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Save! Load! Continue?  作者: とっしぃ
学園編
113/300

113 赤竜との再戦

俺は今王都西の山脈に居る

どうやらここはドラセルク山脈というようだ


騎士団のマホン率いる参番隊とジオラ率いる伍番隊に同行することになった

各隊10名ずつ程が参加していた、どうやら全員参加ではないようだ

騎士というのは色々忙しいらしく他の隊員は別の仕事をしているらしい

話に聞くと騎士団の各隊長が率いる捌番隊までは各隊20名ずつほどの少数精鋭の部隊みたいで

王都の騎士といっても兵士のほとんどはどの隊にも所属していないらしく

全捌番隊のどれかに所属していることはそれだけで優秀だと認められた証のようなものらしい


しかし近年戦争もなく世の中が平和になったことで隊員のレベルはかなり落ちているそうだ

俺の知っている隊長達はどれも化け物じみた強さなのだけど



マホンとジオラ以外に知っている人も居ないし、レイラを守るために同行しているようなものなので

道中は基本的にレイラと一緒に行動している

レイラにくっつく俺にジオラがくっついてくるので、ほとんどこの三人で駄弁りながら山脈の奥を目指している

マホンはというと真面目に隊に指揮を出しながら先頭を進んでいるので、後ろの方を歩く俺達とは休憩の時くらいしか話ができない


各隊の面々はマホンやジオラと親しげに話す俺に対して

興味深々で質問攻めしてくる者もいれば

生意気だと思っているのか遠目で睨んでくる者も居たりと様々だ


全員説明は聞いているはずだが、初対面の人ばかりなので『本当に役に立つのか?』と訝しむ者が多いみたいだ

まぁそれも仕方ないだろう



道中は今のところ平和で

時々ワイバーンや狼、熊等の魔獣と遭遇する程度で赤竜はまだ姿を現していない

それにマホンが俺に気を使ってくれているのか進行も緩やかで、のんびり歩くことができている

気を抜いているということは無いのだが、まるでハイキングにきたような気分だ

それにジオラとの会話はとても新鮮で、あっという間に時間が経つ

結局初日は何もすることがないまま、山を一つ越えたところで野営することになった




「この辺は平和なものじゃの、竜のこぶまでは赤竜と遭遇することもないじゃろう」

「竜のこぶ?」

「一際大きな山が三つ並んでおるじゃろ?それが竜のこぶと呼ばれておるんじゃ。大抵竜のこぶの山頂付近には赤竜が巣を構えておる。他所から来た赤竜もその辺を好んで縄張りにするみたいじゃの」

「へぇ~」

「明日からが本番じゃ、ゆっくり休んで英気を養っておけよルシオや」

「わかりました」

「んじゃ爺さん後はよろしくな。オレたちは休ませてもらうぜ」

「はいよ」

「ルシオ、こっちこいよ」

「へ?あ、マホンさん達は見張りですか?」

「うむ、気にせんとゆっくり休みなさい」

「そういうこと」


そう言ってジオラは強引に俺の手を引っ張る

強引といってもジオラにとっては大して力を入れていなさそうだけど


「え?ちょ、そういや俺のテントは?」

「だからこっちだって」


ジオラに案内されたテントに入ると中にレイラも居た


「いらっしゃいルシオ君」

「あぁ・・・お邪魔します」

「何よそのリアクション?美女二人と一緒に寝れるのに嬉しくないの?」

「ジオラさんも!?」

「当たり前だろ」


(絶対気使って眠れないだろ・・・)


とはいってもよく知らない他の隊員と寝るのもそれはそれで気を遣う


(まだレイラとの方が落ち着くか)


