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最初の文章的ウェイトが重かったので、これから2000~3000にしようと思います。

あの頃から何日かが経過し、もう7月25日。プール開きをしたあの頃がつい昨日のように思い出せる。


この日は一学期の評定と終業式が行われていた。やれ「お前の国語高いなぁ」だの、やれ「オール3で平均的すぎる」だの、皆がみな紙切れ一枚で一喜一憂している。


私?私はオール4。かといってどうという事でもない。至っていつも通り。中学の頃もこんな感じだったから、今さら落胆も安堵も歓喜もない。それをするのは他人と比べた時だろう。


「あかねの見ーせて!」


ひょいっと、広げた通知表を上から取られてしまった。視界にひょっこりはんしたのは村上千尋。イタズラっ子な笑顔からは八重歯がキラリとチラリと見えた。


「えぇー、オール4って何?狙ってやってんのこれ?」


「いや狙ってないよ、昔からこんな立ち位置なの私はっ!」


少し小バカにしていた村上にイラッとし、お返しに村上の通知表を取り上げてやった。


oh...オール5。お前こそ狙っても普通はできないよこんなの。


「まっ、私も昔からこんな立ち位置なんだよ、フフン。」


さぁさっきのを撤回しよう。だから他人と比べるべきではないのだ。一時の感情で動いてしまった自分を悔やむ。くそぉ、この秀才めぇ!


歯を食い縛り、目を合わさず通知表を返す。学力というステータスはどうしてこうも不条理な振り方をするのだろうか。そりゃ下を見れば、私は上の方ではあるけれども。私が求めているモノとは違う。


ま、いっか。


たまにある。悔しい、憎い、悲しいといった感情が心にドッと押し寄せた時、何故だか急にどうでも良くなる。というか、自分のネガティブな感情から目を逸らしてしまうのだ。良くも悪くもこの特技は私の人生を揺るがすことを許さない。


「そういやさ、来週の8月1日に行くらしいね、あの肝試し的なやつ」

と、話題を変えた。私の暗い感じを悟ったのかもしれない。必要はないのだが。


「そ、そうなんだ。携帯あまり見ないから知らなかったよ」

一瞬自分に浸っていたせいで反応に遅れてしまった。


北村との友達登録の後、snsでのグループを作ることになったのだが、連絡する相手が数える程度なため、あまり触れなかったのだ。


「それでさ、その時って夜中じゃん?一応ファミレスで夜まで待つことになってるんだってさ。

ってかやっぱり見てなかったんだね、既読が一つ少なかったからすぐわかったよ」


「ごめんごめん...でも、補導されたりしない?」


「そこは変装で!」


「親には友達宅に泊まるって言うとして、変装できるってほどの服はないよ?」


「大丈夫、色々持ってるから!」


...あれ、村上ってこの件に対してこんなにノリノリだったっけ?

まぁ「遠足前が楽しい理論」が働いたのだろう。絶対当日に面倒臭くなるよこの子。


呆れてながら帰りの準備を整える。このイベントが終わればそのまま帰宅だ。ついでにクレープでも食べよう。


「そうだ、この前言ってたクレープのお店連れてってよ!」


「え、あぁ良いよ。でも反対方向だよ?」

そういえば、村上にぷれーくについて話した事があったっけ。


「大丈夫だよ、夏休みだからね」



ぷれーくには、帰宅ムードな学生がちらほら並んでおり、クレープにありつけるには時間を要した。


並ぶ時間に何を話す訳もなく、入った事を忘れていたsnsのグループの会話を覗いていた。


7/24


北村『よろしくねー(^^)/』18:00


村上『よろしくー』18:02


柏木『よろしく!』18:03


北村『あれ、田中さんは見てないのかな?』18:08


村上『あかねは携帯あんまり見ないからねぇ、まぁ見てなかったら私から伝えとく(^^)』18:12


北村『ありがとう!』18:12


柏木『日程なんだが、8/1はいかがだろうか?』18:14


北村『意義なーし』18:15


村上『上に同じく、あとであかねに聞いとく』18:17


柏木『ありがとう。では、その日の18:00頃に学校近くのファミレスで集まりましょう。』18:20


北村『了解!』18:21


村上『りょ』18:21


これで終わっている。てか予定があっても行かなきゃ色々言われそうな流れをしている。予定がないから良かった。


と、夢中ににらめっこしているともう順番が回ってきた。


「おすすめは何が良いの?」


「イチゴ味!」


「おぉ、即答だね。ならイチゴにしよっかな。」


「せっかく二人で来てるんだし、あかねは違うのにしてよ、それでトレードしよっか。」


「いいねそれ、んじゃあ私は次に好きなツナサラダにしよっかなー」


「できればスイーツなクレープにしてね」


ぷれーくに高校の友達を連れていくというのは、何だか好きな本を紹介するみたいな気分でテンションが上がってしまう。ついついボケを入れてしまった。私はツナサラダの次に好きなチョコバナナクレープを選んだ。


クレープを受けとると、さっきの話を聞いてくれたのだろう、クレープにプラスチックのスプーンを付けてくれた。店の男性は私が初めて来てから変わっていない。気が利く良い人だ。


いちごクレープを村上に渡し、自分のチョコバナナクレープを口に運ぶ。このバナナとチョコを合わせた発案者を誰か連れてきて欲しい。今すぐ国民栄誉賞を与えたい(そんな権限はないえれど)。


村上はどんな反応をしているだろう。きっと生クリームの如くほっぺたがとろけているに違いない。


目をやると、スプーンにイチゴとクリームを乗せて差し出していた。


「はいあーん」


「おぉ!?...んんー美味しい」


突然のことで少し驚いたが、もともとそのつもりだったので平静を保てた。生クリームの甘さにイチゴの酸味が合う。もはやイチゴの粒々の食感でさえ好きになる。


「一人で食べないでよね、私の分も残してる?」

呆れ気味に。これは私が悪い。


「大丈夫だよ、はいあーん」


「んん!チョコバナナいけるねぇ!」


この後もう一つのクレープを買って分けあった。友達とお菓子を分け合うというのはとても良いものだったのか。ようやく高校生活っぽい幸せを感じられた気がした。





















時間を開けて見たら客観視できました。次から展開をひっくり返します。勝負の二話目?脳内のフリーメモを保存前に消してください。

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