12 八歳の誕生日
「誕生日おめでとうルシオ」
「ルシオも八歳になるのか~、子供の成長はほんと早いな~」
「「にいたん、おめえとう」」
「ありがとうお父さんお母さん、マルクとアリスもありがとう」
今日は俺の八歳の誕生日
夕食のテーブルには沢山の料理が並んでいる
「今日は凄い御馳走があるのよ」
「森で珍しい獲物が取れてな、ニジヨビドリって言うんだ。美味いぞ~」
「ニジヨビドリ?」
「虹色の尻尾が四本ある鳥だからそう呼ばれているんだそうだ、他にも虹がかかった時に時々見かけるから虹を呼ぶ鳥って意味でニジヨビドリって名前がついたともいわれるな」
「へ~~、そんなに美味しいの?」
「珍しい鳥だから父さんも二回しか食べたことないけどもの凄く美味かったぞ!身は柔らかいし油ものってて最高だったな~」
「さ、ルシオ食べてみて」
「うん!」
メインの骨付きどりを一口食べる
身はホロホロで簡単に噛み切れた
口に入れると甘くてジューシーな脂が広がりいい香りが鼻に抜ける
「おいしい!何これ!」
「ははっそうだろ!美味いだろ」
「今日はルシオが主役なんだから全部食べてもいいのよ」
「え?」
そう言われて手が止まる
ニジヨビドリはそんなに大きい鳥ではないのか目の前にある骨付きどりは一人でペロリと食べられる量しかない
(さすがに独り占めはできないよな・・・でもめちゃくちゃ美味いなこれ・・・あ、そうだ)
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Saveしますか?
►はい/いいえ
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完全に私利私欲の為だが食欲が勝った
(何度もオプション使ってるけどこのくらいで何か起こったことないしな)
と自分に言い訳をする
(さて、Saveもしたし)
目の前の鶏肉に頬張りつく
アリシアとディルクは美味しそうに食べる俺を見てニコニコしているがマルクとアリスは指をくわえて欲しそうにしている
(ごめんな、ちゃんと食べさせてあげるから)
あっという間にニジヨビドリがなくなる
(美味しかった~~~)
_______
Loadしますか?
►はい/いいえ
_______
さっき食べたニジヨビドリが元通りになっている
「珍しい鳥なんでしょ?みんなで食べようよ」
そして白々しくいつものいい子のルシオに戻る
「遠慮しなくてもいいのよ?」
「いいよ、マルクとアリスも食べてみたいだろ?」
「「うん」」
「はい、どうぞ」
俺がみんなの分を取り分ける
五人に取り分けるとあっという間になくなった
「ありがとうルシオ」
「ほんと子供の成長って早いな~」
ディルクはちょっとうるうるしている
一度独り占めして巻き戻したなんて言えない
他の料理も堪能しアリシアと二人で片づけをする
「誕生日の日くらいいいのよ?」
「いいよいつもやってるし」
「ふふっ、ありがとう」
ディルクは双子を連れてお風呂に入っている
「ルシオも大きくなったわね」
「もうすぐお母さん追い抜けるかな?」
並んで立つとアリシアの肩くらいの高さまで成長していた
「身長もそうだけど、ね?」
「ん?」
きっと内面のことを言っているのだろう
実際はズルをしているのでとぼけたふりをする
片づけが終わるころちょうどディルクたちが風呂から出てきた
「「にいたん」」
「かみ」「ぶわぁ~~ってやって」
「はいはい」
ぶわぁ~ってのはドライヤーのことだ
風と火の複合魔法でドライヤーを再現してみたところ家族に好評だった
「ふたりともおいで」
「「あい」」
俺が座ると左右の足の上に二人が背中合わせに座る
前にどっちが先にやるかで喧嘩になったことがある
それ以来二人同時にやるようになった
「熱くない?」
「きもちい」「へいき」
その様子をディルクとアリシアが寛ぎながら見ている
「はい乾いたよ」
「にいたんありがと」「ありがとう」
二人の笑顔を見れるならこれくらい毎日してやる
「お父さんもやる?」
「俺はほとんど乾いてるからいいよ、それよりルシオも風呂入ってきたらどうだ?」
「うん、そうする」
と立ち上がった時
「今日は母さんと一緒に入りましょ?」
「え!?」
アリシアが突然そんなことを言ってきた
もっと小さいころはアリシアとも一緒に風呂に入ることがあったがここ二、三年ずっと一人で入っていたのでちょっとびっくりした
「なによ、もう母さんと一緒に入るの嫌なの?」
「嫌ってわけじゃないけど・・・」
「母さん悲しい・・・」
大げさに悲しむふりをしている
子供の誕生日に成長を実感して母親として何か思うところがあるのかもしれない
「わかった・・・」
「やった!さぁ行きましょ」
アリシアの息子歴ももう長いのでアリシアの裸で興奮するとかはない
ただ単純に恥ずかしい、まだディルクと一緒のほうが気が楽だ
(一度ニジヨビドリ独り占めした罰が当たったかな?)
そんなことを考えながらアリシアと風呂に入った