「ほらほら横になったら?少しお話しましょうよ」

「俺真ん中なんですね・・・」

「もちろん」


俺を挟むようにレイラとジオラも横になり

三人で川の字に並ぶ


「ねぇねぇ気になってたんだけど、あのサラって人ルシオ君とどういう関係なの?」

「あ~・・・サラは、俺の従者です。付き人というか・・・色々ありまして、やましい関係じゃないですよ?」

「ルシオの護衛だとか言ってたな?でもあいつお前より弱いだろ?何の意味があるんだ?」

「だから色々ありまして・・・サラは俺に恩を感じていて、それでその恩を返すために俺の身の回りの世話とかしてくれているんです」

「その歳でもう妾を持つなんて流石ねルシオ君」

「やましい関係じゃないって言いましたよね?」

「ついでにもう一人リリーのことも貰ってくれない?」

「話聞いてます?・・・そんなこと言ってると本当に貰っちゃいますよ?」

「いいわよ?リリーも喜ぶと思うし」

「ちょっと姉としてどうなんですかね・・・」


出発する前サラを説得するのに結構手こずった

離れたところをついていくときかないサラを宥め

出発の前にSaveしておき、何か危険なことがあったらその時はやり直してサラにもお願いするという条件でなんとか留守番してくれることになった

といっても渋々といった感じで最後まで納得はしていないようだったが


サラは家庭が崩壊してから今までの数年間、感情を殺して生きてきたみたいだ

そんな普段表情を崩さないサラが、俺の傍に居られないというだけで泣きそうになっているのを見ると凄く申し訳ない気持ちになってしまう

もっともそれはサラが感情を表に出してくれているということなので嬉しくもあるのだけど



「むぅ・・・最近の若い奴は爛れてるなぁ」

「若いって・・・ジオラさんだって若いでしょう」

「そう思ってたんだけどな~。親からはいい加減結婚しないと行き遅れるぞって言われるし・・・」

「へぇ~・・・でもジオラさん美人だしモテるでしょ?相手なんかいくらでも、それとも自分より強い相手じゃないと嫌とかですか?」

「・・・・・お前はホント可愛い奴だな~」

「?」


(あれ?なんか会話が噛み合ってない?)


ジオラの結婚の話をしていたのになんで俺が可愛いと言われたのかわからなかった


「そんなこと言ってくれたのお前くらいだよ~」


ジオラは美人と言われたことに喜んでいるのかだらしない笑顔を浮かべている


「ルシオ君はそうやって色んな乙女の純情をもてあそんでるんだね」

「え!?いや、そんなつもりは・・・」

「それとも天然たらしなのかな?」

「勘弁してください・・・これから人の事を褒めることもできないじゃないですか・・・」

「あはは」

「う~ん・・・お前見てると年下もいいかもって思えてきた」

「そうですか・・・」


その後もダラダラと他愛もない会話が続いた

そして少しずつ会話が途切れがちになって来て

気が付くと二人とも眠ってしまったようだ


「おやすみなさい・・・っ!?」


俺もいい加減眠ろうと思ったら

いきなり隣で眠っているはずのジオラに抱き着かれた


「ジ、ジオラさん?」

「ん~・・・」

「寝てるよな・・・うおっ!・・・く、苦しい」


ジオラは俺を抱き枕のように抱きしめ眠っている

眠っているはずなのにその力はもの凄く強かった

完全にジオラの腕が俺の首を絡めとっているので気を抜くと絞め落とされてしまう


(こ、殺される・・・)


それからジオラが寝返りをうつまでの小一時間、気を抜くことができなかった

ようやくジオラから解放された俺はジオラに再度捕獲されることを避けるためレイラの方に少しだけ移動した


「ん~・・・リリー・・・えへへ~」


(今度はこっちかー!)


ジオラを避ける為レイラの方に近づきすぎたのか少しだけレイラに触れてしまった

すると今度は寝返りをうったレイラに抱き着かれることになった

しかしジオラと違ってレイラは優しく抱きしめてくる

それはとても心地よい感触なのだけど


(こ、これはこれで・・・眠れない)


