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Save! Load! Continue?  作者: とっしぃ
第二の人生
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01 死

「いや~、ごめんごめん」


突然俺の目の前に現れたスーツ姿の中年の男は軽い口調でそう言ってきた


本当に突然、瞬間移動してきたかのように男は目の前に現れた

そして突如男が現れるのと同時に周りは真っ暗闇になっていた

突然の停電のように、だが不思議なことに男の姿は鮮明に見える


突然の出来事に頭の整理が追い付かない


「あ~~・・・やっぱり混乱してるよね、完全に僕のミスだ、君には申し訳ないことをしちゃった、本当に申し訳ない」


目の前の男が今度は真剣に謝罪してくる


「いや、突然そんなこと言われても俺にはなんのことだかさっぱりなんだけど・・・っていうかあんた誰?なんで真っ暗なの?なんで真っ暗なのにあんたのことは見えるの?ここどこ?俺たしか家に帰ろうとしてたはずなんだけど?これって夢?それに・・・」

「あ~~うんうん、混乱してるのはわかるけどそんな一遍には答えられないから」

「あ、すみません」

「巻き込んじゃった僕が言うのもなんだけど一度整理してみようか、まずは僕が誰かという質問に、僕はこの世界を管轄する死神です」

「・・・・・・・・・・・・・はぁ」

「ポカーンって擬音がピッタリな顔してるね、ははっまぁそうなるか」


苦笑いしながら男は言う


「君は僕のミスで死んじゃったんだ」

「・・・・・・はぁ?」

「ここは死後の魂がほんの少しの間だけ滞在することができる空間、寿命とかで死んだ人はすぐ納得して成仏してくれるし君みたいに死んだことに気づいてない人は説明説得して成仏してもらうんだ」

「じゃあ俺は気づかない間に死んじゃったってこと?突然死ってやつ?ショック死?いや心臓発作にしたって数秒は苦しむんじゃないの?突然スナイパーに頭撃ち抜かれたとか?」

「落ち着いて、君が死んだのは死神である僕のミスだって言ってるじゃないか」

「お前のせいで死んだ?なんだよそれ、俺殺されるようなことやったか?」

「やってない、人の恨みを買うようなこと君はなにもやってない。君は人当たりも良いし嫌いになりそうな苦手なタイプとは距離を置いてトラブルを避けるタイプでしょ?だから目立った敵も作らない、本来君はそのまま人生を過ごし91歳で老衰で死ぬ予定だったんだ、どうしてこうなったのかちゃんと説明するしこの事に対するお詫びも用意する。」


どうやら死神の性格診断は結構正確なようだ


確かに俺はそういう性格で嫌いな人もほとんどいない、そもそもトラブルが面倒なので喧嘩まで発展させないようにしている

だから学校の先生とかには割と優等生扱いされていたが、要は面倒くさがりなのだ

楽に楽しく生きていけたらいい、そういうマイペースな性格


そんな俺でもいざ死を体験すると、といっても実感はまだあまりないけど・・・怖いし寂しい


『まだやりたいことあったのに』という後悔もあれば、まぁ苦しまずに死ねたのはラッキーかなという能天気な思いもある

もっとも後者は本心でもあり死に対する恐怖への強がりでもあるだろうけど・・・


少しずつ冷静になりながら考えてみればやりたいこともそんなにないかもしれない

途中までしかやってないゲームや漫画の続きが気になるとか、予定していた友達との飲み会行きたかったなぁとか


なんだ大したことないな、まぁその程度の中途半端な人間だ俺は




地頭はいいのか小さいころから賢かった、理解力がある方で何をやっても大抵のことは見て真似したらできてた

だから何をやってもコツを掴むのが早くてあっという間にある程度のレベルまではいける

でもその程度だ、平均よりちょっと上、そこから先は努力が必要、んでそこで面倒になる、器用貧乏


顔も身長も家柄も、俺という人間はほとんど平均

色んな才能はあると思う、必死で努力すれば一流になれるかもしれない、でもその努力を怠ってきた

不器用でも好きなことにひたむきになれる人が羨ましく見えることもある


でも思うだけ

だって努力するのって疲れるし面倒だから

俺に努力の才能は無かった



強いてあげるなら宇宙のこととか、オーパーツとか

そういった世界の神秘のようなものには凄く興味があった

だから死ぬまでには一度くらい世界遺産とかを自分の目で見て回りたいと思っていたのだけど

面倒くさがりな性格だから、結局思うだけで行動に移すことはなかったな





はは、思い返しても大したことなんもないな・・・

うん、もういいや。思い残すことは無いな



自暴自棄になりつつもこうして考え事している間死神はずっと黙っていた


ん?結構沈黙が続いてると思うけど何も言わないなこいつ

俺の性格言い当てたり、あってるかわかんないけど寿命も知ってたし、この不思議な空間

まぁこいつ本当に死神なんだろうな、死後の魂が少しの間だけ滞在する空間だっけ?ここ

ってことは死神のテリトリーってことか?、俺の考えてることも筒抜けなのかな?だから気を使って黙ってくれてるとか?

