集中させ辺りの様子を伺う


すると西の方から悲鳴が聞こえた

山賊だろうか?叫ぶような男の声もいくつか聞こえる


火の手が近くなってきた


すると火が上がった家から村人が逃げ出すのが見えた

しかしそれを山賊らしき連中が火魔法を使い攻撃する

村人は火だるまになりながらもがき声にならない悲鳴を上げている


遠目とはいえ人が燃えるさまを初めて見た

人を簡単に焼き殺せる外道を初めて見た


恐怖と怒りが同時に襲ってくる

体が震える

だが武者震いなのか恐怖での震えなのか自分でもわからない


(くっ・・・あいつら!)


ひとりの山賊が火をつけた村人をそのままに家に侵入した

家の中からもかすかに悲鳴が聞こえる

他の山賊は別の家に狙いを変えながらだんだん東に進んでくる

今見えるだけでも10人くらいいる

しかし別の場所でも火の手はあがっているのでおそらく少なくとも倍はいるだろう


(父さんはどうなった?まだ戦ってるのか?それとも、もう・・・)


そして山賊が家の近くまでやってきた


「なんだ?あのガキ」

「売れば金になりそうだが抵抗するなら殺せ」

「おう」


そう話しながら俺の家に火をつけようとした


山賊が家に向かってファイヤーボールを放つ

それをとっさに風の初級魔法『ウィンドショット』で逸らす


「お?抵抗する気だな、殺せ」

「わかった。ひひっ」


指示された男が下品に笑いながら俺に向かってくる


それと同時に家からアリシアが飛び出してきた


「デュー・アゴニ・フィア『ブレイズカノン』」


アリシアが放った魔法が男に向かう

しかし男は魔法を難なく避けた


「お?いい女だな。ひひっ、女は俺が貰う、ガキを殺っといてくれ」

「すきにしろ」

「ルシオ!逃げなさい!」


(くっそ・・・)


_______

Loadしますか?

►はい/いいえ

_______


(動けなかった・・・足が動かなかった・・・)


生まれて初めて人に殺されると思った

前世では揉め事が面倒で喧嘩なんてほとんどしたことがなかったから人に恨みを買うようなこともしていない

だから人に敵意を向けられること自体ほとんど無かった


(情けない・・・)


体が震える

初めて向けられた人の殺意にあてられて


「ルシオ?どうしたの?」

「っ!?」


突然声を掛けられビクッとした


「ル、ルシオ?」


(そうだ、Loadしたんだ・・・落ち着け、これじゃ完全に変な子だ・・・)


アリシア達から見れば食事中急に暗い顔になり震えだしたようになる

心配というか不気味だろう


「大丈夫・・・えっと、舌噛んじゃって・・・」

「あら、大丈夫?」

「ははっ・・・痛い・・・」

「ちょっと見せて?」

「大丈夫大丈夫!このくらい治癒魔法で治るし」

「あ、そうね。でも気を付けて食べるのよ?急がなくても取ったりしないから」

「うん」


アリシアがふふっと笑う、俺が食事に夢中になって舌を噛んだと思っているのか

アリシアと会話して少し落ち着いた

治癒魔法をかけるふりをしながら考える


(根本からどうにかしないと、そもそも火の手が上がった時点でギリギリアウトなんだ)


火の手が上がった時点で山賊達は村に入っている

すぐに散開して被害が急速に広がるだろう


山賊達はサーベルのような細くて少し湾曲した剣を持っていた

おまけに初級とはいえ魔法を使う

そしてアリシアの不意打ちに反応できる身体能力


(中級も使えると思っておいた方がいいな・・・)


もう今回は火の手が上がるまで対策を考えることにする


(身体能力は父さん並みか?もし全員がそうならまずいなんてレベルの話じゃないな)


おそらく身体強化魔法も使える

さらに魔法も使えて躊躇なく人を殺せる戦士

それが少なくとも十数人居る、少なめに見積もってもだ

厄介なんてもんじゃない


ただ統率は取れていない可能性もある

奴らは指示を出す者がいるとはいえ基本的にバラバラに行動している様子だった

とはいえ子供の俺一人で、たとえ順番に相手したとしても全員倒すのは不可能だろう


(まずは西の方を調査しないと・・・はぁ、何回Loadすることになるんだろう・・・)


この村の住民は本当にいい人たちばかりだ

ひとりも犠牲なんか出したくはない


それでも先ほどの恐怖がまだ残っている

これを何度も繰り返すかもしれないと思うと気が滅入る


(覚悟って決めたつもりにしかなれないんだな・・・)


人は簡単に覚悟を決めたと口にする

しかし覚悟を決めたと言った瞬間はまだ土壇場になる前が多いだろう


(それでも俺が何とかしないといけないんだ、何とかしてみせるさ・・・)


もう一度気合を入れなおす


_______

Loadしますか?

►はい/いいえ

_______



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