11 成果と近況
あれから二年半が経った
俺はもうじき八歳になる
魔力強化を毎日続けているおかげで今ではかなり魔力総量が増えてきた
実験で中級魔法を連発してもなかなか魔力切れしなくなっている
そして中級魔法も一通り習得できた
魔導書にある火・水・土・風の四属性の魔法を初級・中級とマスターしたことになる
さらに家にある魔導書にはなかった氷魔法も使えるようになった
水が変化したら氷になるので「例えばこんなのできるかな?」と試してみたところ試行錯誤の末できるようになったのだ
もっとも氷魔法といっても水魔法に属するのかもしれないが
氷魔法は土魔法と一緒で使い勝手が良い
礫を飛ばしたり先の尖った槍状の物を作ったり、壁を作って攻撃を防いだりと攻守ともに活躍しそうだ
さらに魔力強化の副産物で魔力のコントロールがかなり上手くなった
例えば足に魔力を集中させるといつもより速く走ることができる
ディルクはこれを強化魔法と言っていた
この世界の剣士などは無意識のうちにこれを使っているらしい、剣士も魔法が使えるということだ
そして目に魔力を集中させると視力を強化したり魔力そのものをぼんやりとだが見ることができたり、耳と全身の皮膚に魔力を集中させると微細な音や空気の動きにも反応できるようになる
これらは索敵なんかに役立ちそうだ
さらにさらに複合魔法も使えるようになった
複合魔法はいくつかの魔法を同時に使い様々な効果を発揮することができる
例えば氷魔法と風魔法で吹雪を起こすこと等ができる
複合魔法は魔法を二つ以上同時に発動しなければいけないので無詠唱魔法ができることが前提になる
なので複合魔法を使える人は結構少ないそうだ
だがそんな複合魔法のおかげで魔法の可能性がさらに広がった
そして治癒魔法
グレースという村で唯一治癒魔法を使える人物に教わり、時間はかかったがなんとか俺も使えるようになれた
面倒なことに治癒魔法を使うには無詠唱できることが条件となる
治癒魔法のための詠唱は無いそうだ
しかし無詠唱は魔法を根本から理解していないと難しい
攻撃魔法等は全て無詠唱できる俺も使えるようになるのに苦労した
治癒魔法は怪我をしたところに魔力を送り自然治癒力を爆発的に高めて怪我を治すらしい
医学の心得がある人は必要なところに必要なだけ魔力を使い消耗を抑えることができるらしいが俺には医学の知識なんてほとんどない
どうしても治したいところ全体に魔力を送る力技になってしまう
その為魔力消費が半端ない、ちょっとした切り傷を治すのに中級魔法より魔力を使う
大抵の人は治癒士として動けるほど魔力が足りないか無詠唱ができず挫折するらしい
だから冒険者でも治癒魔法を使える人はかなり貴重な存在みたいだ
病気などを治すのもできなくはないだろうが特に魔力が必要になるだろう、どこが悪いか医者でもない俺にはさっぱりだからだ
なのでほぼ全身に治癒魔法をかけなければならなくなる
まだ試したことはないがおそらく今の俺でも魔力切れになるのではないだろうか
因みに切断された手足を生やすことも理論上は可能だそうだ
だが現実的ではない、桁外れの魔力が必要になるからだ
グレースは実例を見たことも聞いたこともないと言っていた
そして蘇生魔法はないみたいだ、人は死んだらそこで終わり
それはファンタジーの世界でも変わらないようだ
まあ俺みたいな特殊な存在がいるかもしれないが
ウィルも魔法の腕をめきめき伸ばしている
中級魔法もいくつか使えるようになった
ウィルはどうやら風魔法が苦手なようだ、理由は「見えないから想像できない」だそうだ
なので風魔法は初級ですらかなり手こずった、現在中級を習得中
魔力強化のやり方を教えてからはウィルも毎日実践しているようで魔力総量もかなりのものだ
強化魔法もできるようになっている
もうその辺の大人より全然強い
因みに水と土魔法なら中級まで無詠唱できるようだ
火は現在無詠唱を練習中、風は初級ですら無詠唱はできないとのこと
強化魔法が使えるようになったのと体が少し大きくなったので最近は剣術が楽しくなってきた
強化魔法を使うとディルクともいい勝負ができるようになってきた
といってもディルクは子供相手にまだ本気を出してはいないけど
しかし本気を出してないのは俺も同じだ、魔法も織り交ぜるとディルクにも勝てるかもしれない
まあ試したことはないし試すつもりも当分ないが
最後に、双子も成長している
一人で歩き回るようになり言葉も覚えてきた
双子からは「にいたん」と呼ばれている
二人とも超かわいい
マルクは人見知りな性格なのか知らない人が家に来ると俺か両親にくっついて離れない
アリスはあまり泣かないし笑わない、といっても表情がないわけではなくクールな女の子だ
二人ともどちらかというとおとなしい性格みたいだが好奇心は強いらしい
庭で簡単な魔法を見せてやったら目を輝かせていた
もう少し成長したら魔法を教えてやろうかな
友達と家族に囲まれて充実した毎日を送っている