「うん、そうだよ」

「!!!?・・・びっくりした~、いきなり返事すんなよ・・・ってかなんか恥ずかしい・・・」

「ごめんごめん、でもだいぶ冷静になってきたみたいだね」

「ぅ、うん」

「じゃぁそろそろなんで君が死んじゃったか説明してもいいかな?」

「うん、頼む」

「実はね・・・・(かくかくしかじか)・・・」






要約するとこうだ


俺が死んだ日、その日は土曜で仕事も休みだった

休日といっても予定はなく二度寝して昼前に起きて、暇つぶしの為と日用品を少し買いたかったので街に出た

三時間くらいパチンコを打って結果少しだけ勝てたので日用品と晩飯代にはなるかなとちょっと機嫌が良かった

そして電気屋や本屋等をブラブラ周り、買い物も済んだしそろそろ帰るかとマンションへの帰り道

前から来た居眠り運転のトラックが歩道に突っ込んだ




俺の歩いてる反対側の歩道に







「というわけなんだ」

「・・・・・・・・・・・ぇっと・・・・」

「言いたいことはわかってるよ」

「・・・・・それでなんで俺が死ぬの?」

「うん、もっともな意見だ!」

「もっともな意見だ!じゃなくて!なんで!それで!俺が死ぬのさ!」

「うん・・・ここからが僕が犯した失敗についてなんだけどね・・・」

「おう」

「本来死ぬはずだったのはトラックに轢かれた人、君の反対側を歩いてた人なんだ、西暦19〇〇年〇月〇日生まれの名前を〇〇 〇〇っていうんだけど」

「・・・・・はぁ?」


死神が言った生年月日と名前は俺のものだ、こいつ何言ってんだ?という疑問と共に一つの可能性が頭をよぎった


「その通りだよ、本来死ぬはずだったその人は君と全く同じ日に生まれた同性同名の人なんだ、名前の漢字も一緒だよ」

「そんな、〇にも奇妙な物語みたいなことって・・・」

「実際にあったんだからしょうがないでしょ」

「・・・・マジか」


因みに死神は全ての生き物の生まれた時と名前、そして寿命がわかるらしい、さすが死神


ってかそんな人と実際会ったら運命とか信じない俺でも運命を感じて秒で仲良くなる自信がある

自己紹介して即ハグだ、んでもって朝まで飲み明かすんじゃないかな?


「ってそんなことは置いといて、なんとなく察しはついたけどその人じゃなく俺が死んだ理由って・・・?」

「うん、近くにいたから間違えたッ♡」

「あぁ?」

「わ~怖いッ、ほんとにごめんね、その人がトラックに敷かれて死ぬのは運命だから事前にわかってたんだ、だからそのタイミングで魂を回収しに行ったら先に同じ名前と生まれの君が目に付いて、てっきり君が対象者かと思っちゃってさ~・・・・・だってそんな偶然ある?人が死ぬ瞬間に偶々近くにいた人が同姓同名で生年月日も一緒だなんて、僕長年死神やってるけどそんな場面初めてだよすごいね~」

「・・・あのなぁ」

「あ~~、えっと・・・ごめんなさい」


なんかだんだん怒る気も失せてきた

確かにそれはすごい偶然だ・・・



うん









うん、ぱっとしない俺の人生にしては喜劇チックな面白い幕引きじゃないかな?

そう思うと怒りは全くなくなっていた


「もういいよ、最後の最後で貴重な体験ができたと思うことにする、思い残すことも別にないし。あ~家族はショックうけるだろうな、でも死んじゃったしどうしようもないか・・・」


あとは成仏するだけか?どうやったらできるんだろ?思い残すことがなかったら自然と消えてくのかな?


「えっと自己完結しかけてるとこ悪いけど、一つ大事なこと忘れてない?僕説明するときに今回の件のお詫びも用意するって言ったよね?」

「そういえば、言ってたような・・・お詫びって?」



「うん、もう一回人生やり直してみる?」







「・・・・・・・え?」





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