結局朝までほとんど眠ることはできなかった


____

__

_



「どうした?ルシオや。昨日はあまり眠れなかったのか?」

「はい・・・」

「大丈夫?ルシオ君。やっぱり美女二人に挟まれて緊張しちゃったのかな?」

「あ、はい・・・そんなとこです・・・」

「え、本当に?ごめんね」

「大丈夫です、気にしないでください」


ジオラはともかくレイラに抱き着かれて悪い気はしない

なので二人を恨むのは違うし、まぁ役得と思うことにしよう

疲れは残っているが一晩徹夜するくらいなんてことはない


「大丈夫かルシオ?まあ何かあってもオレが守ってやるから今日もオレの傍でゆっくりしてな」

「いえ、今日はマホンさんと一緒に行動します」

「はあ!?なんでだよ」

「昨日ずっと一緒にいたじゃないですか、それにマホンさんとも話したいことあるんで」

「ちぇっ・・・」


そう言い訳して今日は先頭を歩くマホンの近くに居ることにした


「ジオラから逃げてきたようじゃの」

「わかります?」

「ほっほ、あ奴の相手をするのは体力がいるからのぅ」

「赤竜を相手にする方が楽そうな気がしてきました」

「そういえばお主の持っているその短剣、レッドドラゴライト製じゃろ?どこで手に入れたんじゃ?」

「自分で素材をとってきて鍛冶屋に持って行ったんです」

「ということは赤竜と戦ったことがあるのか?」

「はい、一年ほど前に」

「一人でか?」

「はい」


すると会話が聞こえていたのか近くを歩く隊員達が少しどよめいた


「果たして儂の隊に一人で赤竜を狩れる者がどれほどおるか・・・」

「「「・・・・・」」」


棘のあるマホンの言い方に一部の隊員達は居心地が悪そうだ

しかし中には『俺は一人でやれるぞ』と自信満々な表情の者もいる

同じ隊の中でも実力はピンキリのようだ


(俺が悪者みたいになるからやめてくれ・・・)


隊員からの視線が背中に刺さる


「では隊長、赤竜が現れたら彼に討伐してもらいませんか?我々も彼の実力を見てみたいですし」

「戯けが・・・まこと情けない・・・」

「俺はいいですよ?隊員さん達に足手まといだと思われたくないですし」

「すまんのう、ルシオ・・・・小僧、お主は後で説教じゃ」

「は、はい・・・」


それからしばらく歩き、竜のこぶと呼ばれる大きな山の中腹辺りまで登ってきた

その時、大きな岩の向こう側にうっすら魔力を感じた


(あの辺何か居るな・・・)


「マホンさん」

「気付いたか?流石じゃのう」


ワイバーンや魔獣とは明らかに違う、魔力が溢れ出ている感じ

おそらく赤竜だろう


マホンが後ろを歩く隊員たちにジェスチャーで警戒を伝える


「それではすまんが頼めるか?ルシオや」

「わかりました」

「無理そうならすぐに言いなさい」

「わかってます」


大岩を迂回するように移動する

すると予想通りそこには赤竜が居た

以前戦った赤竜よりも小さい

どうやら猪を狩り食事に夢中になっているようだ


気付かれていないうちに不意打ちで仕留めた方が楽なのだがそれでは実力を見せられないかもしれない

かといって戦闘になり万が一苦戦してしまうとカッコ悪いし

それにどうせ殺すならなるべく楽に死なせてあげたい

偽善だと思うが苦しませてしまうよりはいいだろう


少し考えた結果

実力を見せつつサクッと殺すことにした


(大丈夫・・・できるはずだ)


食事をしている赤竜に気付いてもらえるだけ体に魔力を籠める

赤竜は魔力感知に優れている、すぐに俺の存在に気付いた

威嚇するように唸っている


挑発するように『ストーンボール』を赤竜に放った

俺に敵意があると判断したのか赤竜はこちらに突進してくる

しかしこのところノワールやジオラといった化け物を見てきたので赤竜の突進はとても遅く感じた


「危ない!」


様子を見に近くまでやって来ていたレイラが声を上げる


「大丈夫」


過去そうしたように赤竜の突進を魔法障壁を展開して防ぐ

いきなり出現した壁にぶち当たり赤竜が怯む

そこを両側から『ロックピラー』を伸ばし赤竜の頭を潰す

赤竜は頭を潰され即死したのか、反射で何度か体をビクッとさせた後動かなくなった



赤竜の背中にはこぶし大の小さなドラゴライトがあった

俺が短剣を作ったときので50歳くらいの赤竜だったらしいが

そこから考えるとこの赤竜は10か20か、なんにせよかなり若い赤竜だろう



レイラや一部の隊員達は俺があっさり赤竜を倒したことに驚いているようだ


「マホンさん、この赤竜って・・・殺す必要ありましたか?」

「弱いうちに間引いておかねばいずれ強力になり人間に被害が出てしまう。これでいいんじゃよ」

「・・・わかりました」


マホンの言う通りこれは必要なことだろう

罪悪感は多少残るが


「えっと・・・どうでしょう?」


先ほど俺を試すような事を言った隊員に尋ねる


「あ、ああ・・・君の実力は認めるよ」

「それは良かった」


隊員の後ろでマホンとジオラが笑っていた


赤竜の死体を焼いて

さらに山頂を目指すことになった


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