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Ic13266世界 クイズキングダム 【逃避】

※作中の問題は本当に解けるようになっています。多分、けっこう難しいよ!

「ほぉー、これが今回のおまえの教え子かあ。

 天下のエージェントAa004さんに似て、真面目そうな顔してんなぁ。」


「そういう君の教え子は、君よりもしっかりしてそうだよね。

 エージェントIh030、だっけ?普段は何て名乗ることが多いのかな。」


「おお!流石、伝説のエージェントさん!見る目がありますね!!

 自分のことはサティと呼んでくれるとありがたいっす。

 その世界で不自然でない限り、いつもそう名乗ってるんで!」


「さっちゃんよお、おまえその怪しい敬語はやめとけ。

 場合によっては逆に失礼だぞ。」


「え、マジで!?

 あと、他のエージェントの前でまでさっちゃんて呼ぶなって!!」


「ふふ。二人とも仲がよさそうで何よりだ。」



 この世界に私の意識が降り立ったのは、四人のエージェントの中で最後だった。

 視界に光が入るよりも先に聞こえたのは他の三人の楽しそうな声で、目を開いて飛び込んできた光景はやはり賑やかな様子だった。



「おっ。目を覚ましたな。

 おはよう、エージェントIh014。

 俺はエージェントAa015。見ての通りのイケてるナイスガイだ。」



 短髪長身の大人の雰囲気ただよう男性が、砕けた態度で話しかけてくる。

 おそらく初対面でも緊張しないようにという彼なりの配慮なのだろう。

 直感的に分かった、きっとこの人は良い人だ。



「おはよう、アイ。

 事前に伝えられているだろうけれど、改めて確認するよ。

 こっちのデカイのがエージェントAa015。

 今回の合同任務の相手、ベテランエージェントだ。

 そしてこちらが……」


「お、オレ、エージェントIh030!サティって呼んでくれ!

 オレも今、そこのエージェントAa015のもとで研修中の身なんだ!

 よ、よろしくな!」



 先生が視線をさらに横に移すと同時、もう一人の見知らぬ顔が喋り出す。

 彼女は一人称こそオレだけれど明らかに女性であり、少年のような短髪ではあるもののボーイッシュと呼ぶには顔立ちがどうにも可愛らしかった。



「こいつ、友だちが欲しいんだとよ。

 なあエージェントIh014、いや、アイちゃん。

 こいつと友だちになってやってくれねえか。」


「ちょ、師匠!?言うなよ、馬鹿!!」



 顔を真っ赤にしながら自らの師匠をポカポカと殴るサティことエージェントIh030。



「ふ、ふふふふふ。

 サティ。こちらこそ、よろしくね。」



 そんな和やかな場面が、私のこの世界での最初の記憶――
















「アイ、アイ!

 現実逃避から戻ってこい!!

 もう、問題が始まる!!」



 先生の声に、ハッとする。

 そしてすぐさま思考が現実に追いつく。

 状況は今まさに、対峙するチーム【ヌエリャンオパツェリ】との直接対決が始まるところだった。


 エージェント4人もの命を懸けた大勝負。

 今までとは違い、生存力ではなく知力を試される緊張感。

 そのプレッシャーに押しつぶされそうになったとはいえ、現実逃避などしている場合ではない……!



「まもなく問題が映し出されます。

 正解がわかったチームは、すぐに解答ボタンを押してください。

 ただし、お手付きの場合はこの問題の解答権を失います。」



 広い会場に説明が響く。

 観客が固唾をのんで見守る。



「問題提示、カウントダウン!

 3・2・1・0!!」













 問・以下の除け者で徒党を組み、この問題に隠された兎の数を答えよ。



 一、誤魔化しナシさ 当然財産最後反省会


 二、才気常に進化 異界からイオン 兎は去る


 三、位置に銃 ロクな泣く珊瑚いない














「うおおおおおお、ぜんっぜんわかんねええええええ!!」


「師匠、うるせえ、ちょっとは考えろ!そんで今は黙ってろ!!」


「……パッと見てわかりやすそうなのは三、か?……以内?……1?」



 チーム【BOKU☆METU】の戦いの火ぶたは、切って落とされた。


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