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「意識の海にて」


「おかえり。」


うん。


「案の定、元気がないね。」


……ああ、そうだね。


「何か嫌なことでもあったかい?

なにせ今回は再派遣だ、なんとなくの予想はつくけどさ。」


きっと、その予想通りだと思うよ。

現地人の激しい恨みを買って、転生者でもない相手に随分と追い詰められたからね。


「その時に何か、心に刺さることでも言われたかい?」


絶対に許さない。

お前が死ぬまで、いや、死んだって許さない。

謝罪することで自分が救われようとするんじゃねえよ、クソ野郎。

だってさ。


「んー……。

詳しい状況もわからないからこんなこと言うのも悪いんだけれど、ド正論だよね、それ。」


そうなんだよ。

そりゃあ僕だって、この期に及んで許されようなんて気は無いんだよ。

僕は自分自身がいつか、どこかで惨たらしい最期を迎えるべきだとさえ思っている。

だからこそ転生者・転移者に恨まれるのは慣れっこだけど、そうじゃない人間にここまでストレートな言葉を浴びせられるのは、やっぱりクるね。


「そっか。

うん、そういうこともあるだろう。」


僕、昔からこんなに精神的に弱かったっけな。


「いや、そんなことはなかったと思うけれど、今回の研修期間に入ってからは顕著かもしれないね。

でも、それは悪いことだとは言い切れないんじゃないかな。」


そういうもんかな。


「さあね。

さて、と。じゃあ、そろそろ次の世界の話だけど。」


うん。


「流石にキミには負担をかけすぎたんじゃないかと少し反省している。

特にここ最近は激しい戦闘を伴う任務ばかりを重ねてきたからね。

と、いうわけで、次の任務は戦闘とは限りなく無関係な世界を選んだ。」


それ、どんな世界のどんな場所?


「良い子の楽園、だってさ。」


……は?

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